市議会での発言のページ
2003年9月9日
2003年9月市議会一般質問
6) 県水の単価及び責任水量の引下げ交渉の現状と今後の対策について
1) 散居村を抱える地区について、下水道計画、下水道マップの見直しを
2) 特定地域生活排水処理事業(市営合併処理事業)の新設、導入を
3) 合併処理浄化槽の維持管理費を公共下水道の使用料金並みに統一を
5. 公共施設の耐震診断の結果と対策、および個人住宅の耐震診断と対策への助成制度の実現を
1) 公共施設の耐震診断の結果と今後の耐震対策の計画について
2) 個人住宅の耐震診断とそれにもとづく改善工事費に対する市の助成措置を
このグラフをご覧ください。小矢部市の水道料金が県下でトップクラスに高いことがよくわかります。県東部と西部の違いは、地下水などの自己水源を持ち、それを多く使っているかどうかにあります。
それでは高岡市に比べて小矢部市が高いのはどうしてでしょうか。
1立方メートルあたりの給水原価を比較します。注目してほしいのはこの受水費です。受水費というのは県企業局から買い入れる上水道用水源の費用です。小矢部市の受水費は高岡市に比べ2倍近くも高くついています。
なぜこうなるかというと、高岡市の水源にしめる子撫川ダムの割合が19%と少ないからです。50%は和田川を水源とする水を使っています。高岡市は自己水源として30.3%も地下水を使っています。
一方小矢部市は、子撫川ダムの水を84%も使っているから、給水原価が高くなるのです。ちなみに、子撫川ダムの水は1立方メートル95円ですが、和田川の水は27円です。小矢部市の自己水源、すなわち地下水は電気料だけですから6円です。
小矢部市も自己水源を持っています。それを活用すれば水道料の値下げは可能になります。
小矢部市は現在、一日7500立方メートルの水源が必要です。自己水源として6500立方メートルの井戸を持っています。しかし、これを1200立方メートルしか使わず、県企業局から高い子撫川ダムの水を毎日6300立方メートルも買っているのです。これを改善することがカギです。
県との約束があるから、そう簡単にはいかないという話しも聞こえてきます。
しかし、子撫川ダムを造ったときの前提と、今日の現実とは大きな開きがあります。当時は富山県の人口が1995年には28%増えて136万人となり、上水道の利用者が131万人と推定していました。小矢部市でも人口が46775人となり、上水道利用者が43102人となることを前提にしていました。一人の人が一日最大で700リットルの水を使うという計算で、施設をつくったのでした。
今日、県の人口もそうですが、小矢部市の人口も2002年3月末で、3万5117人にとどまり、水道利用者も2万1720人で、見込みの半分です。一人の一日最大使用量も474リットルと68%にとどまっています。
北陸中央病院のような大口需要者が新しい場所に進出しても、小矢部市の水道を利用せず、自前の井戸を使っています。
当時の見込みと現実は大きくかけ離れたのです。ダムを造ったときの計画というのは、すなわちダムを造りたいという目的が先にあって、それにあわせて計画上の数字をつじつま合わせしたのにすぎなかったのです。当時は新産業都市建設計画といって、過大な需要見込みをたてて、大型開発に突き進んでいました。過大な見込み違いによるしわ寄せを、自治体と市民に押しつけるというのは、無責任政治の典型です。こんなことは許されません。
しかもここに来て、富山県にとっても、県企業局の水道事業は2〜3億円の黒字続きです。子撫川ダムを建設したときの借金返済がまもなく終ろうとしているからです。いまこそ見込み違いの誤りを正しく解決する絶好の機会です。幸い、3月県議会で中沖知事も、県東部との料金格差の是正を研究したいと答弁しました。
隣の石川県では、県水の単価の値下げにより、14市町村で水道料金の値下げが実現しました。
いまがチャンスです。
小矢部市も今年3月議会で、県水の単価と責任受水量の引き下げを強く交渉すると答弁されました。
