市議会での発言のページ
2005年9月22日

道路特定財源制度について

 私は、道路特定財源制度の維持を求める意見書に反対するものです。

毎年5兆円を使い切ることが問題

 道路特定財源は、2005年度税収で5兆5千969億円になると見込まれています。これを使い切るために結果として採算性も必要性も疑問であるような無駄な道路建設につきすすむことになります。
 9月議会でも議論しましたが、社内上野本線の拡幅事業について、関係住民の間で十分な話し合いも合意もないまま、国、県の予算が付いたからということで、事業に着手しました。これは、1996年の時点では市当局もまったく予想すらしていなかった道路整備事業でした。地元関係者が集まった集会で市の担当者が「道路拡幅の予定はない」と断言していたのです。
 住民も当局もどうしても必要と感じていなかったこの事業をしゃにむに行う原因になったのは、ガソリン税や自動車重量税などが道路特定財源として固定され、毎年5兆円以上使い続けなければならない仕組みに問題があるからです。

道路拡幅で街の人口が減少

 しかも、道路をひろげた結果、そこに住む住民の一部が立ち退かざるを得ない状態となり、町に住む人口減少に拍車をかける結果となっています。街の活性化にも逆行する事態を生み出しているのです。ただいま提案された意見書案には、「中心市街地の空洞化が進み」と認めていますが、かえって道路特定財源制度がその空洞化を促進するという皮肉な現実を生み出しているのです。

役割を終えた道路特定財源制度

 小矢部市における経験を通じても明らかなように、この道路特定財源制度はすでにその役割を終え、かえって地域の活性化に逆行するという阻害要因になりつつあると言っても過言ではありません。
 私は、この財源を一般財源化し、国、地方全体の財源のなかで、何が必要な事業か、何から取りかかるか、十分な議論を経て、必要なところに予算を配分するやり方に改めることが必要だと考えます。交通の渋滞問題や、交通安全、地球温暖化防止など環境問題を考えると、総合的な交通体系を考える必要があります。道路だけでなく、鉄道、船舶、航空など総合的な交通体系の充実のためには、揮発油税などの財源を一般財源化し、本当に必要な生活密着道路、交通安全施設整備、鉄道輸送網の充実でエネルギー効率の良い、環境に優しい総合的な交通体系の確立のためにこそ、生かすべきであります。



このページのトップへ戻る

市議会での発言集へ戻る

砂田喜昭(Sunata Yoshiaki)のホームページへ戻る