2003年8月26日
砺波地方介護保険組合議会での一般質問
目次
3. 施設の利用条件をより詳しくホームページで公開することについて
4. 議会議事録のホームページでの公開と、認定審査会議事録の申請者、家族への公開について
B 介護認定情報提供要項の改正で審査会議事録の関係者への公開を
4項目について一般質問します。まず最初は保険料の減免制度についてです。
憲法第25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を国民に保障しています。その立場から人間が生きていく上で必要な経費には税金をかけないという「生計費非課税」の原則があります。
ところが、政府が導入した介護保険制度は住民税を納めなくても良い低所得者からも年間4万2千円の保険料を、年金から天引きして取り立てるという、弱いものいじめの制度であります。加えて、介護サービスを利用しようとすれば、利用料負担1割があります。お金がなければ保険料を取られた上にサービスを控えざるを得なくなる仕組みであります。
砺波地方介護保険組合とそれを構成する市町村は、この3年あまり、国の介護保険制度のこうした重大な欠陥にたいして、それなりに是正する努力をしてきました。ホームヘルパー利用料の低所得者への無料制度をはじめとする市町村による独自の介護サービスの上乗せ、横だしは全国的にもたいへん優れたものとして注目を集めています。
今年度から実施した、保険料が第2段階の人で収入の少ない人に対する減免制度も、十分に活用されるなら、国の介護保険制度の欠陥の一部を救済するものとなるでしょう。
そこで、この間の保険料減免制度の活用状況についておたずねします。
答弁 安念理事長
私どもの減免制度に賛意をいただき、県内10保険者のうち6保険者が単独減免を実施することになった。このことについては、砂田議員さんの趣旨から言えば評価していただきたい。
12件の申し込みがあり、3人の減免承認をした。
先日介護保険組合で尋ねましたところ、減免の可能性のある人は第2段階に該当する人7000人あまりのうち、600名程度と伺いました。これらの方々への周知徹底がまだまだ不十分のようです。個別に連絡し、徹底するように対策を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 安念理事長
もう少しPRすべきでないかと思っている。10月に新保険料の周知とあわせて徹底に努めたい。
この減免制度は、低所得者の生活に圧迫を加えるのを軽減するばかりでなく、保険料をみんなで払えるようにし、保険制度を維持するためのものでもあります。
ところが、実際に減免の適用を受けようとしたら、資産や貯金が理由で却下された事例があると聞きました。そこで、より現実的に、生計費非課税という考え方を重視した減免要綱の見直しを提案したいと思います。
まず確認しておきたいのは、砺波地方介護保険組合が導入した減免制度の考え方の基本は、国の基準からいけば第2段階ではあるが、つまり世帯員全員が住民税非課税であるが、老齢福祉年金や生活保護の受給者でないばかりに、年収が実際には生活保護水準以下の人であっても、第2段階の保険料、年間2万9400円を払わなければならない階層をいかにして救済するのが、目的ではなかったのかということです。つまりこの減免制度は、その世帯に生活保護が適用可能かとどうかを基準にするものではありません。介護保険の保険料の段階区分は、所得のみに着目して区分けされているのです。
減免の基準についても、安念理事長の2月定例会での提案理由説明では、「第2段階のうち所得額が生活保護基準額以下の方に対して」と、所得額のみを基準にしていることを明言されていました。したがって「減免等事務取扱要綱」で資産、貯金の有無で減免対象を絞ることは、理事長の提案に反することになります。
資産等を処分してしまわないと保険料の減免を受けられないと言うことになると、その人が介護サービスを受ける事態になった場合、利用料負担のためにそれまでの蓄えが活用できず、サービスから排除されることも懸念されます。保険料の減免、第2段階を第1段階並みに減免すると言うことは、年間にわずか1万2600円です。この減免を受けるために、わざわざ田んぼを売れとか、貯金を取り崩せと言うのは、あまりにも過酷すぎるではありませんか。将来の介護保険サービスの利用に備えて幾ばくかの蓄えを持つことは、国がよくいう「自助努力」としても、当然のことではありませんか。
