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2003年3月16日
2003年3月議会一般質問
イラクをめぐって情勢は緊迫しております。国連の査察によってイラクに大量破壊兵器を廃棄させるのか、それともアメリカの一方的な武力行使を許すのかが、あつい焦点になっています。
イラクへの制裁は、イラクがクェートを侵略したことに端を発しており、大量破壊兵器の廃棄を求めることでは国際社会が一致しております。何もフセイン政権を支持しているわけではありません。公明党の冬柴幹事長がNHK討論会で、反戦運動を「利敵行為」と非難したことは、あたりません。
問題はアメリカのブッシュ政権が、フセイン政権の転覆をねらって、成果を上げつつある査察を打ち切り、戦争を開始しようとしていることです。これは国連憲章に反する無法行為です。
イラクの首都バクダッドには500万人の市民が生活しています。戦争を始めれば、多くの市民が犠牲になります。
日本でも、世界中でもアメリカの武力行使反対の大反戦運動が、わき起こっています。圧倒的多数の国々の政府も戦争反対を表明しています。
ところが問題なのは、日本政府の態度です。平和憲法を持っている日本で、小泉内閣は、アメリカ支持を鮮明にしました。恥ずかしい態度です。
事態は切迫しており、できることから、アメリカの武力行使反対の声を上げ、政府に迫っていく必要があります。市長も、態度を明確にして、政府に迫っていただきたいと思いますが、見解を伺います。
日本共産党は、党創立以来80年間、日本の朝鮮、中国などアジア侵略にも、アメリカのベトナム侵略にも、旧ソ連のアフガニスタン侵略にも厳しく反対して闘いぬいた党として、今度のアメリカによる平和のルールを破壊しようとする無法を許さないたたかいの先頭に立つ決意を表明して、次の質問に入ります。
イラク問題
大家市長 平和的外交手段での解決が原則。米英は、国際世論に耳を傾け、武力行使を急がず、査察を徹底することが先決である。政府はあらゆる外交努力を重ねることを期待する。平和裡に解決することを望んでいる。
市内でも不況でリストラされたとか、倒産で失業したという事例がたくさん生まれています。自治体としても可能な雇用対策が必要です。
ところで、小矢部市の新年度予算を見ますと、一般会計で、時間外手当を6465万9千円見込んでいます。特別会計全部をあわせますと、7220万2千円の時間外手当です。これでは、残業を前提にして予算を組んでいることになります。
同じお金を使うのであれば、一人の人に長時間働かせるのではなく、何人かで仕事を分け合ったらどうでしょうか。これがワークシェアリングです。
時間外手当は25%割り増しで支払われますので、その分を割り戻しますと、5776万2千円の財源をつかって、初任給並みの賃金で雇用すれば、24名の新しい雇用を生み出せます。しかも割増分が節約できますので、市の財源としては、1444万円の節約にもなります。
これは理屈の上の話ではなく、砺波市がここに着目して新年度から10名前後の嘱託職員の募集を始めているのです。ぜひ小矢部市でも実現を求めたいと思います。
雇用対策
西川総務部長 時間外手当を縮減し、その分を事務補助など臨時雇用に当てるようにつとめている。今後も短期、臨時的雇用の機会拡大に努めたい。
家庭で一番よく使われている月平均使用量20立方メートルで比較しますと、小矢部市は3940円で、氷見市に次いで高く、県東部の富山市(1780円)滑川市(1720円)などの倍以上です。砺波市の3350円より17%も高くなっています。
この違いがどうして生じるのかというと、県西部の自治体は県企業局から子撫川ダムの高い水を必要以上に購入させられているからです。
しかもここに来て小矢部市の水道事業は、2001年度、2002年度と2年連続して経常損失を出すようになりました。この背景には、1997年と比較して2001年の水需要はほとんど増えていないのに、県から買う水量は2001年には一日600トンも増えて6300トンとなり、1トンあたりの単価も90円から95円に値上げされたことがあげられます。これによって市の水道事業の受水費での負担が3120万円も高くつきました。これが2002年度3011万円の経常損失の原因です。
