2003年6月議会 一般質問
A 第二に、国保加入者の6割が増税になる仕組みの見直しが必要です。そのためにも一般会計からの法定外繰り入れを導入し、平等割、均等割の値上げを抑制していただきたい。
B 第三に、医療費を節減するためにも、市民一人ひとりの健康状態を把握しそれに対応した保健活動を強化していただきたい。
(ア) 米輸入自由化で小矢部市の農業、米作りはどんな影響を受けたか
(イ) ウルグアイラウンド対策で農業予算は小矢部市ではこれまでにどんなことに、どれだけ使われたか。
(ウ) ミニマムアクセス米を輸入して以来これまでに、減反はどれだけ拡大し、米価はどれだけ下がったのか
(エ) 農業は市場原理のもとコスト削減で生き延びられるのか。
A WTO農業交渉で妥協してはならない課題について、小矢部市が積極的に農家、市民、農協に語っていくことの重要性について
(イ) WTO協定の現在の枠内でもできることは何かを積極的に明らかにし、農家、市民に語ってほしい。三点あります。
(V) 市内の事業所、個店の実態調査とそれをふまえた街づくりについて
「金融は経済の血液」と言われるほど、金融機関による円滑な融資は、中小企業にとって文字通り命綱であり、地域経済の発展にとって不可欠のものです。ところが全国的には、1997年3月末から2001年9月末までを見ても、大企業向けの銀行融資は約7兆円増える一方で、中堅・中小企業向けの融資は44兆六千億円も減少しています。この背景には中小企業を不良債権扱いしている仕組みがあるといえます。
小泉内閣は「不良債権の早期最終処理」の竹中プランによって、人為的に中小企業を倒産に追い込み、りそな銀行へも1兆数千億円の公的資金注入を引き起こすなど、日本経済に深刻な悪影響をもたらしています。私は竹中大臣の解任、竹中プランの中止を強く要求したいと思います。
さて、このようなひどい経済状況の下で、小矢部市は金融対策について、どのような対応をしているのかお伺いします。
市内の中小業者が、長年取引のある、ある金融機関との間で運転資金の融資話をすすめていました。担保や保証人もその金融機関の示す条件で整えた最終段階で、融資を断るという事態が発生しました。いわゆる貸し渋りです。数百万円の運転資金の手当が必要なのに、その手当てをする日数もない時期になって融資を断られたら、資金繰りがつかず、倒産という事態も懸念されたわけです。金融機関が人為的に中小企業をつぶすようなあくどいやり方を正す指導を強化していただきたいとおもいます。このような緊急の場合、どこに相談するか、相談窓口を置き、緊急に対応できるようにしていただきたいと思います。
また、市長は地元金融機関の理事を兼任しておられます。理事としてこのような場合にどのような姿勢で臨まれるのか、あわせておたずねします。
池田産業経済部長
貸し渋りの実態があれば、金融機関に強く申し入れていきたい。
大家市長
企業には社会的責任がある。不都合が起こらないようにする社会的責任が銀行にはある。
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次に国民健康保険についておたずねします。6月議会に国民健康保険税の引き上げが提案されています。
小泉内閣のリストラ応援・奨励策によって戦後最悪の規模での雇用不安と所得低下がつくられています。完全失業者は384万人で戦後最悪を更新しています。3月期の勤労世帯の所得の落ち込みは、前の年に比べて7.5%のマイナスです。年収に換算して平均46万円の所得減であり、まるまる1ヶ月分を超える給料が失われたことになります。
このような時期に国保税を引き上げることは、市民の生活を圧迫することになります。
今回の税率改定では、国保加入者の4割に相当する低所得者には国保税の引き下げになりますが、残り6割の2690世帯には増税となります。増税となるこれらの世帯はそんなに裕福な世帯でしょうか。仮に2人世帯で、その世帯の固定資産税額が12万円という小矢部市の平均的な国保世帯で計算してみますと、世帯主の所得を含めて全員の所得を合計して105万円を超えた場合に、6240円の増税になるのです。売り上げから諸経費を差し引いた年間所得がわずか105万円、二人してこれだけで暮らしていかないといけない世帯に年間14万5200円の国保税を納めなさいと言うことですから、たいへんなことです。福祉が暮らしを圧迫してよいものでしょうか。
そこで私は次の3つの改善策を提案したいと思います。ぜひ前向きの回答をお願いします。
高嶋民生部長
小矢部市の実態にあった減免制度を、庁内各課で協議しており、制度の実現に向けて努力したい。
減免分を誰が負担するかについては、国保原則の基本原則にてらして検討したい。
砂田
市の判断で減免するのだから、その経費は市の財源で負担するという意味だと思うが、確認する。
高嶋民生部長
国保の相互扶助の精神と、市の決定で減免すると言うことを総合的に検討していく。
高嶋民生部長
国保会計の安定のためにも、相互扶助精神により応分の負担を求めたい。
一般会計からの繰り入れについては、基本的に交付税措置されているものに限られる。
高嶋民生部長
ひきつづき健康づくりに努力したい。
1995年の米輸入自由化と食管制度の廃止、新食糧法に基づく農業政策によって、日本の農業と安全な食糧確保が危機的な状況に立ち至りました。農産物生産者価格の低下など農家所得が9年連続減少しています。食の安全の問題では、一昨年来のBSE問題や雪印問題に見られるように、消費者に深刻な不安を与えています。
その最大の原因がWTO農業交渉後の輸入自由化にあり、国による価格施策の放棄にありますが、小泉内閣は現在も、「米政策改革大綱」を推し進めて、農産物の自由化と国の責任放棄をいっそう徹底しようとしています。
この方向に農業を守る見通しがあるのか、この間の小矢部市農業の実際にてらして、農業政策を総点検する必要があると思います。そこで、次の4点についておたずねします。
池田産業経済部長
1993年 16,800t 29億9600万円
