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2005年6月13日
2005年6月議会一般質問
目次
北陸新幹線富山金沢間が着工され、住民説明会が小矢部市でも開かれます。
小矢部市にとっては新幹線が、石動市街地の真上を通過し、騒音が心配です。農村地域では、成型田を斜めに横切るなど、農業に大きな影響を残します。また、能越自動車道福岡インターの上で新幹線が交差しますが、あそこは5百年前に木舟城が地震で陥没したと言われている地域でもあります。残地補償、騒音対策、地震対策に万全を期す必要があります。これらに対する市の対応について、お答え下さい。
次に北陸新幹線建設に伴う地元負担についておたずねします。小矢部市に地元負担があるのでしょうか。「今のところ無いと聞いている」と言うことではなく、「元もと無いと聞いているのだから、小矢部市としては今後絶対に地元負担を受け入れない」と、市の態度をここではっきりさせていただきたいと思います。
「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」、いわゆる交通バリアフリー法が制定されました。この法律は高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性・安全性の向上を促進するため、
I.鉄道駅等の旅客施設及び車両について、公共交通事業者によるバリアフリー化を推進する。
II.鉄道駅等の旅客施設を中心とした一定の地区において、市町村が作成する基本構想に基づき、旅客施設、周辺の道路、駅前広場等のバリアフリー化を重点的・一体的に推進する。ということになりました。
そこで石動駅にエレベーターの設置を市としてぜひJR西日本に働きかけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
小矢部市行財政改革大綱にもとづく補助金の見直しについて、当局の準備状況、市民が検討する委員会の進行状況について、まずおたずねします。
補助金の見直しに関連して、最近大変気になる相談を受けました。80歳前後の高齢のご夫婦で2人暮らしの方ですが、奥さんが病気で入院され、医療費がかさむ上に、2人とも国民年金だそうです。年金の支給額が減らされて、現在、ぎりぎりの生活をしているそうです。
そこへ学校の児童生徒が各種スポーツ大会に出場するための経費がかかるといって、PTAの特別会費を、町内会を通じて集金にこられたというのです。そのほかにも社会福祉協議会の会費も集金にこられたというのです。それぞれ500円とか1000円だそうですが、いろんな団体のものを合計すると結構な金額になり、その家庭にとっては大変厳しく、何でそんなものを出さないといけないのかというのです。
教育後援会にしても、社会福祉協議会にしても、交通安全協会にしても、これらの団体は、地域住民がいつの間にかその会員になっているという団体です。改めて一人ひとりに加入の意思を確認したわけでもなく、いつでも自由に脱退できる手続きが住民に充分周知されているわけでもなく、会費も町内会を通じて集金されているのが多いのではないかと思います。こういう団体の活動経費を誰がどのように負担するのかという問題をよくよく検討しておく必要があるのではないでしょうか。
行財政改革と言うことで、児童生徒の各種大会派遣費費用が足りないのを放置したり、社会福祉の分野でも生きがい活動支援の補助金を削減したり、実情も考えずにいろんな市の補助金を一律削減し、その分が住民負担と言うことになると、生活の苦しい方に、大変な負担になります。税金の場合は、基本的には所得に応じて負担していただくことになりますが、半ば割り当て的な会費負担と言うことになると、低所得者には大変な重荷になります。
補助金の見直しにあたっては、このような側面もしっかりと見極めて対応すべきではないかと思いますし、また、これらの団体の活動のあり方についても、もう一度見直しが必要でないかと思います。見解を伺います。
少人数学級の効果について、文科省が今年四月に調査した結果によると、「児童生徒の学力が向上した」「授業でつまずく児童生徒が減った」と評価する学校は、小学校で98・7%、中学校で九割以上にのぼっています。
また、「不登校やいじめなどが減少した」「基本的な生活習慣が身についた」と評価する学校は、小学校で九割、中学校で八割です。さらに、教師が教材研究を深めるうえでも効果があったといいます。
一方、「少人数学級」と違い、「少人数指導」や「習熟度別指導」には問題点が見られます。「少人数学級」とは、一クラスの定数に変えて、児童数を30人とか35人以下にすることを言います。「少人数指導」とは、定数を40人のまま変えず、国語や算数など一部の科目だけについて、クラスを分けて授業を行うことを言います。「習熟度別指導」とは、同じく定数を40人のまま変えず、子どもの理解の程度に応じて一つのクラスをグループ分けして授業をすることを言います。
先の文科省の調査では、学習面では少人数学級と少人数指導の評価はほとんど変わりませんでしたが、大きく違ったのは生活面です。少人数指導では「不登校やいじめなどが減少した」とは「思わない」と答えた学校が中学校で57%、小学校で36%にのぼりました。少人数学級と比べ、二―三倍の高さです。
また、少人数指導では、「教師間の打ち合わせや教材準備の時間が確保できない」と答えた学校が七割です。八割が「学級編成人数を引き下げた方が効果的」と答えています。
これらの結果からも、同じ「少人数」でも学級規模を小さくしてこそ、子どもが楽しく学ぶことができることが明らかになりました。
そこで、小矢部市としては、この文部科学省のアンケート調査にどのような回答をされたのでしょうか、お答え下さい。
昨年9月議会で私は、少人数学級を実施してどのような効果があったか、アンケートをしたらどうかと提案しました。教育長は学校の外部評価の中でできないか検討したいと言うことでしたが、ぜひ児童、父兄、教師へのアンケート実施とその公表を具体化していただきたいと思います。富山県教育委員会も近々アンケート活動を行う意向のようです。