この引下げ交渉で小矢部市がどのような主張をされたのか、県の動向はどうか、また今後の対策についてお答えください。
高岡市、氷見市、福岡町、射水上水道企業団の受水団体といっしょに県と協議した。本市の水需要の見通しなども触れ、単価、受水量の低減を申し入れた。
小矢部市の下水道計画は長期的、将来的には、ほぼ市内全域を高岡市にある流域下水道の終末処理場で処理する公共下水道と、地区ごとに処理場を設ける農業集落排水事業でカバーする計画になっています。これには荒川、正得、若林、水島など散居村を抱える地域も含まれていますが、これらの地域については、終末処理場の用地を確保してあるだけで、そこへ流す幹線の管渠も、事業を着手する見通しも、いっさいの計画はありません。将来的には公共下水道で整備するぞと言う図面が役所にあるというだけのことです。
そこで、机上の空論にすぎない下水道計画、下水道マップの見直しを私は提案したいのです。その必要性を具体的に三点指摘したいと思います。
第一は、市内全域を公共下水道など集合処理で行うことは、コスト面で全く割に合わないと言うことです。
小矢部市内で整備してきた公共下水道、特定環境保全公共下水道、農村集落排水事業など、生活排水の集合処理という手法では、1戸あたり500万円から900万円の事業費がかかっています。
一方、それぞれの家に合併処理浄化槽を設置して、トイレ、風呂、台所、洗濯などの生活排水を個別に処理するやり方でやれば、1戸あたり7人槽の場合102.6万円の事業費ですみます。
第二は、このまま、漫然とこの計画を続けていくと、下水道会計はもとより、小矢部市の財政が破綻してしまうおそれが多大であると言うことです。
小矢部市の下水道事業は、抱えている借金の残高が公共下水道と農業集落排水事業をあわせると160億8458万円です。一般会計全体で抱えている借金は138億4742万円で、それを22億円以上上回るまでになっています。このままどんどん増やし続けていてもよいものでしょうか。その借金を誰が最終的に払うのでしょうか。元金だけでも、毎年5億円ずつ返済が迫られています。
しかし、下水道会計の財源不足の深刻な実態はこれにとどまるものではありません。下水道の維持管理にだけ限ってみても、すでにこの費用を下水道使用料でまかなうことができない状態に陥っております。維持管理だけのために一般会計から約1億7千万円の持ち出しが発生しています。その上、担当課の説明によると、借金の利子負担3億9766万円のうち約2億円は新たな借金をして、支払っているとのことです。この試算には減価償却費を全く見ていません。それを見込むならば、維持管理だけに毎年数億円の財政負担が必要となるでしょう。それに加えて借金の元金返済が負ぶさってくるのです。
財政再建を口実に3月議会予算特別委員会で学校給食センターの民営化などという話が持ち出されましたが、給食センターの予算は1億4785万円です。民営化してどの程度節約できるというのでしょうか。それよりもっと根本的にこの下水道事業の見直しこそ、必要ではありませんか。
第三は、散居村にすむ地区の人たちとの公平の原則から言っても見直しが必要です。
散居村での生活排水処理はほとんどが個人負担で行われています。公共下水道に莫大な税金を投入して整備が行われている地域に比べ、著しく不公平であります。いつになったら、農村部でも文化的で機能的、快適な生活をおくることができるのでしょうか。
そこで私は、下水道計画を見直し、市の財政負担を根本的に改善するとともに、農村部でも早く快適な生活を提供できる仕組みをつくるために、二つの提案をしたいと思います。その一つは小矢部市として、特定地域生活排水処理事業を導入することです。
私は今年の7月24日、日本共産党富山県委員会の一員として東京で政府交渉を行いました。そこでわかったのは、今後散居村のような地域で、小矢部市が各家庭に合併処理浄化槽を設置し、その維持管理に関わっていく制度を導入できると言うことです。これまでは、個々人が合併処理浄化槽を設置していましたが、今後は市が設置できるようになると言うことです。