小矢部市は日量6500トンの井戸を持っているのに、ほとんど活用できないのです。市の水道事業が、黒字を出すために企業努力をしようとすれば、井戸水の使用割合を増やせば可能なのです。
ここで少し歴史的経過を振り返っておきます。小矢部市は1995年の水道料金値上げの際に、少しでも水道料を抑制するために、二つの努力方向をルール化しました。第一に、県水の単価が1985年に比べて値上げされた分、トンあたり25円を一般会計で負担すること、第二に下水道工事に伴って水道管の敷設替えを行う場合に、その工事費を一般会計で負担することです。この結果、約1億円の繰り入れを行いました。
当時、わたしもこの努力を評価しつつ、県に対してより積極的に県水の受水単価の引き下げ、責任水量制の見直しなどを働きかけるよう強く要望しました。
その後、当局もかなりがんばりまして、氷見市や高岡市、福岡町とも連携して、受水量、受水単価の据え置きを実現してきました。
ところで、子撫川ダムの給水は、1979年(昭和54年)4月に始まったのですが、当時、県の水道事業が責任を負っている借金総額はおよそ65億円でした。それが2002年度末(2003年3月31日)にはその残高が13億円台に減ると推定されます。これも後数年で返し終ります。今後、県企業局と責任受水量や単価の引き下げ交渉が現実の課題となります。
当局の引き下げ交渉に対する決意をお伺いします。
上水道の問題
池田産業経済部長 経営上の重要課題でもあり、県に単価、受水量の低減を強く働きかけたい。
小矢部市の場合、上水道が普及している地域は小矢部川の西側の地域です。東側は、庄川水系の地下水に頼っています。この地下水がたいへんおいしいと評判です。工業用水に好きなだけ地下水をくみ上げさせるのではなく、おいしい地下水を人間がいつまでも享受できるように努力することが求められます。
ここで一つ問題があります。地下水の安全性の問題です。有害化学物質が混ざっていないかは、市は、定期的に検査をして、安全性を確認しています。かねてからわたしが提案しているのは、それに加えて一般細菌、大腸菌の検査を定期的に行い、地下水の安全確認をより充実させてほしいと言うことです。
有害物質の検査時に、サンプルをいっしょに採取して保健所に検査をお願いすれば、市全体で年間わずか数万円の費用でできることなのです。
小矢部市民に安全な飲料水を公平に提供するという小矢部市の責任からしても、これくらいのことはやってもよいのではありませんか。いまほども紹介しましたように、小矢部川西地域の住民には一般会計から1億円以上の税金を投入して上水道を提供しているのです。ぜひ、明快な答弁を求めます。
地下水検査の問題
高嶋民生部長 今後、工場排水、家畜の糞、生活雑排水による汚染の指標となる硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を新たに検査項目に加える。なお、家庭用井戸の管理については設置者の責任において水質検査をすべきものである。それぞれの家庭で年1回以上の水質検査を行い、安全を確認していただくよう、広報して参りたい。
砂田再質問 広報するだけでなく、助成して水質検査をすすめたらどうか。
大家市長 助成は別にして、安全性について、ご指摘の検査を含めて全部やることになっている。大丈夫です。
次に在宅介護サービスへの誘導策について、おたずねします。住み慣れた自宅で最後まで住み続けたいというのは、誰もが願うことです。それを支える体制をつくることは、その願いに答えることでもあり、また、施設不足の解消にも、介護給付費の節減にもつながります。
東京都武蔵野市の例ですが、「介護保険居宅サービス利用促進助成事業」というのを実施し、所得制限を設けずに訪問介護、通所介護と通所リハビリの利用者負担分10%の内7%を、市が助成しています。
その結果、在宅での介護サービスの利用割合は49.1%となり、費用の面では施設にかかる費用とほぼ同じになりました。在宅サービスの利用が増えて、施設サービスにかかる費用が抑えられたという結果が出ているようです。
