市議会での発言のページ
2002年3月8日

2002年3月議会一般質問

目次
1. 市町村合併について
@ 合併しないと財政が持たないのか
A 合併特例債は無駄な公共事業に走る懸念
B 合併で小矢部市民一人あたりの借金の負担が増える
C 合併で行政サービスが低下する懸念が
D 大規模な事業は他の自治体との協力で可能
E 市町村合併によって住民の声が届きにくくなる
2. 30人学級実現へ前進をはかるために
@ 多人数学級支援講師の改善
A 普通学校への障害児受け入れに伴う支援体制
3. BSE対策と学校給食に地元農産物を
@ 乳廃牛の買い上げを国の責任で
A 学校給食に牛肉を。
B 学校給食に地元農産物を
C 稲葉山牧場の畜産排泄物を水田に還元を
4. 国保税の引き下げと減免制度の導入を
5. 一般廃棄物処理施設にかかる生活環境影響調査結果の縦覧に関する条例について

1. 市町村合併について

 市町村合併について、財政面から合併がさけられないとする議論がありますが、これは本末転倒です。誰のための合併なのかといわなければなりません。
 サービスは高い方に、負担は低い方にあわせることが合併研究会で話し合われたようです。しかし実際には、近年合併した市・町の場合でも、はじめはそういわれていたそうですが、その後住民サービスの削減が進められています。
 95年に合併した東京・あきる野市では、合併1年後に国民健康保険税を大幅引き上げました。2年目には「サービスは高い方に、負担は低い方にとの方針は、合併時点の考えであり、いつまでも拘束されるものでない」として、方針転換を宣言し、各種手数料のいっせい値上げや、合併前は無料であった公民館や学童保育の有料化を強行しました。
 兵庫県篠山市では99年に合併しましたが、合併2年ほどで保育所や学校の統廃合などの大リストラ計画を発表し、手数料、使用料の引き上げが計画されています。一方、大型箱もの建設はどんどん進み、合併後3年で借金が合併前の4町合計の2倍になったそうです。
 市町村合併が、国の言いなりで、住民の側からの必要性で議論されてこなかったからです。
 私は、小矢部市が今後もどこかと合併しなければやっていけなくなると言うことはあり得ないと考えています。
 そこで次の6つの質問をします。
@ 合併しないと財政が持たないのか
 合併しないと地方交付税が削減されて、現状が維持できなくなると言う根拠はどこにありますか。反対に、合併すると15年後には地方交付税が激減し、現在の財政規模を維持できなくなることは明らかです。
 現在12市町村に交付されている地方交付税(普通地方交付税のみ)は合わせて240億円、ところがひとつの市になれば現行制度のままでも140億円へと激減すると試算できます。国は合併に伴う特例措置として、10年間は240億円を保証し、その後5年間かけて140億円に減らすといいますが、結局15年後には合併した新しい市では大リストラを強行しなければやっていけません。保育所の整理統合、学校の統合が避けられません。
A 合併特例債は無駄な公共事業に走る懸念
また、2005年までに合併すれば合併特例債が使えると言いますが、大家市長がかつて全員協議会で発言されたように、「新幹線石動駅を地元負担でつくる」などと言う無駄な公共事業に走らない保障はどこにありますか。
B 合併で小矢部市民一人あたりの借金の負担が増える
小矢部市はここ数年、市債残高を減らしながら事業展開をする努力を続け、1998年度末の150億円をピークに、2002年度末には130億円へと20億円も減らしてきました。その結果、一人あたりの市債残高で比較しますと、2000年度末では小矢部市は一人あたり40万円で、砺波地方12市町村のなかでは福岡町に次いで少なくなっています。12市町村全体では55万円で、合併すると小矢部市民はたちどころに、一人あたり15万円もの借金を背負い込むことになります。
また、小矢部市はこれまで借金をするにしても、後で国が地方交付税で面倒をみてくれる市債を活用する工夫をしてきました。その結果同じ借金でも、後で国が面倒をみてくれる割合が高いのです。1999年度決算で比較しますと、小矢部市は、17億円の元利償還、つまり借金返済をしましたが、そのうち9億7690万円、58%を国が面倒をみてくれました。一方砺波市は21億円の元利償還、そのうち国が面倒をみてくれたのが7億6756万円で、37%しか国が面倒をみませんでした。
合併したら財政が豊かになるどころか、反対に、市民の税金を他人の借金返済に回さなければならなくなります。そんなことまでして、なぜ小矢部市が合併しなければならないのでしょうか。
C 合併で行政サービスが低下する懸念が
合併による行政サービス低下が一番心配される分野に保育所、幼稚園、学校があります。この心配は、兵庫県篠山市の場合だけではないのであります。
「砺波地域合併に関する研究会」がまとめた「報告書」は、12市町村が合併した場合と、類似市町村との職員数を比較しています。12市町村の現在の職員数は、類似市町村より702人多くなっています。類似市町村の職員数まで削減するとすれば、民生部門で346人(うち保育所関係297人)、教育部門で98人を削減しなければなりません。保育所や学校、幼稚園の整理統合をしない限り削減できない数です。
文部科学省は手回しよく、合併に伴い学校を統廃合しやすくするための「支援プラン」を用意しています。
D 大規模な事業は他の自治体との協力で可能
一つの自治体で維持できない大きな規模の事業については、一部事務組合や広域圏など他の自治体との協力でこれまでもやっているし、それで十分ではありませんか。
現在、屎尿処理は砺波地方全体で共同していますし、下水道は流域下水道ですし、公害の検査体制は高岡地域の公害センターをつくっています。ゴミ処理についても高岡広域圏で検討中です。
E 市町村合併によって住民の声が届きにくくなる
市町村合併によって住民の声が届きにくくなるのではありませんか。
先日の議案説明会で市営バスの運行改善が多くの議員の皆さんから語られたように、現在の規模の方が、住民の要望がきめ細かく届くのではありませんか。介護保険の問題でも、砺波地方に12名の首長がいて、それぞれが住民の皆さんの支持を得るためにも、「福祉の水準を介護保険導入後も後退させない」、「きらりと光る福祉の町づくりをするのだ」と、お互いに切磋琢磨したからこそ、砺波地方の介護サービスの独自施策が全国的にも高い水準の内容を持つようになったのではありませんか。