ここに2002年3月につくられた「生活排水処理施設整備計画策定マニュアル」を持ってきました。これは国土交通省、環境省、農林水産省が共同でとりまとめたものです。これを作成した理由として、「公共事業の効率化が求められているが、生活排水処理施設整備も例外でない」として、「個別処理の形態をとる合併処理浄化槽と、集合処理の形態をとる下水道、農業集落排水施設などの適切な選択がいっそう迫られることになる」と述べています。
さらに、合併処理浄化槽は、今後の生活排水対策の重要な柱として積極的、計画的にすすめるべきで、「下水道以外の地域を対象にするといったような消極的な位置づけとならぬよう生活排水処理施設整備の計画を検討されたい」と要請しています。
これまでも合併処理浄化槽設置に対する補助事業が小矢部市では行われており、それなりに整備をすすめてきています。しかし、これを個人設置ではなく、小矢部市が設置するものに変更していただきたいというのが今回の私の提案なのです。
このメリットは二つあります。一つは住民と市の負担が軽くなると言うことです。環境省のこのマニュアルによると、小矢部市が設置する制度にすれば、住民の負担が約10万円で、現在の個人で設置する場合に比べて住民負担が約6分の1ですみます。しかも事業費全体が下水道事業に比べ、5分の1以下ですから、小矢部市の負担も少なくて助かります。国の補助が30%、市の負担は交付税措置される下水道事業債を当てることができます。
二つ目のメリットは、浄化槽の保守点検、清掃、法定検査などにかかる手続きを自治体で行うため、事務手続きの手間を省くとともに、維持管理がきちんと行われる保障になります。
私の二つ目の提案は、合併処理浄化槽の維持管理費を公共下水道の使用料金並みに統一すると言うことです。
最近私の家の合併処理浄化槽の清掃を依頼しましたところ、11万円あまりの請求が来ました。毎年の保守点検契約が18900円です。このほか、法定検査の費用がかかります。これが公共下水道の使用料と比べて割高であることは、小矢部市もこの議会で何回も認めています。市民が公平に扱われるためにも、維持管理費用の負担を軽減する制度を作ってもらいたいと思います。
散居村地区についても、県で制定された小矢部川流域下水道計画区域内となっていることから、今後、国の指導も受けて、県とも協議しながら整備していきたい。
市営浄化槽については現在の所考えていない。今後県構想との整合もはかりながら総合的に検討すべきである。
合併浄化槽は500基設置されているが、維持管理は個人で行うべきで、助成には慎重に対応したい。
かねてから下水道については疑問を抱いており、問題も把握している。
水道については、値上げしないとできないような状況を抱えているが、値上げしないですむよう真剣な検討をしている。
当然原価を下げる努力をしなければならない。
下水道については、浄化槽が安くなるのは間違いないが、市民も、行政も、それを支える産業界も合意してすすめてきた約束があるので、革命のように明日から下水道を止めたというわけにはいかない。川の流れのようにいくのか、一生懸命検討している。これまでどおりでいくのか、敢然と立ち向かうべき時は立ち向かっていかねばならない。
一括返済催告書なるものが市内のあるところへ送りつけられてきました。それには次のように書いてあります。
「お客様とお約束しました返済契約は、本日までにお支払いがないため、原契約に基づき弊社顧問法律事務所とも協議の結果、債権回収業者に委託させていただきましたので、一括にてお支払いください。なお、お支払いに関するご相談は下記「お問い合わせ/債権回収専用ダイヤル」にてお受けしますので、ご連絡お待ち申し上げております」。
しかし、このような借金をした覚えがないというのです。
この現状を把握しておられますか。
その対策としては、相手方に対して無視し、電話をかけないことが肝心でありますし、消費生活センターや警察へ届けることが必要だろうと思います。市として市民に注意を喚起し、そのような場合の対応を緊急に知らせることが大事だと思いますが、お伺いします。
