市議会での発言のページ
2001年9月14日

日本共産党の砂田喜昭議員は9月議会での一般質問の冒頭、アメリカでの同時多発テロについて怒りを込めて糾弾し、法と理性に基づく解決を呼びかけました。

目次
市町村合併について
国保税の減免を
介護保険料の減免を
学童保育について
環境政策について


20010914一般質問

日本共産党を代表して市政一般について質問します。

冒頭、11日にアメリカで起きた野蛮で卑劣な同時多発テロの犠牲になった方々のご冥福をお祈りするとともに、心からお見舞い申し上げます。

日本共産党は、いかなる理由や背景があろうとも、人命を無差別で殺傷するテロを断じて許さないものです。今回の暴挙に対し、怒りを込めて糾弾するものです。

今後、事件の真相解明とともに、テロ根絶を目指し、軍事力による制裁・報復ではなく、法と理性に基づいた問題の解決が図られることを強く求めるものです。

それでは質問に移ります。

1. 市町村合併について

この問題では4点お尋ねします。

@ 市長は「合併は避けられない」「どこと合併するかが問題だ」との認識なのか。合併しない選択もあることを明確にし、住民全体の合意が前提であることを確認せよ。

今の市町村合併の動きは、地域と住民から自主的に生まれているものでありません。政府が強引に推進しようとしているものです。

市報おやべの9月号によると、合併のパターン例がいくつか紹介されていますが、合併せずにやっていくという選択肢が載せられていません。そして「市民の皆さんに新たな負担を求めずに足腰の強い自治体であるために、「市町村合併」や「広域行政」の推進が、これからの市町村のキーワードになっています」と書いています。6月議会で市長は「合併は国や、県や、行政が主導するものではありません。やはり基本は市民の熱意と機運の盛り上がりにあるわけでありまして」と述べていましたが、今度の市報を見る限り、小矢部市は合併の方向へ世論を誘導しようとしているように見受けられます。

日本共産党砺波地方議員団が、先月砺波市長に会い、「合併パターンについて合併しない選択肢があってしかるべきだ」と申し入れたところ、「合併パターン例、パターン例の異なる組み合わせ、あるいは部分的・段階的な合併、そして合併しないという選択肢も当然含まれている」と述べています。合併に慎重な発言も語られました。

市民の間で議論するときに、どこと合併するのかという選択肢だけでなく、合併しないという選択肢も示して議論すべきです。先ほど市長は「合併あり気ではない」といわれましたが、そのならなぜ司法に「合併しないパターン」を掲載しなかったのか、お尋ねします。

A 交付税削減は地方交付税法に反する。市長は削減の動きに反対の立場を明確にし、国に働きかけを。

小泉内閣は来年度予算編成に当たって地方交付税の削減を狙っています。国がこれを梃子に合併を推進しようとしているのです。

しかし、地方交付税はもともと、「国が地方に変わって徴収する地方税」という性格を持っているものです。これは市町村職員研修用テキストに明記されていることです。したがって地方交付税の総額が国税5税の一定割合として法定されることにより、地方財源は総額として保障されているのです。

交付税削減は地方交付税法に反します。昨日、黒部市長は怒りの声を上げています。大家市長は削減の動きに反対の立場を明確にし、国に働きかけをする考えがないか、おたずねします。

 

B 合併に伴う財政支援は一時的なもので、10年後には規模が縮小する。後は借金と維持費負担が押し付けられるだけ。市の見解を求める。

合併すれば国は地方交付税を少なくできます。今度の合併の特例として地方交付税の水準をそれぞれの自治体が受けていたものの合計を保障するとしていますが、これは一時的なもので、10年後には合併した規模に見合う交付税に段階的に縮小します。

また、もうひとつの財政支援として新しい役場を作るなどの公共事業に借金を認めるというものです。借金の返済に当たって地方交付税で面倒を見るという、クロスランドで大きな借金を作らされた同じやり方です。借金と維持費負担が押し付けられるだけです。決して有利な話ではないと思いますが、見解を求めます。

 

C 財政が合併によって一つの財布にまとめられると、一極集中で大型公共事業に税金が集中され、周辺の人の税金がその借金返済に使われ、教育、福祉のための財政支出が削減される。このようなマイナス面を市民に正しく伝えるべきだ。

