市議会での発言のページ
2003年12月5日

12月5日、12月市議会冒頭で行った決算認定反対の討論原稿です。


  市民の税金が無駄に使われなかったのか、使うべきところに有効に使われたのかを検討した結果、私は決算案件の内、認定第1号2002年度一般会計決算、及び第3号国民健康保険事業特別会計決算の認定に反対します。

まず第1点は、市民の納めた税金が無駄な使われ方をしなかったのかという問題です。

細部については、今年私は、決算特別委員会に所属していませんでしたので具体的に議論できませんでしたが、市長交際費については市長の政治姿勢を端的に示すものなので、具体的に吟味したいと思います。

400万円の市長交際費について、2002年度は全額使い切らず、10万円あまりの不用額を出したことは、これまでにない出来事で、市議会でこの問題を議論してきたことや、市民オンブズ小矢部が誕生し、情報公開条例を活用して情報の開示を求めた結果だろうと思います。自民党の政治資金団体である国民政治協会への会費の支払いを取りやめたことも、当然の結果です。

しかし、以前に官官接待で問題となった、税金で役人や国会議員を接待することについては、依然として改善されていませんでした。昨年8月25日には県職員との懇談会がヘルシーパル小矢部で開かれ、9万5427円支出しています。また、国会議員との懇談会賄いとして、5月7日に、東京赤坂の「赤坂小みや」というところで13万9650円支出し、今年2月1日に津沢のある料亭でふたたび国会議員との懇談会賄いとして10万6722円が支出されています。国会議員との懇談会というのは、2001年度には一回も市長交際費から支出されていなかったのに、2002年度になって、新たに2回も支出されているのです。

市民が不況で苦しんでいるときに、市長が、市長交際費という税金を使って官官接待を依然として行っていたことにたいへん驚きました。これらについてきっぱりとメスを入れ、市長交際費の半減を実現すべきです。石川県七尾市では人口4万7千人の市ですが、小矢部市より少ない210万円余り、人口一人あたり45円の市長交際費です。小矢部市は一人あたり115円で、倍以上となっています。全国の自治体で市長交際費を調べてみましても、人口15万人の千葉県習志野市でも280万円、人口12万人の三重県松坂市ではわずか41万円です。これらの例と比べるなら、小矢部市はたいへん使いすぎだと言うことがわかります。

第二に、市民のくらしを支えるために、しっかりと税金を使っていたのかと言うことを、国民健康保険会計決算について吟味したいと思います。

小泉内閣のリストラ応援、不良債権早期処理方針により、リストラ、倒産、失業が市民生活を襲っています。それが国保事業の運営を困難にさせています。

国保税として見込める収入額の13.8%、1億4千万円が収入未済額、つまり滞納となっています。ここ3年間ほどは毎年1千万円ずつ滞納額が増え、その割合も1.5ポイント増えています。不景気で、国保税を払いたくても払えない世帯が増えていることが伺えます。

この現状に対して、住民の健康と生活を守る責任を持っている地方自治体として、小矢部市がどのような対処をしたのかが問われるし、決算審査にあたって、十分な吟味をし、今後の政策に生かしていかなければなりません。

そもそも、国民健康保険制度は、国民健康保険法第1条で「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」とうたっているとおり、憲法第25条に基づいて制定されたものです。国民健康保険制度は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」という憲法第25条が求める国の義務にもとづいて制定されたものです。

ところが、国民健康保険税の負担が重く、国保税を納められない世帯が増えています。社会保障が市民のくらしを圧迫しているのです。

国保税の負担がいかに重いかは、他の健康保険の保険料負担と比べてみると、いっそうはっきりしてきます。

2001年10月に全国市長会が発行したパンフレットによれば、「国保が他の制度と比べて高くなっている」として、保険料を比較したものがあります。データは1998年度のものです。それによると、年収200万円、つまり月収が11万7647円の人で比較しますと、中小企業で働く人が多い政府管掌健康保険の保険料は年間6万2千円、大企業が対象となる組合健保では4万円から5万4千円です。ところが国保の場合は、2人世帯で17万円から20万円、4人世帯では20万円から26万7千円と、他の制度に比べ3倍から6倍も保険料が重くなっているのです。

これについては、第一義的には、国の責任が問われなければなりません。1984年に国庫負担を医療費の45%から38.5%に削減したことです。その一方で、国は滞納者から保険証を取り上げるという、冷酷な方針を打ち出しました。

このようななかで小矢部市として、どのような努力がなされたのか、検討する必要があります。

この間、法律が変えられたこともあって、小矢部市の資格証明書の発行が増えています。昨年、2002年6月1日に15枚交付されていたものが、今年6月1日には52枚の交付へと3倍以上に増えています。資格証明書をもらうと、医療機関の窓口で医療費の全額、つまり3割の自己負担分だけでなく保険で出してくれる分をも、個人でいったんは支払わなければならないのです。また、3ヶ月とか、6ヶ月という短期の被保険者証の発行枚数も同じ時期に67件から106件へと増えています。これをもらうと、3ヶ月ごととか6ヶ月ごとに、市役所で再交付の手続きをしなければなりません。小矢部市は、国の制度に忠実に従った結果と言えるかもしれません。資格証明書と短期保険証をもらっている人が滞納者にしめる割合は、小矢部市では64.1%と、県下9市でずば抜けて高くなっています。砺波市の27.8%の倍以上となっています。小矢部市は、県下9市のなかでも、たいへん忠実に厚生労働省の方針にしたがっているようです。

しかし、国民健康保険法では、保険料の減免制度を決めています。「第七十七条  保険者は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる」。ところが、この条項が生かされていないのです。法律があるのに、小矢部市ではこれが使われていないのです。

かねてから私が何度も提案しているように、これを活用して、国保税の減免を社会保障の精神で行い、その経費を一般財源で補填することがどうしても必要です。憲法が求めていることを、小矢部市が実際に実行すべきです。

市民のくらしを支える、こういう大事なことに税金を使わず、一方、国会議員らとの飲み食いの経費には平気で税金を充てるという政治姿勢は、まったく許されません。

以上で、私の反対討論を終ります。



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