県消費生活センターによると8月18日から29日の間に249件の苦情が寄せられた。9月4日に93件、5日50件と急増している。
身に覚えのない場合、連絡しないこと、支払わないこと、支払った場合は警察へ被害届を出すことが大事だ。10月号の市報、ホームページでも啓発に努める。
小矢部市は今年度から小学校1年生で30人を超える学級に補助の先生を配置しています。これは県内で先駆けて実施したもので、学校や子ども、父母の皆さんにたいへん喜ばれています。県が雇った多人数学級支援講師とあわせて、教育にたいへん力を入れようとしている現れであり、このことについては、私も高く評価しておきたいと思います。
さらに教育を充実し、小矢部市に住んでいたら、子どもがすくすくと成長できると、評判になるような街づくりをめざすことは、今後合併せず、単独で生きていく上でも重要なことであると思います。
その意味で、補助の先生を配置する学年を引き上げるとともに、非常勤講師の待遇を改善し、常勤化することを求めたいと思います。
非常勤という形では、毎日子どもたちと顔を合わせるはずの先生が、一日おきにしか学校へ来ないとか、放課後にはもう先生がいないというのでは、子どもたちにとってたいへん不思議な現象といわねばなりません。また、一日の勤務時間が短いと、子どものその日の様子などを正規の先生と打ち合わせる時間が作れません。授業の狙いや進め方の打ち合わせも十分にできません。これを改善するには、常勤講師として雇用するほかありません。
この改善は若者の雇用対策としても、重要な意味を持ってきます。自民党政治の元でリストラ応援の政治が行われ、派遣労働など不安定雇用が増やされています。若者のフリーターについても、大半が安定した仕事に就きたいと願っているのに、その職場が確保されていないことに原因があります。この改善の一歩として、ぜひ非常勤講師の常勤化を取り組んでいただきたいと思います。
非常勤講師の配置については、小矢部市は県内でももっとも先進的と自覚している。
常勤化については、現在のところ考えていません。
今後、雇用時間の延長や対象学年の拡充に努めていきたい。
地震災害について質問が続いていますが、来年度予算に初めて個人住宅に対する国の補助制度が取り入れられようとしています。これまで阪神大震災でも、個人住宅の復旧は、個人の責任で行うのが資本主義の原則だとして、自民党政府は、がんとして認めようとしませんでした。大銀行支援の何十兆円もの公的資金を投入したことに比べると、えらい違いでした。県レベルで初めて個人住宅の復旧に補助制度を導入したのが、鳥取県知事でした。2000年10月に襲った鳥取西部地震の復興に対してでした。
日本共産党は震災対策で個人住宅債券への補助の必要性を、一貫して取り上げてきました。今後の震災対策は、個人の生活をいかに取り戻すかに重点を移す必要があります。そのためには、地震が発生した際に、住宅がつぶれて命を失うことのないような対策をいまから準備する必要があります。そこで、次の2点についておたずねします。
第一は、公共施設の耐震診断の実施状況とその結果についておたずねします。また、その結果にもとづいてどのような耐震対策の計画を立てられたのか、お答えください。
個人住宅が地震の際に安全であるかどうかは、市民の生命に関わる重要な問題です。個人住宅の耐震診断とその結果にもとづいて改善するための工事費について、小矢部市として助成措置をつくり、援助していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
本年度、木造一戸建て住宅の簡易耐震診断支援制度が県で作られたので、その活用をすすめたい。
木造住宅耐震診断支援事業で、昭和56年5月31日以前に着工したもので延べ面積280平方メートル以下のものが対象となる。設計図面のあるものは2万円の費用がかかるものを2千円に負担軽減する。ないものは4万円のところ4千円の負担ですむ。