市議会での発言のページ
2005年3月9日

200539日 一般質問

I  下水道計画の見直しについて... 1

II 農業における土づくりについて... 3

III   学童保育の拡充について... 3

IV   保育所問題での検討の進め方について... 4

 

(I)     下水道計画の見直しについて

1.        今年度末までの見直しの中身について

12月議会での答弁によると、下水道事業計画の見直しを、年度末をめどに行うと言うことでしたが、まもなく年度末を迎えます。その中身はどうなっているでしょうか。

 

2.        浄化槽市町村整備事業を取り入れないと市の財政的にも、市内全域の水洗化も実現が困難であると思うが、どうか。

12月議会で私は、下水道事業会計が莫大な借金を抱え、足りない分を全額一般会計で面倒見てもらっているが、それでよいのかと質問したら、答弁では一般会計からの繰入6億円のうち、5億円は地方交付税で面倒見てもらう繰入で、単なる財源不足の補填は少し減っているという答えでした。この認識は甘いのではないでしょうか。

国が面倒見てくれているはずの地方交付税が総額では、前年に比べて3億円も減っているのです。国からはお金が入ってこないが、下水道会計へは赤字の穴埋めをしなければならない。これこそ、行財政改革を進める上で最大の問題ではないでしょうか。補助金の削減、保育所の民営化などに比べるともっと大きな問題です。下水道会計の財政的な危機について、市長の認識が甘いのではありませんか。

私は下水道事業に関して、公共投資だから何でも削れと言っているのではありません。同じお金をかけても、たくさん仕事のできるやり方を選びなさいと言うことを強調しているのです。

先日、環境省が主催する浄化槽に関するトップセミナーが全国初めて富山市で開かれました。

そこで聞いてきた話ですが、公共下水道の建設費の80%が管路敷設にかかる経費だそうです。全国的には1キロの管路を敷設するのに1.6億円かかると言われています。散居村では比較的家が密集しているところでも30戸前後しか家がありません。他方合併処理浄化槽では同じ費用で160戸分の整備が可能となります。同じ経費をかけても、効率的なやり方を選択すべきではありませんか。

ランニングコストの比較でも浄化槽の方が経済的という結果が出ています。

2004年度の下水道ハンドブックで汚水処理のコスト比較によると、東京など都市部では公共下水道の汚水処理原価は1立方メートルあたり1395円と安いのですが、特定環境保全公共下水道(小矢部市では松沢地区で実施)では全国平均で5317円と割高になっています。一方浄化槽市町村整備事業では2204円と経済的です。

建設にあたっても、維持管理にあたっても浄化槽市町村整備事業が小矢部市のような農村部では有利だといえると思います。これをやらないと市の財政が破綻し、市内全域の水洗化も困難になると思います。

このまま、漫然と公共下水道での処理区域を拡大し続けるなら、下水道を利用しているみなさんにも下水道使用料金の大幅引き上げが襲ってくる可能性があります。

下水道協会がつくった2002年度下水道統計によると、小矢部市の場合1世帯あたりの下水処理経費は約36万円、このうち6万円は下水道使用料でまかなっているが、残り30万円は税金で負担しているそうです。管理費を全額下水道使用料でまかなおうとすれば、月3万円の下水道使用料を徴収しなければならなくなります。公共下水道を散居村にどんどん拡大するという現在の計画のままでは、下水道を利用している町部の皆さんにも下水道使用料の大幅引き上げとなって跳ね返ってくることになります。

災害時に備えるためにも、公共下水道だけに頼るのは、大変危ないと言えます。地震時に管路が寸断されると、下水道が使えなくなります。その点合併処理浄化槽の場合は、被害が大変少なかったというデータがそろっています。95年の阪神淡路大震災では破損率が0.3%、2003年の宮城県沖地震では0.2%、同じく2003年の十勝沖地震では11.3%でした。地震にあっても9割以上が使えたと言うことです。

こうしたことを考えるなら、いまこそ浄化槽市町村整備事業に取り組む決断をすべき時だと考えますが、決意のほどを伺います。

3.        単独浄化槽の実態調査とその切り替えの方策について

トイレの水洗化だけしかできない単独浄化槽、つまり台所や風呂、選択などの生活雑排水は処理せずに垂れ流すだけの単独浄化槽の設置状況はどうなっているのでしょうか。実態を報告してください。もし把握していないなら、把握すべきです。

浄化槽市町村整備事業の導入の際には、砺波市がやったように、市として単独浄化槽の入れ替えも行うべきです。砺波市のやった方法は以前に紹介したように、設置者の了解が得られれば、単独浄化槽を撤去して、合併処理浄化槽を入れ替えるところまで、市で行うというものでした。

 

4.        公共下水道に接続させる上で、現在の貸付制度の一本槍のやり方を見直す必要がないか。

水洗化率、つまり下水道整備地域内に住んでいて、実際に下水道に接続している人口の割合は、66.6%、3分の2にすぎません。行財政改革実施計画でも、その普及促進に力を入れられるようですが、それを支援する制度として現在の貸付制度一本槍のやり方を見直す必要がありませんか。たとえば環境への負荷を軽減することを促進する意味で補助制度を導入するなどの対策は考えられないものでしょうか。

