2月21日に高岡市で開かれ食と農業を考えるシンポジウムに参加したY・Aさんに、その様子と感想をお願いしたところ、快く引き受けていただきました。今週号から連載します。(見出しは編集部)
<はじめに>
私が農業を考えるシンポジウムに参加したのはこれで二度目だ。何事も人間、動機なしに行動はないもの。二度も参加する動機は何かと自分に問うてみたが、二つほど思い当たる。それは私自身が1.2haとわずかながらの農業を営みながらこの先どうなるのかという疑問を抱えていること。もうひとつは行き詰まった日本の農業を打開する道を日本共産党はどうしようとしているのかを知りたい。という思いからであった。 シンポジウムは、パネリストと参加者が一体になってテーマについて論じるものであり、私の意見も交えながら参加した感想を書いてみたい。
いま食味向上と安全に挑戦して
現在私は小学校時代からの友達に誘われて「百将塾」という稲作研究会に参加させてもらっている。この会には、まじめに稲作技術を研究する30代から50代までの人たち16名が参加している。米の増収だけを考えるのではなく、平成の米騒動を千載一遇のチャンスと米の輸入が始まったが、こうした外米を食べる機会があってから日本の米の味が見なおされるという、社会の変化に応じて、食味の向上を研究して、各自が栽培方法と食味データをとり、おいしい米作りを研究している。今年はおいしさにもうひとつ安全をテーマにした取り組みが進められようとしている。
営農組合もこの春につくる
私はこの組織に加わりながら同時に地元生産組合の仲間と、農業経営が個人ではどうしても成り立たなくなってきたことから、農業機械の共同利用を進めてきた。3年前より12名でコンバインの共同利用組合を作ってみんなで共同刈り取り作業を行ってきた。今年はこの組織を発展的に解消して、生産組合全体(24戸)で営農組合にするために昨年はじめから話し合いを進めている。組合名称も組合員全員からアンケートを取り議論の末やっと決まった。いよいよこの3月末に設立総会を迎えるまでになった。
楽しくなければ農業じゃない
まずここにパネリストの方が問題提起された内容を私なりに整理してみると次のとおりである。 @今城さんの発言は、昭和50年に養豚からはじめて、現在はアルギット米と奥さんがはじめたハーブを栽培している。 ・ 良いものを作りたいがコストがかかり、消費者は安いものを買いたいというギャップを、生産者と消費者との顔の見えるつきあいで埋めている。 ・ 生産者は消費者においしいと喜んでもらえることと、ものを育て作るという喜びが大切であることを、「楽しくなければ農業じゃない」と提起された。 ・ 又、後継者作りにも熱心で次世代の後継者作りを高校生の体験教室として受け入れて実施中。 ・ 現在高岡でも、農産物の輸入により養豚農家は一戸もなくなる等、大型経営農家でも転作などで農業を辞めた方も出ている。こうした輸入食糧に依存した社会だが、消費者も農家の立場も考えていただきお互いに理解しあうことによる活路を見つけることが大切だ。 (次号へ続く)
|