1994年 13,900t 26億7400万円
2002年 14,200t 16億2100万円
93−02年 −2,100t −14億円
池田産業経済部長
1994年から2000年まで
農業機械 9億2000万円(国庫補助4億4千万円)
農業施設(道路、排水など)25億円(国庫補助13億1千万円)
国庫補助の合計が17億5千万円
池田産業経済部長
転作面積 1994年 11.01% 2003年 31.2% 22%の増加
米価 60Kg 1994年 21367円(富山県産は22411円)
2002年 15998円(富山県産は16889円)で5500円の下げ
池田産業経済部長
農地の集積率は51%
(この項は砂田の試算。95年と01年の比較。1.25ha農家(10aあたり8俵)100俵 2136700円が1613500円に52万3200円の減収
20ha大規模農家 1600俵 3418万7200円が2581万6000円に837万1200円の減収)
(砂田の再質問で紹介したこと。今年1月から3月にかけて全国農業会議所が認定農家39059戸を対象にアンケートを行った。それによると72%が農業所得が減ったと答え、88%が価格低迷が問題と答えている。)
池田産業経済部長
2001年生産コスト
0.5ha未満 20967円
1〜1.5ha 15131円
1.5ha以上 10214円 したがって60キロあたり2万円の米価は必要。
WTO農業交渉では、アメリカなどの要求によっていっそうの自由化が迫られています。それがいかに深刻な影響を農業と安心、安全な食糧確保に与えるか、具体的に余り語られていません。
また、現在のWTO協定の枠内でも、日本農業を守る手だてがあるということは余り語られていません。
小矢部市もこれらの内容を把握し、積極的に農家、市民、農業団体に語っていくことが重要になっていると思います。
そこで、次の2点についておたずねします。
(砂田のメモ。2月11日のハービンソン議長の第1次案
関税率が90%を超える米などは5年間で平均60%最低でも45%削減を求めており、5年後には精米10kg2245円で売られる。
後発発展途上国には無関税、無制限に市場開放の条項が入ると10kg370円で入ってくることになる。
EU案でも3260円です。
国産米は4000円前後)
池田産業経済部長
米価2万円台まで回復しないと、農業経営に大きな影響があると懸念される。
県や農協と連携しながら、日本提案(農業の多面的機能の重視、食糧安全保障など)の実現に向けて最大限の努力をするよう国に働きかけていきたい。
市としては、今後とも国、県の動向を十分に見極めながら対応していきたい。
砂田
14億円も所得減となり、米価2万円が必要だと認められた。コスト削減、規模拡大だけではやっていけない、農業交渉で自由化を野放しにしてはならないことをもっと訴えるべきだ。国や、県に訴えるだけでなく、農家にも、市民にも語るべきだ。そうすれば小矢部市も本気でいまの農業政策でダメだということを考えていることが映る。
価格保障について答弁がなかった。
池田産業経済部長
農協の座談会でも啓発に努めたい。
価格保障については検討させてほしい。
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原発依存の誤った国のエネルギー政策で、この夏に深刻な電力危機が予想されています。日本のエネルギー政策を転換し、太陽光、風力など自然エネルギーの活用に真剣に取り組むことが求められています。
私がかねてから主張していた家庭用の太陽光発電への補助制度が小矢部市にもできたことは大いに歓迎することです。
これをほんとうに促進するためにも、公共施設、とりわけ次代を担う子どもたちが通っている保育所や小中学校への太陽光発電の設置をぜひ計画的にすすめてもらいたいとおもいます。2001年12月議会での私の質問に対して、「今後検討したい」と言うことでしたが、ぜひ実行していただきたいと思います。
高嶋民生部長
その必要性は十分理解しているが、地域特性にあった総合的、長期的な計画が不可欠であり、地域エネルギービジョンを策定した上で導入したい。
砂田
長期的というが、私がこれを提案してもうすでに3年になる。国の補助制度もある。まず保育者や学校など1ヵ所からでも始めたらどうか。
高嶋民生部長
保育所の規模では費用対効果には問題があるが、環境行政からいくと、そういうことばかりもいっておれないので、市が先導してそういうことができるような行政に邁進したい。
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市内中小企業や商店の実態とニーズをふまえた街づくり対策が求められます。来る当てもない企業誘致だけに偏っていてはダメだと思います。小矢部市としても合併せず、単独で街づくりをすすめるためには、中小企業の実態を把握することから始めたらどうでしょうか。
先月、産業建設常任委員会の行政視察で立川市へ行ってきました。中心市街地活性化対策で、空き店舗対策や創業者支援の活動を視察してきたわけです。私が感心したのは、一部の専門家でアイデアを出し合うだけでなく、3900件の個店調査を行い、空き店舗対策、創業者支援の具体化を進めたことです。
前にも紹介したことがありましたが、東大阪市では、2カ年にわたり、3万2千を超える事業所に対して聞き取り調査や、アンケート調査を実施しました。これには市長を先頭に全職員が手分けしてあたったそうです。市が直接中小企業の実情を聞きに来てくれたと、歓迎されたそうです。
1999年12月議会、2000年9月議会と、この実態調査の実施を取り上げてきましたが、現状ではどうなっているのか、その計画についてお答えください。
池田産業経済部長
住民アンケートなどを行いながら、住民参加の街づくりを行いたい。
砂田
市内業者の実態調査についてはやるのか、やらないのか。
池田産業経済部長
商工会とも協議し、実施する方向で検討したい。