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2. 30人学級実現へ前進をはかるために
新年度予算に教育関係では、学校図書室に司書職員の配置をはじめ、多人数学級支援講師を市単独で配置するなどの新しい事業が盛り込まれていることを、私は評価します。新しい学習指導要領の実施が、学力の低下をもたらすと、識者も警告しています。一人一人に行き届いた教育をすすめるためにも、少人数学級の実現は欠かせませんし、全国的にその動きが広がっています。
しかし、残念ながら富山県はまだ踏み出そうとしません。12月議会で私が強調したように、そうであればこそ、市町村が独自に踏み出し、県や国に実現を迫る取り組みが大切になります。つまり、小矢部市が県や国を上回る教員配置を行い、子どもたちの成長を保障することが、30人学級実現への展望を開きます。そこで二つの質問をします。
@ 多人数学級支援講師の改善
報道によると県は小学校3年生までを対象に36人以上のクラスに補助教員を配置するようです。36人以上に対象が拡大されると、どの小学校の何年生に何人の補助教員が配置されると予想できますか。
せっかく市が単独で予算をつけたのですから、県の制度を上回る改善を求めたいと思います。
第一の改善点としては、4月1日から学校に勤務できるようにし、正規の先生と協力して入学式、始業式に望めるようにすることです。県の制度ではいつから始まるのかわかりませんが、県の制度が始まるまでのつなぎを市の予算で実施していただきたい。
第二の改善点は、一日の勤務時間が、県の制度では4時間と短いので、担任の先生との毎日の打ち合わせもできない状態です。県の制度に加えて、4時間を超える分を市の予算で負担するという改善をしていただきたい。
A 普通学校への障害児受け入れに伴う支援体制
障害児を普通学級で育てたある親は、その選択が結果として良かったと語っていました。その子は健常者に混じって元気に育っています。その方は、「私らの場合でも、何で学校や教育委員会が、養護学校へ入れとか、特殊学級へ入れとしつこく言われたのか、わからなかった。先生の人数を増やしたくなかったからだけでないのか。だけど、健常児にとっても障害児と一緒に学校生活を送る体験が大事でではないのか」と、訴えておられます。
ところで、12月議会で議論していた問題ですが、障害を持った子どもさんのひとりが普通学校への入学を認められたようです。その子の保護者は、普通学校のなかの普通学級へ入ることを強く望んでおられたようです。しかし、1年生入学と同時に特殊学級へという、きわめて異例の展開になっているようです。しかもその特殊学級の年齢構成が新しい1年生と4,5,6年生の4人になるようです。これでは学級運営が難しいと、学校長から1月に、教員の追加配置の要望が出されましたが、県の教育事務所は断ったようです。
そこで、小矢部市としては、教育長が12月議会で言明されたように、市単独でも補助教員の配置をするようにしていただきたい。

