市議会での発言のページ
2002年6月22日
6月議会最終日の21日、有事法制関連法案に反対する意見書採択を求める請願に賛成討論し、道路特定財源制度維持を求める意見書に反対討論しました。
有事3法案の慎重審議を求める請願、有事3法案の廃案を求める請願に賛成討論をします。
今国会で審議されている有事3法案は、6月議会本会議で市長も答弁されたように、不明確なことの多い欠陥法案であります。個々の法案についての態度表明をあまりしないことになっている日本弁護士連合会も、これに反対を表明しています。真宗大谷派も反対決議をあげました。私は、小矢部市議会としても有事3法案に反対することを訴えたいと思います。
一部に、独立国として国を守るために必要だという議論がありましたが、この法案は本当に日本を守るために、自衛隊の武力行使を認め、国民への戦争協力を義務づけるものなのでしょうか。
果たして、この日本を、どの国が侵略しようとしているのか、そのような差し迫った危険が現実にあるのか、ということです。政府自身がそんなことを予測していません。中谷防衛庁長官は「3,5年のターム、つまり期間のことですが、3ないし5年の期間では想像できないかもしれない」と国会答弁しています。小泉首相も「我が国に脅威を与える国を想定しているわけではない」と言っているのです。
それでは何のために今、有事法制なのでしょうか。
私は、ズバリ言って、アメリカの起こす戦争に日本の自衛隊と、民間機関や地方自治体を強制動員することに、本当の目的があると思います。
その状況証拠を私はいくつか紹介しましょう。
第一は、アメリカ側が強くそのことを要求していると言うことです。昨年4月、マイケル・グリーン、この人は現在、アメリカ合衆国国家安全保障会議の日本・韓国部長をしている人物です。彼が次のような発言をしています。「協力に消極的な民間機関や地方公共団体に対し、必要な協力を行うよう強制できる権限を総理大臣に与える立法措置が必要」というのです。有事3法案は、まさにそのことをやろうと明記しています。
政府自身もアメリカの要求に応えて、この有事3法案を作ったと認めています。今年1月、政府が自民党に提示した文書「有事法制の整備について」というのがありますが、その中で、有事立法の必要性について、「日米安保体制の信頼性の強化」のためといっているのです。
第二に、この有事法制が現実に発動される可能性は、インド洋に展開している自衛艦が米軍と一体となって武力行使に踏み切るところにあります。現行法、つまり周辺事態法などでは、米軍に燃料などを補給している自衛艦が攻撃されたら、直ちに戦場から離脱することになっています。現行法では海外での武力行使が認められていないからです。しかし、今度の有事3法案では、そのような場合でも、武力行使に道を開くことになっています。
我が国が武力攻撃を受けた場合に有事3法案が発動されるわけですが、政府答弁では公海上の軍用機、軍艦も「我が国」という概念に含まれるというのです。当然にインド洋に展開する自衛艦も我が国ということになり、政府が武力攻撃事態と判断すれば、米軍と一体になって武力行使ができることになります。
第三に、有事3法案は、実際に武力攻撃を受けた場合だけでなく、受ける「おそれがある場合」や受けることが「予測される場合」も発動する仕組みになっており、条文上は自衛隊が先制的な武力攻撃をできる仕組みを作っていることです。
これら三つの問題点を見るだけでも、日本有事に備えると言うのは口実で、アメリカの戦争に日本を巻き込もうとするものだと言わなければなりません。しかもアメリカのブッシュ政権は、国際社会の批判に耳を傾けることなく、イラクやイラン、北朝鮮などを悪の枢軸国と呼び、先制攻撃も辞さない、非核保有国に対しても核兵器による先制攻撃をためらわないことを公式に表明している国であります。小泉首相はこのアメリカに対して、何一つ批判できないどころか、アメリカの主張を容認する態度をとっている内閣です。
このような有事法案に反対の声が全国的に広がるのは当然のことです。小矢部市議会も有事法制反対の意思表示をし、子どもや孫の世代に、「私たちはあのとき、日本を戦争に巻き込もうとする憲法違反の法律に反対し、平和日本を守ったんだ」と堂々と言える態度をとろうではありませんか。このことを訴えて、請願に対する賛成討論とします。
この意見書は道路をよくしてほしいという市民の願いに答えるものではありません。小矢部市議会として道路改良の願いをとりあげるとすれば、具体的にどこを、どのように改良してほしいのか、議論をし、一致したものを列挙して、国、県に要望することが重要だと私は考えます。
この意見書が問題にしているのは、道路特定財源制度の維持と言うことです。これには三つの問題点を指摘したい。第一に、揮発油税などを道路特定財源として使い道を限定していることです。これだけ国・地方の財政が苦しいのに、財務省も、国会もこの使い道をもっと他のところに有効に活用する道を探ることができない財政硬直化を招いています。
第二に、道路特定財源は、2001年度税収で5兆8千5百億円にもなり、これを使い切るために結果として採算性も必要性も疑問であるような無駄な道路建設につきすすむことになります。関係住民の間で道路拡幅の十分な話し合いも合意もないまま、国、県の予算が付いたからということで、数年前までは予想もしていなかった道路整備をしゃにむに行う原因になるなど、無駄な公共事業の温床になっているとの問題点も指摘されます。
第三に、最近では多くの世論も、道路特定財源制度の見直しを求めるようになってきています。この制度は1953年、戦後、道路建設が急がれるという事情のもとで導入されましたが、今では基本的な道路網が完成しており、その役割は終ったと言わなければなりません。そういう時期にあえて国土交通省の省益を優先させるような意見書をわざわざ採択する必要はないといえます。
私は、この財源を一般財源化し、国、地方全体の財源のなかで、何が必要な事業か、何から取りかかるか、十分な議論を経て、必要なところに予算を配分するやり方に改めることが必要だと考えます。交通の渋滞問題や、交通安全、地球温暖化防止など環境問題を考えると、総合的な交通体系を考える必要があります。道路だけでなく、鉄道、船舶、航空など総合的な交通体系の充実のためには、揮発油税などの財源を一般財源化し、本当に必要な生活密着道路、交通安全施設整備、鉄道輸送網の充実でエネルギー効率の良い、環境に優しい総合的な交通体系の確立のためにこそ、生かすべきであります。