合併することによってひとつの自治体としての財政規模は確かに大きくなります。しかし、かえって大型公共事業に集中し、地域密着型の公共事業は難しくなります。一極集中で大型公共事業に税金が集中され、周辺の人の税金がその借金返済に使われることが予想されます。

このように、合併することにより、マイナスになる基本的な問題が多々あります。これらもきちんと市報で市民に知らせるべきです。

 

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2. 国保税の減免制度について

次の3点にお答えください。

@ 国保税の黒字分を国保税引き下げに

2000年度国保会計が2200万円の黒字になっていることが明らかになりました。昨年介護保険がスタートしたことから、高齢者医療費の一部が介護保険へ移行したため国保会計にかかる医療費の負担が軽くなったものと思われます。

不況で国保税が高いという声がたくさん寄せられている今こそ、税率の引き下げをするべきです。今年度補正予算案では、昨年度の黒字分を、国保税の引き下げにまわすのでなく、国保会計の基金として2400万円貯金する案となっています。この結果基金残高は1億2000万円近くになります。基金に積むより世帯割(平等割)を平均5千円程度引き下げてはどうでしょうか。

 

A インフルエンザ予防接種に市の補助制度を

当局は「インフルエンザが1回流行すると3千万円から5千万円の医療費が必要になるからもっと基金が必要だ」といっていますが、国保運営協議会では、医師会代表の委員から「インフルエンザの予防接種に対する小矢部市の助成制度はどうするのか」との質問が出されました。私も、同感です。19993月議会で私も提案したように、この予防接種に対する補助制度の創設を、他市に先駆けて小矢部市が率先して行うよう改めて強く求めたいと思います。そのほうが医療費の軽減にもつながり、国保税の引き下げに大きな効果を発揮するものと思います。

その際、予防接種を希望する人だけを対象とするのでなく、インフルエンザの流行を抑えることができる規模の対応を求めたいと思います。

 

B 生活苦、収入減に伴う国保税の減免制度を

国保税の滞納問題で小矢部市は、納税相談をきめ細かに行い、保険証の取り上げとなる資格証明書の発行は、極力抑えたいということでした。500円でも1000円でも払う努力をすれば保険証を渡すということでした。

これはこれで大事なことですが、国保税が前年所得に対して所得割を課税する仕組みになっていることから、不況が深刻化している現在、生活苦を理由とする減免制度の拡充が必要ではありませんか。小矢部市国民健康保険税条例は第16条で、市長は、「その他特別の理由がある者」に対し、「国民健康保険税を減免することができる」となっています。何を「その他特別な理由」とするかが問題です。国の政令では災害や盗難がその対象になるということです。盗難もその対象になるということは、今の不況は小泉不況といわれるように、自民党政治の失政で国民の所得が奪われているのですから、生活苦や前年に比べて所得が減少した場合なども対象にすべきです。大阪八尾市の「減免取り扱い要領」では「事業または業務の休廃止、失業等により収入が著しく減少したとき。その他生活が著しく困難であるとき」と定めています。

 

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3. 砺波介護保険組合に対して介護保険料の減免制度を

この問題では2つの質問をします。

@ 減免制度の創設を

10月から65歳以上の介護保険の保険料が倍額になります。少ない年金で生活している方々の負担は大変なものです。生活苦や低所得を理由とする減免制度を砺波地方介護保険組合に対して提案していただきたいと思います。

 

A 第2段階保険料も減額を

砺波地方介護保険組合では一番低所得層である第1段階の保険料を国の基準の8割に減額しています。比較的所得が多く第5段階の保険料を据え置いたままこれを行っていることが特徴で、これは県内でも、全国的にも大変進んだ内容です。ただ現実には、一番困っている人が多いのが第2段階の所得の階層です。つまり世帯全員が住民税非課税の家庭です。全体の3割近くになります。これらの階層の人々について、一定の基準を設けて保険料の減額をするよう、砺波地方介護保険組合に対して働きかけていただきたいと思います。

 

