ドン・ファン
Don Sajn


ドン・ファン神話に基づく等身大人形劇。「アリス」以前の一番の長編フィルムとなる。14年前に「ファウスト」の人形は出来ていたのか?(ほとんど同じ人形。ほとんど同じ場面もある。)しかし人間は出て来ず、「ピルケ!」と叫びそうな従者カシュパーレクがプラハの石畳を歩き回る。路上に舞台セットを持ってきている場面もあり、さぞ周辺の人達は困惑しただろう・・。
木で作られた人形から血が出るという手法は「ファウスト」でも使われていたが、生身の人間を使うよりも本当にリアルで恐ろしい。

旧チェコスロバキアカラー30分セリフあり
制作=Kratky Film Praha
脚本・監督・デザイン・アニメーション=Jan Svankmajer
撮影=Svatopluk Maly
音楽=Zdenek Liska
ナレーション=Frantisek Filipovsky

コストニッツエ
Kostnice


Kostnice=Ossuary=納骨堂。
15世紀のクトナー・ホラの戦いの死者の骨をはじめ数万人の人骨がオブジェ化された納骨堂のドキュメンタリー。チャペル自体は14世紀に建てられたが、現在の内装は、カレル・シュワルツェンベルク侯爵の命で木彫家・Frantisek Rint氏一家が10年の歳月をかけて1870年に完成させた。
冒頭、自転車に乗ってコストニッツェに向かう男の映像があり、あとはJazzyな音楽(クエイ兄弟の「ヤン・シュヴァンクマイヤーの部屋」で使われている「チェカチェカ、チェカ」)が流れる頭蓋骨の旅。しかしどうやらこの音楽は2ndバージョンのみのようで(変更させられたものらしい)、イギリス発売のビデオにはあるがチェコ発売のビデオでは音楽はなく、女性の声で淡々と説明がされる。
現実のコストニッツェを見るより、ヤンの映像は壮絶である。30年の月日で多少変わっている部分もあるが(天使像に頭蓋骨は噛みついていなかったし、納骨堂の外に頭蓋骨はなかったし。)、やっぱりヤンの視線が凡人とは違うのだ。
1999年巡礼ページへ

旧チェコスロバキア白黒10分セリフあり
制作=Kratky Film Praha
脚本・監督=Jan Svankmajer
撮影=Svatopluk Maly
音楽=Zdenek Liska(2ndバージョンのみ)

home