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(II)  農業における土づくりについて

大豆の連作障害、米の上位等級比率の低下などが問題になっているが、堆肥を土づくりに生かす対策が必要だとおもわれます。

12月議会での答弁によれば、生ゴミによる堆肥の成分の問題もあって、なかなか大変多くの課題があり、近年中の対応は非常に困難だというものでした。

しかし、長野県の臼田町を2002年秋に産業建設常任委員会で視察したときには、生ゴミを畜糞と混ぜて堆肥化し、その成分は畜糞と余り変わらない、品質のよい堆肥がつくられていました。塩分も問題ないと言うことでした。実際にさわってみたのですが、堆肥になってしまえば、さらさらで臭いもしませんでした。異物の混入問題についても、堆肥ができあがった段階で、ふるいを通してペットボトルのふたなどのごみを取り除いていました。畜糞との混合によれば品質のよい堆肥の生産ができるのではないでしょうか。

堆肥の需要先の確保に関しては、家庭菜園には生ゴミの分別収集に協力してもらっていることもあって一人3袋まで無料で堆肥を渡し、水稲農家には1トン4000円で販売しているそうです。このように多くの課題は、一つ一つ解決しようとすれば可能であることを、長野県臼田町の経験は示しています。

次に、堆肥を農地に散布する体制づくりが必要でないかと思います。農業機械が大型化し、人手が足りなくなってくる中で、大量の堆肥を運搬し、田んぼに散布するシステムを作る必要が出てきます。以前に農業公社をつくって、公社にその役割を果たさせたらどうかということを提案したことがありましたが、そういうシステム作りに取り組む考えはありませんか。


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(III)                           学童保育の拡充について

小矢部市が初めて学童保育を取り入れたのは1999年9月からで、市内で1箇所、総合保健福祉センターで始めたのですが、はたして希望者がどれだけあるのか、心配しながらのスタートでした。しかし、これが大変待たれていた施策であったため、希望者がどんどん増えて、いまでは5小学校で学校に併設して実施するまでになりました。来年3月の春休みからは、春休みも開くことになり、かなりに充実してきました。

ここにきて学童保育が大変好評で、希望に答えきれないという問題が出てきました。定数いっぱいで、小学2年生になると受け入れてもらえないのではないかということが懸念される状況になっています。とりあえず、希望者が集中している石動小、大谷小で定数増を実現していただきたいと思います。

学童保育を始めてみたら、すぐに各学校で開いて欲しいという要求が出され、次には夏休み、冬休みも開いて欲しいという要求が出され、こんどは定数をもっと増やして欲しいというのです。これは小矢部市が行ってきた施策が、市民自身によって高く評価されていることの表れです。これほど市民から評価された施策がかつてあったでしょうか。

小学校低学年の子を抱える親が、放課後子どもを一人家に残しておくことの不安は大変大きいと思います。小矢部市でも核家族化が進み、あちこちに団地ができるようになってきました。若い世代が、新しい家を市内でつくるのは、人口増にとっても、小矢部市の活性化にとっても意味のあることです。ローンを抱えた親が共働きせざるを得ない現状がある以上、それを支える政策をとってこそ、小矢部市に住んでよかったといわれるのではないでしょうか。市長の政治決断を求めます。

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(IV)                           保育所問題での検討の進め方について

共産党で先月、アンケート活動をしたら、延長保育に対する希望や、土曜保育などについて、切実な要望が口々に語られました。また、小矢部市で保育所の統廃合・民営化の検討がされていることが、肝心の保育所に子を預けている父母の間で、まったく知られていないのにも驚きました。一番関係のある人たちを抜きにした検討はまずいので、保育所問題の検討のしかたを改める必要があると思います。

そもそも統廃合・民営化の問題が出てきたのは、国が自ら作り出した財政危機の責任を曖昧にし、そのしわ寄せを福祉、教育に押しつけようと、大号令をかけてきたからで、何となく流行のようにあちこちで言われていますが、利用者にとっての統廃合・民営化のメリット、目的がまったく見えてきません。

行財政改革推進市民委員会での議論を思い出します。ある委員が、「私は基本的には民営化論者だが、保育所に預けている若いお母さん方の集まりを持って意見を聞いたら、保育所の改善要求が出されたが、民営化という声はなかった」と述べて、保育所の民営化は難しいのではないかと結論づけておられました。親や関係者の意見から保育行政の改善策を探る方法が一番大事ではないかと思った次第です。

そこで保育所問題では、何が問題で、何を改善したらよいのか、父母や保育士でよく話し合ってみることがまず必要でないでしょうか。各保育所には父母の会があります。その話し合いが必要ではないかと思うわけです。保育所の抱える問題が明確にされ、それを解決する手段として何があるのか、それがはたして統廃合・民営化なのかを議論することがまず大事だと思います。

市民が話し合うやり方として参考になるのは、愛知県豊橋市で行った手法です。それをここで紹介していたら時間が足りなくなりますので、事前に当局には文書でお示ししておきましたが、みんなの意見が出しやすくなるように工夫して、全員が自分の意見を紙に書いて発表し、ポストイットというそうですが、それをもとにみんなで話し合い、共通点、一致点をまとめながらすすめていくのです。

行革大綱でも行革の目的は「市民の幸せ」のためであって、単なる歳出削減ではないと強調しています。行財政改革基本計画で市民とのパートナーシップをうたう以上、話し合いをこれくらい徹底すれば、保育所問題でも市民自身が考え、結論を出すことが可能になるのではないでしょうか。

次に、保育所運営検討委員会についてですが、これは昨日来議論されていましたので、1点確認します。当然のことながら3回目の会合が開かれる3月24日には市民の傍聴を認められるのでしょうね。



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