小矢部市はホームヘルパーの無料制度をはじめ介護保険の上乗せ、横出しサービスなどで、全国に誇る先進的な仕事をしてきました。これは高く評価してもしすぎることはありません。それは、国・県の反対を押し切って、ホームヘルパーの無料制度を守ったことで、このことでは画期的、歴史的な成果であり、わたしも高く評価したいと思います。
これをいっそう前進させ、とりわけ低所得者に現実に重い負担になって覆い被さってきている保険料、利用料の負担を、少しでも軽減するために、昨年9月議会でわたしは、在宅サービス利用料の軽減を提案しました。当局は、「訪問介護利用料の無料制度につきましては、現在のサービス内容が低下しないよう努力したい」「今後さらにデイサービスやショートステイ事業において低所得者の方の利用における利用料軽減措置施策等の実施に向けて働きかけていきたい」と答えられました。そこでどのように具体化されるのか、おたずねしたいわけです。
ホームヘルパー無料制度に加えて、仮に通所介護や通所リハビリを、低所得者を対象に引き下げるとすれば、年間約930万円あれば可能です。夢物語でしかない新幹線石動駅の可能性調査に870万円もつぎ込んでしまったことに比べれば、これは決して無理な話ではありません。ぜひ検討していただきたい。
在宅サービス利用料軽減の問題
吉居民生部次長 社会福祉法人小矢部会で生活困難者に利用料軽減を行った。他の法人にも働きかけていきたい。
今度提案されている津沢コミュニティプラザ条例や文化スポーツセンター条例には、市長がこれらの施設の使用を承認しない場合として「政治的又は宗教活動に使用するおそれがあるとき」という規定があります。これはきわめて異常です。条文では「@公の秩序、又は善良な風俗を害するおそれがあるとき。A建物、その他附属設備を損傷し、又は汚損するおそれがあるとき」に続けてこの条項を入れています。政治活動、宗教活動を、公の秩序、又は善良な風俗を害する活動と同じだと見て、公の施設で集会を開かせないというのですか。これは民主主義に反する規定です。わたしはこの規定の削除を求めます。
第一に問題なのは、こんな条例を持っている市は県下9市のなかで小矢部市だけということです。砺波市、富山市、高岡市など県内すべての市の公共施設の条例を調べてみましたが、「政治的または宗教活動」の使用を条文で原則禁止している施設はありませんでした。唯一の例外が黒部市の生活改善センターと働く婦人の家でした。生活改善センターは昭和48年であり、働く婦人の家は昭和52年に制定されているのです。それ以後つくられた黒部国際文化センターにはもはやそのような条文はありません。したがって小矢部市だけに特有の、異常な規定だと言わなければなりません。
わたしは第二に指摘したいのは、この規定は、社会教育法に違反していると言うことです。
結論から言えば、社会教育法第23条は「政治活動」一般を禁止しているのではなく、「特定の政党の利害に関する事業を」公民館自身の活動として行ってはならないと決めているにすぎないのです。
読み上げます。
「第23条 公民館の運営方針
一、公民館は、次の行為を行つてはならない。
1.もつばら営利を目的として事業を行い、特定の営利事業に公民館の名称を利用させその他営利事業を援助すること。
2.特定の政党の利害に関する事業を行い、又は公私の選挙に関し、特定の候補者を支持すること。
二、市町村の設置する公民館は、特定の宗教を支持し、又は特定の教派、宗派若しくは教団を支援してはならない。」
法律が禁止していないことを、条例で禁止することは、越権行為であります。つまり、法律では公民館を政治活動に使用できるのに、条例で拒否することは、違法です。法律に反する条例は無効です。
二つの実例を紹介しましょう。
ひとつは裁判の判例です。佐賀地裁で2001年11月22日にだされた判決です。
「公民館を貸さないのは不当との判決で中原町が敗訴