ぜひこの減免要綱の見直しを求めたいと思います。
答弁 安念理事長
気持ちはあるのだが、3年後の見直しの時には検討したい。
再質問 砂田市議
3年後といわず、基準を明確にしてもらいたい。広島市や大阪市は1050万円までの貯金を認めている。
答弁 安念理事長
各地の例をも調査し、せっかくのご意見ですから、早急に検討したい。
次に住宅改修の利用回数についておたずねします。在宅介護を重視する立場からは、体が不自由になった場合の住宅改修が重要です。しかし、この補助制度は、1回利用すると、仮に20万円の限度枠まで利用していなくても、2回目の利用はできないと言うことでした。これを改善できないものでしょうか。お答えください。
答弁 小幡事務局長
介護度が3段階上がればもう一回20万円の限度額を利用できる。また、1回で20万円の限度額に達しなかった場合は、限度額までは何回も利用できる。
2月議会で私が取り上げた問題ですが、施設利用にあたって1割の利用料負担に加えて、タオル代など特別に徴収される料金について、ホームページを見ますと、詳しく知らせている施設がある反面、施設によっては、介護費用外の特別利用料の公開をしていないところもあるようです。管内の施設については一律の基準にもとずいて公開への協力を求めることが必要ではありませんか。
また、施設によっては「点滴している人は受け入れられない」と言われたり、「胃ろう患者を受け入れられない」と断られたこともありました。現状では受け入れてくれる施設を探して歩かなければなりません。胃ろう患者を受け入れることができるかどうかなど、よりきめ細かい状況を組合としても把握し、ホームページで公開するように改善を求めたいと思います。
答弁 小幡事務局長
介護利用料以外の特別徴収料金や胃ろう患者、点滴患者の受け入れ可能かどうかの情報について、組合として公開を施設に強制できないが、施設側と打ち合わせながら、協力を求めていきたい。
こんどの組合議会にあたって一般質問を準備する過程で、組合のホームページを調べてみましたが、肝心の組合議会の議事録が掲載されていませんでした。私の質問ばかりでなく、以前には福岡町選出の水口議員の質問もあったはずです。広域的な組合でもあり、ぜひホームページに議会議事録も掲載していただきたいと思います。
答弁 小幡事務局長
早急にホームページに載せたい。(2003年9月2日現在、2月議会の議事録が掲載されました。)
次に、2月議会に引き続いて、認定審査会議事録の本人、家族への公開についておたずねします。
介護保険制度の欠陥の一つが、実態と合わない介護認定にあると指摘されています。ドイツなどに比べても、介護度が細かすぎるとの批判もあります。
1次判定であるコンピューターでの判定の欠陥を補うものとして、2次判定と認定審査会の役割は重要であると思いますが、どのように認識されているのか、お答えください。
次に現状についておたずねしますが、介護保険制度実施以後、年度ごとに2次判定で介護度が変更させられた割合とその推移について、お答えください。
答弁 小幡事務局長
平成12年度は32.9%、13年度は40.4%、14年度は40%、15年度は1次判定ソフトが改善され32.8%となった。
2月議会では、審査会議事録は「非公開」でいきたいとこたえられました。しかし、当組合の「介護認定情報提供要項」によれば、認定調査結果や特記事項、主治医意見書の写しは本人や家族に公開できることになっています。そこには議事録より詳しい内容が、記入されているでありましょう。それに加えて、審査会議事録の本人に該当する部分を公開できない理由はないはずであります。
介護認定に不服があるから公開を求めるのであって、認定審査会で「どのような意見があって1次判定が変更されたのか、あるいは変更されなかったのか」、そして「それが自分たちの生活実態に合っているのかどうか」を検討するには、この議事録の本人たちへの公開が欠かせません。
また議事録が公開されるようにすれば、審査会での審査を実質的に意味のあるものにする保障ともなるでありましょう。審査会議事録の本人や家族への公開をぜひ決断していただきたいと思います。
答弁 小幡事務局長
個別の委員の発言を公開すると審査会の適切な運営ができなくなるのではないか。
再質問 砂田市議
委員の個人名を伏せて、Aさんはこんな発言をしたというように公開できるのではないか。
答弁 安念理事長
そういう工夫も必要なのか、上級官庁とも相談し、他のところがどうかも調査し、検討させていただきたい。