中央教育審議会の義務教育特別部会でもようやく、公立小中学校の一学級当たりの子ども数の上限を「四十人」と定めている学級編成基準を改善することで一致したようです。国の制度としてぜひ実現させたいものだと思いますが、国に重い腰を上げさせたのは、結局全国の自治体が、独自に少人数学級に取り組んで、その効果があるということを証明したからに他なりません。
小矢部市もその一助になったと思いますが、来年度以降のことを考えると、国の対応待ちというわけにはいきません。県では小学2年生まで35人学級としましたが、その子が来年は小学3年生になるのです。県に対して対象学年の拡大を求めるとともに、小矢部市としても30人を超える学級への補助教師の配置を小学2年生まで拡大することを強く求めたいと思います。
小矢部市の下水道整備計画を見直して、散居村などでは市が設置し維持管理する合併処理浄化槽方式を取り入れていただきたいと言うことを、繰り返し要望してきました。
今年度の国の下水道関連予算概要によりますと、「浄化槽の役割はますます大きくなっていくものと考えられる。」「今後実施する公共下水道、集落排水、浄化槽の施設を連携して整備できるよう、事業間で融通可能とするので地方の自主裁量性を尊重する観点から、既存の都道府県構想にとらわれず、市町村の自主性、裁量性により最も効率的な整備手法の選択をして、市町村による新たな整備計画を策定することを可能としているところである。」というのです。つまり国は、県の計画がどうであろうと、小矢部市が自主的にもっとも効率的な整備手法を選択できるというのです。
このような特長を有する制度ができましたので、小矢部市として何が効率的か、具体的に検討する必要があります。
そこで、一つのモデル地区で、公共下水道方式と、浄化槽方式で、どちらがどれだけ効率的なのか、家屋間の距離がどれだけ以上だと、浄化槽方式が効率的なのか、比較するための具体的試算を示していただきたいと思います。
次に、トイレだけを浄化する単独浄化槽を下水道や合併処理浄化槽に切り替えるための補助制度創設についてお伺いします。3月議会では水洗化工事のための貸付制度の利用が大変少ないので、見直しをしていきたいと答えておられました。
そこでこの件について全国的にどのような取り組みが行われているのか、若干紹介したいと思います。
環境省の調査によると2003年3月末現在、全国で約680万基の単独浄化槽が設置されているといわれています。
2000年6月に浄化槽法が改正され、原則として単独浄化槽の新設が禁止され又、既設の単独処理浄化槽についても合併処理浄化槽への転換努力義務が設けられました。
これをうけて2003年12月末現在、既設単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換費用(撤去もしくは有効利用)に対する補助を実施している市町村は、全国で199市町村あるそうですが、中でも千葉県、埼玉県の市町村が積極的に取り組んでいるようです。
千葉県市原市では既設の単独処理浄化槽を転換すると9万円の上乗せ補助を出すそうです。
また、岐阜県可児市のように下水道につなぐことによって不用となった既設の単独処理浄化槽を雨水貯留槽として活用する場合には、工事費の2分の1を、8万円を限度に補助しています。
小矢部市として、制度の見直しをする機会に、こういう助成制度をぜひ取り入れていただきたいと思います。
住宅リフォーム助成制度は、住宅などを改修するときに、市内業者に工事を発注した場合、自治体が工事費用の一部を負担する制度で、全国的には18都道府県87自治体で実施されています。助成率は工事費の5%とか、10%で、助成金の限度額が10万円程度というのが多いのですが、これによって地元の建設関連業者には10倍から20倍の仕事を発注することになり、年間数億円の新たな仕事が掘り起こされ、助成額の十数倍の経済波及効果が出ており、地域振興に大変注目されています。
市のこれまでの高齢者住宅整備資金貸付金制度の利用がゼロという年が続いています。いまほど紹介しました水洗便所改造資金貸付金制度の利用も少ない状態が続いています。
これについて昨年12月議会の決算委員会報告は、次のように指摘しています。
「住宅貸付金等各助成制度の見直しを行い、枠拡大を含め、利用しやすいものへと検討していただきたい」。
決算委員会の指摘は大変重いと思います。ぜひ、貸付金制度から一歩踏み込んで、住宅リフォーム助成制度を創設してもらいたいと思います。
小矢部市は2003年9月議会に次世代育成支援行動計画をつくるために250万円の補正予算を計上し、この行動計画が2005年3月にできあがりました。
この計画は少子化傾向が続く中で、子どもを安心して生み育てることができる地域づくりや子どもたちの健全育成をめざすものとしてつくられました。
この計画を実行する上で、企業や市民、地域社会が果たす役割も大きなものがありますが、小矢部市が行政として独自に具体化すべきことも少なくありません。
市が責任を持つ分野の一つとして、学童保育が上げられます。今年度は小学3年生までの希望者を全員受け入れてもらいましたが、次年度以降の希望者受け入れの態勢について、お伺いします。
3月議会での答弁では、はじめは、「施設の増設・拡充は困難な状態だが、保育方法の検討や子どもの遊びの見直しで何かできないか」というような答弁でしたが、議論をする中で最終的には、民生部長は「増設設置について、もう少し時間をいただいて検討させて欲しい」とお答えになり、助役は「定数増のことも含めまして、できるだけみなさん方の要望に応えていきたい」と答えられました。
こうした議論をふまえるなら、そして「小矢部市次世代育成支援行動計画」で、「利用者増及び4年生以上の継続児に対応して施設の拡充を図ります」とその目標を明確に掲げている以上、ぜひこの場で、学童保育施設の拡充計画を明確にしていただきたいと思いますが、答弁を求めます。