2001年7月号

栄 光 の 戦 闘 機 隊

〜「隼」サムライ伝〜




今月号は丸のお得意特集「隼」戦闘機隊です。でも、久々ですね、隼やるのは。昔は結構マメにやっていたものですが。
皆さん御存知かと思いますがちょっと解説しますと、日本陸軍一式戦闘機「キ−43」のことです。開戦より終戦まで日本陸軍戦闘機隊の主力として活躍し、その軽快な運動性は多くのエースを生みました。
ただし、速度性能と武装の貧弱さは、連合軍が次々と繰り出していく新型戦闘機や大型爆撃機に対抗できず、最後は特攻機として使われることとなってしまいました。

さて、どんな記事が載っているかとぺらぺらめくっていきますと、まずは丸の航空戦史の話だともうレギュラーライターの秋元実氏の 「隼」装備戦隊総覧ですが、これは結構すごいですねー、誠第26戦隊とか教導飛行第204戦隊まで載ってます。さすがとしかいいようがないです。
続いて、隼といえば第64戦隊ということで、ビルマの64戦隊の記事が載っています。有名な「加藤隼戦闘隊」です。マレーシア侵攻後はビルマに移って、終戦まで敢闘してます。色々な本も出ているのでそちらと見比べてみるのもよいかと。
続いて大陸戦線で在支連合航空軍の邀撃戦闘をしていた第25戦隊の戦記です。中国戦線の航空戦はあまりメジャーではないので、知らない人が多いでしょう。活躍しているんですけど、キ−43でP−51に立ち向かわなければならないという悲惨な戦場にいた部隊なので、損害も多いです。在支第五航空軍もどこかで特集して欲しいですね。
で、ちょっとマイナーな部隊のあとは超メジャー部隊の話です。第12飛行団(第1戦隊と第11戦隊)ですね。陸軍戦闘機隊の名門で、多くのエースパイロットの母隊となっています。この部隊もマレー作戦のあと、海軍のごり押しで南東方面に派遣されて、圧倒的な連合軍航空隊と死闘を繰り広げます。あまり知られていませんが、この部隊の一式戦はちゃんとガダルカナル島の制空戦にも参加しているんですね。ラバウル戦闘隊は零戦だけじゃないわけです。
その後は、北方戦線、雪と氷の中で戦闘した第54戦隊です。有名なのは終戦後も遅滞戦闘に出撃していまして、ソ連軍に爆弾を降らしています(少数機ですけど)。ちなみにその中の一機がソ連にかっぱらわれまして、今もどこぞの博物館に保管してあるそうです。
あとは、隼に関わった人物の紹介です。開発者や著名なパイロットがずらりと載っています。今号は隼のこと知るには結構よく特集が組まれていますねー。ちょっと感心しました(^^)


あと、今月号だと、最近丸がよく特集組むフィンランドものがカラーグラビアに載ってますねー。フィンランド唯一の機甲部隊パロラ機甲旅団です。昔はT−26とか3号突撃砲を装備していた部隊ですが、いまではT−72とかT−55を装備してます。さすがにそろそろ古びてきた戦車ですが、まあ武装中立国なので戦争しないですから(笑)
T−72をはじめとして結構マニアックな車両が掲載されていまして(マークスマンなんて久々に見ました)、わたしとしてはちょっと面白くみてました。ついでに言いますと、モノクログラビアはアルデンヌのドイツ戦車で、こっちのほうが興味ある人が多いかな?アルデンヌのドイツ車両はほとんど連合軍の撮影した遺棄車両なんですけど。


さて、真ん中の特集は日本軍の航空カメラ・・・まにあっくですね、私はちょっと興味のない分野なのですが、航空好きの人とかカメラ好きの人にはきっとたまらない特集なんでしょう。陸海軍の色んなのが載っていますが、まだこの頃はカメラの日本の片鱗しか見えてないみたいです(^^;

続いて、Nobさんの「飛行機グラフィティ」では重武装軍用機ということですが、こちらもマニアックです。ロケット砲装備タイプの二式戦とか、多銃装備の銀河なんて好きな人しか知らないです(笑)挙句の果てにXP−58まで載ってます(いや、好きなんですけどね)


青紙(真中らへんの色違い特集のことですでは、「伊201」の戦記記事です。日本の水中高速潜シリーズの戦記は今回初めて見ました。ある意味、今月号で一番興味深い特集ですねー。終戦時に作戦のために出撃していたのははじめて知りました。今回読んでいろいろわかったことがあってびっくりです。潜水艦好きならここだけで買いかもしれないです♪


さて、今月号は結構私的には読み応えありましたが、どーでしょう??あまり目新しいネタが少なかったのが、ちと残念といったところでしょうか。まあ、来月にその辺は期待ということで。
ちなみに来月の特集は「日本の防空艦」です。


5/11 佐藤裕紀




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