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3. BSE対策と学校給食に地元農産物を
この問題では、4つのことを質問します。
@ 乳廃牛の買い上げを国の責任で
第一は、酪農家の救済策です。乳牛の場合、30ヶ月ほどで乳がとれなくなります。これまではそうした乳廃牛を、食肉用として1頭17,8万円で販売していました。ところが、BSE狂牛病問題が発生し、昨年12月には、1頭10,000円でも引き取ってもらえないという事態になりました。こうなると乳牛の更新ができず、牛乳の生産にも支障を来します。この状態が1年も続けば、日本に酪農がなくなるという深刻な事態です。
BSE(狂牛病)問題は、世界保健機構(WHO)が肉骨粉の使用禁止を勧告したのに、日本政府がアメリカに気兼ねをして輸入禁止もせず、法的規制もせず、一片の行政指導にとどめたことが原因であります。その通達は農家や、農協にも伝えられませんでした。酪農家はいつの間に、配合飼料に肉骨粉が入っていたのか、まったく知らされていませんでした。この責任が政府にあることは明らかであり、汚染されている疑いのある牛を国の責任で買い上げ、焼却処分し、市場に出回らない対策をとることが不可欠です。
また、長野県などで実施しているように5年間の長期無利子融資制度で急場をしのぐ必要があります。酪農家の皆さんは、富山県が実施している1年間の融資では、損失分を取り返す見通しが立たず、借りることができないと言っています。
A 学校給食に牛肉を。
学校給食での牛肉の再開はいつからですか。再開する以上、市として安全性を確認されたことと思いますが、その内容をお知らせください。
牛肉の安全性を確認する国の対策の不備や、雪印食品の不正、全農も表示を偽っていたことなど表示への不信が、不安を拡大しています。それを解消するためには、地元でとれた農畜産物を地元で消費する、生産者の顔が見える農業が大切です。学校給食用の牛肉についても、どこで生まれた牛で、どのように育てられたか、どこで屠畜され、BSE検査ではどうなったかを、明らかにする必要があります。稲葉山牧場で牧草とふすまで育て、どこそこの畜産農家から購入したということがわかれば、安心です。学校給食で、子供たちにそこまできちんと話して、給食に牛肉を再開するようにしていただきたい。
B 学校給食に地元農産物を
そのためにも学校給食に地元農産物を取り入れる仕組み(入札資格など)を強化していただきたい。地元農産物を給食に取り入れることは、安心、安全な食料を子供たちに提供することにつながります。
C 稲葉山牧場の畜産排泄物を水田に還元を
水田の地力が低下していることが米の品質の低下につながっていると言われています。一方畜産農家、酪農家は家畜排泄物の処理に課題を抱えています。
稲葉山牧場ではこんど堆肥舎を建設します。それと畜産農家らとの共同で、水田に堆肥を還元するシステムを構築してはいかがでしょうか。
問題は運搬の経費です。臭いやハエなど環境への影響も心配され、関係住民の合意を得ることも重要な課題です。バキュームカーで排泄物を集め、運搬している例もあるとのことです。そのバキュームカーそのものをコンテナのような箱でおおいをして、外に臭いが漏れない対策をとることも可能です。この部分を担う農業公社の設立を求めたいと思います。

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4. 国保税の引き下げと減免制度の導入を
かつて、京都府の蜷川知事は、「地方自治体は不況を解決できないけども、不況の影響から住民を守る施策をとることができる」と言って諸々の対策をとられたようです。今日、日本経済は深刻なデフレスパイラルに落ち込みつつあります。売り上げの激減、リストラ・解雇など深刻な事態が市民生活を襲っています。小矢部市としても、できる限りの対策をとる必要があります。
そこで、私は国民健康保険税の引き下げを提案したいと思います。砺波市は資産割を廃止し、国民健康保険税の引き下げをするようです。
深刻な不況の元で、国保税の支払いが困難になる事態が多く生まれています。国保税は前年の所得に対して課税されます。リストラや不況などで所得が前年に比べて減少した場合に、国保税を減免する制度を導入していただきたい。

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5. 一般廃棄物処理施設にかかる生活環境影響調査結果の縦覧に関する条例について
ゴミ処理などの施設を設置するには住民の理解と合意が不可欠です。どんな影響があるか調べた調査報告書は膨大な文書になることも予想できます。複写ができることも条例に明記すべきではありませんか。



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