〜〜〜オリSSの部屋の燃え残り〜〜〜

多分歴史モノ?
『天上の龍』

これは、いわゆる三国志の創作小説ですが
気分で書いているので時代考証やら設定に無理が有っても保障しませんよw…。





…最近、眠ると俺の頭を通り過ぎるモノ…
…それは、昔の自分…
…草原を疾走する姿…
…天を目指した自分の姿…




小川のせせらぎや鳥の鳴き声が聞こえる。
無我夢中になって槍の練習をしていると、いつしか振り回す自分の槍の音が消えて
周囲の風景の音が聞こえてくる様になるのだ。その瞬間が自分にとって一番心地が
良いものだった。
馬の嘶きが聞こえた。自分の愛馬”燕”ではない。燕は余程のことが無い限りは啼い
たりはしない。誰か来たのだろう。此処に訪ねて来る暇な奴は1人しかいない。

「天、公瑾の兄貴が死んだそうだ」
小屋の外に置いて有る床几に腰を掛けると、無造作に、まるでその辺りの道で犬でも
死んでいたかのようにそいつは口を開いた。
しばらくして、そうか、と一言だけ返事をした。もう既に別れは済んでいたのだから余り
驚きはなかった。
今、此処にやってきた男…こいつの名は”遜”。自分とは剣を共に修行した親友だ。
「飛天よ、そろそろ我々も冷や飯食いではおれぬ時期が来たのかもしれんな?」
姓は”飛”名は”天”とは自分が使っている通り名だ。本名は自分が死ぬ時までもう名乗る
事は無いのかも知れない。…自分は一度は死んだ身で有りその時の面影も殆ど無いからだ…。
「…伯言よ、俺は暫く旅に出ようと思う」
「おい、突然何を言い出すのだ? お前もそろそろ呉に仕官してくれれば良いと思って
いた所だというのに」
「呉下でも名家の陸家に生まれたお前ならその気になれば、大都督も夢では無いだろうがな?」
「馬鹿を言え。家の嫡子でも無い私がそんな出世などするものか」
「ならば」
俺は自分自身の心の内からの言葉を口にした。
「伯言よ、俺と共に暫く旅にでないか?」
「…」
「冷や飯食いとは言え、お前は官に就いている身だ。無理強いはせん。しかしお前が共に
行ってくれるなら、こんなに心強いものは無い」
伯言は少し思案気の顔をした後、勘ぐる様に尋ねてきた。
「…お前、一体何処へ行く気だ?」
「荊州から蜀、そして西域だ」
「何!?」
「伯言よ、これは死んだ兄貴…いや周瑜公瑾との約束なのだ。いやあるいは遺言だったのかもしれない」


続く?



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