部屋
Byt


男(髪のたくさんあるヤン・クラウス氏。「ファウスト」のチラシ配布男の一人)が、矢印に導かれてある部屋へ入る。しかしその部屋では、不思議な現象のせいで何をするにも上手くいかない。スープを飲もうとしたらスプーンが突然穴だらけになったり、ベッドに寝ころぶと待ち構えていたかのようにベッドが木屑になって崩れおちたり。
突然出てくる、鶏を抱えたスローモーションの紳士にびっくり。ヤンの全作品の中で、スローモーションが使われるのなんてここだけでは?なんて美しい・・。
全編に流れる音楽は、クエイ兄弟の「ヤン・シュヴァンクマイヤーの部屋」で効果的に使われており、私としてはそちらの印象の方が強い。

旧チェコスロバキア白黒13分セリフなし
制作=Kratky Film Praha
脚本・監督・デザイン=Jan Svankmajer
撮影=Svatopluk Maly
アニメーション=Zdenek Sob
音楽=Zdenek Liska
キャスト=Jan Kraus,Juraj Herz

ワイズマンとのピクニック
Picknick mit Weissmann


芝生の上に、タンス・机・椅子・ベッドなどが並び、チェスの駒がひとりでに動く無人のピクニック。夕方になり、家具たちに落ち葉がつもると、タンスの中から手足を縛られた男が転がり落ち、ちりとりの掘っていた穴に埋められていく。
ヤン=落ち葉の印象を強くした作品。好きなのは、レコードの上で貝殻が遊んでいるところ。ひととおりレコ針を傷めた後、そーっと立ち去る場面を何回見たことか。
全体的に、クラシックでお洒落な雰囲気。1968年にこの作品が撮られたというのは凄いことなのだが、政治的意図なんて、日本人の私はわからないけど、いいんです。

オーストリアカラー11分セリフなし
制作=Studio A Linz(Austria)
脚本・監督・デザイン・アニメーション=Jan Svankmajer
撮影=Peter Puluj

home