佐賀県中原町に建設予定のごみ処理場に反対する集会を建設反対派の住民団体『命と自然環境を考える会』が2000年11月14日に町中央公民館で開こうとした際、いったん使用を許可した町が、『参加を呼びかけるビラは、(招く)国会議員が共産党所属であることなどを強調しており、集会は社会教育法で公民館の使用が禁止されている“特定の政党の利害に関する事業”にあたる』として当日になり取り消したのは不当だとして、町を相手取って約60万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があった。
判決は、住民団体が特定の政党に属していないことなどを挙げ、『懇談会はごみ処理場建設に反対する団体の運動の一環で、ビラの内容からも政治活動と評価することはできない』として、『町側は判断を誤った』と判断、原告の主張を全面的に認め、町に全額の支払いを命じた」。裁判ではこのように決着したのです。
次に紹介したいのは、広島県府中市で、市議会議員が市政報告会を公民館で開くことができるようにしたという事例です。昨年10月のことです。府中市議会の平成クラブという会派が市内20ヵ所で公民館も使って市政報告会を開こうとした際に、市民の間から社会教育法で禁止している「政党の利害に関する事業」に該当するのではないかという意見が出され、市教育委員会は県教委とも相談し検討したそうです。すると、昭和49年4月に政治活動に関する一定の見解が出ていることが判明しました。それによれば「政党の利害に関する事業」とは、「党員のみを対象とした政策問題報告、講演会等」であり、不特定の地域住民を対象とした市政報告会はこれに該当しないことがわかったそうです。
このため市教委は「政治活動はすべて不可として、これまで利用を許可してこなかったが、使用を認めても問題がないことが分かり、一定の方向づけができたので、社会教育活動の一環として利用を呼びかけたい」としているそうです。
県内のすべての市で、昭和48年当時のものは別にして、使用を認めない条項に「政治活動」が入っていない理由も、これを読んでなるほどと納得できました。
小矢部市だけが、誤解と古い観念にとらわれて、市民の活動の自由を狭めているとすれば、多額の税金をつぎ込んでつくったせっかくの公共施設も、宝の持ち腐れと言うことになります。今回の条例で提案されている津沢コミュニティプラザについて言えば、津沢地区の住民はどこで政治的集会を開くことができるのか、お答えください。
公共施設の問題
西川総務部長 住民ニーズや社会的な情勢を勘案し、より有効である場合には条例の改正を行い、より高次の施策を実現したい。施設条例については、必要な場合には条例の改正、運営方法の改善を含めて検討したい。
再質問に答えて
楠教育長 条項ですが、市全体を見て必要とあればしかるべき時に考慮したい。
西川総務部長 必要とあれば改正も含めて考慮したい。
この機会に、わたしは公民館をはじめ、市の施設が市民の活発な活動にどんどん使われるよう、運用の見直しもあらためて検討してもらいたいと思います。東部公民館長に話を聞いたことがありましたが、どんどん市民に使ってもらってこそ公民館の役割があるといって、地区外の人はもちろん、中学生が公民館でどんどんと飛び跳ねて遊ぶことも大歓迎という姿勢で運営して、活発に利用されていることを自慢しておられました。市内の公民館がより広く活用されるよう改善を求めたいと思います。
公民館の利用拡大
楠教育長 使いやすいものであることを望んでおり、館長に指導したい。
今年もインフルエンザが流行しましたが、高齢者の予防接種はかなり効果をあげているようです。
ある方から、お孫さんのことで相談を受けました。昨年は予防接種を受けたそうですが、今年には間に合わず受けられなかったそうです。するとインフルエンザにかかってしまったというのです。
子どもに対する予防接種の有効性について、厚生労働省が検証していると言うことでしたが、体験的に有効性が認められるようです。
そこで小矢部市としても高齢者と同じように児童生徒を対象にした予防接種にたいする助成制度を作ったらどうでしょうか。
インフルエンザ予防接種の問題
宮崎教育次長 助成は考えていないが、流行シーズン前に医療機関での予防接種を勧めたい。