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4. 学童保育について

学童保育について次の3点を質問します。

@ 長期休暇中の学童保育の実施を急いで

長期休暇中の学童保育については、7月2日、夏休みに学童保育を希望されるお母さん方と市社会福祉課との話し合いがもたれました。席上お母さん方から、「小さい子に、平日の2時間くらいなら我慢させられるが、『1日一人で我慢して』とは、心配でいえない。冬はストーブの火も心配です」「共働きしないと生活ができない。子育てのことがあって仕事を変わったが、余り仕事を変わってばかりだと信用がなくなる」という切実な声が出され、社会福祉課の担当者らも、「実情は痛いほどよくわかりました。即答はできませんが、担当者として努力させてもらいます」と答えておられました。

おとぎの館の利用もぜひ

この問題ではどこで実施するかという場所の問題がネックとなっております。

学童保育の実現を求めた19989月議会の私の質問に、当時の高野社会福祉事務所長は、「総合保健福祉センター内の児童センター的部屋を拠点として、隣接するおとぎの館、つまり児童図書館のことですが、おとぎの館も利用し、学童保育の実施に向けて協議を進めている」と答えていました。私が、学童保育の子どもの親たちと社会福祉課との交渉の席で、児童センターに隣接する児童図書館『おとぎの館』の活用という案を出したのも、この答弁が記憶のどこかにあったためでないかと思います。交渉の席では、担当者は、「これは教育委員会が管理している施設であり、民生部の施設ではないので、使うのはなかなか難しい」と述べていましたが、3年前に市当局自身が関係部課長らで一致して用意した答弁では、おとぎの館の利用も視野に入っていました。

また先日の民生文教常任委員会で、教育長も答弁の中で検討対象施設のひとつに『おとぎの館』も上げました。

これを手がかりに、早急な実施を求めたいと思います。いつから実施するつもりなのか、お答えください。

 

A 青年を市職員待遇で採用し、学童保育の指導員として活用を

次に、長期休暇中の指導員の確保の問題ですが、夏休み、冬休みだけ一日中勤務する人を探すのは困難でしょうから、児童図書館の職員として市職員と同じ待遇で採用し、長期休暇中は学童保育の指導員の仕事も担当できるようにしたらどうでしょうか。そのような指導員には例えば、教員を目指しながらもなかなか採用されない臨時講師のような若い人を募集してはどうでしょうか。

 

B 計画的に各学校での学童保育の拡大を

この10月から石動小学校でも実施することになりました。引き続きそれぞれの小学校でも実施できるように、計画的に広げていってもらいたいと思います。この前の親との話し合いの場で、「学校の近くだとプールも使えるし、学校で学童保育をやってもらえないのですか」という切実な声も出されました。来年度はどこで実施する計画なのか、あわせてお答えください。

 

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5. 環境問題とプラスティックごみ、家電リサイクル問題、大規模ごみ焼却施設の見直しとリサイクルセンターについて

環境問題に関して次の5点を質問します。

@ 分別収集こそごみ問題解決の鍵 プラスティック類の分類を合理的なものに

容器包装リサイクル法の施行に伴って塩ビ関係の分別収集が始まりました。その結果6月を例に取ると昨年度の656トンに比べて今年度は582トンと約74トンのごみが減りました。7月も57トンのごみが減ったそうです。ごみが減量化され、再生利用されることは、循環型社会へ前進する上で大変重要です。

ところで、プラスティック類のごみについて、市民が分別しやすい基準が必要ではないでしょうか。ビニール紐は容器でないのでプラスティックとは別にして、出しなさいというのでは、なかなか市民の理解が得られません。塩ビ関係を焼却しないことでダイオキシンの発生を抑えるという目的に沿って出せるもの、出せないものを一部整理しなおす必要があります。

 

A 生ごみの堆肥化を

いわゆる食品リサイクル法が昨年5月に成立しました。この法律は大量の食品廃棄物を排出する事業者、たとえば食品製造業、スーパーなどの食品流通業、外食産業などに対して、ごみの発生の抑制、減量化、肥料や飼料としてのリサイクルなどを義務付けるものです。

この法律に基づいて今年530日付で食品リサイクル促進の「基本方針」が決められました。そこには、地方公共団体の役割も述べられています。地方公共団体は「食品廃棄物の適正な処理を図るとともに、その区域の経済的社会的諸条件におうじて、住民の自主的な活動、地域における食品関連事業者、再生利用事業者および農林漁業者等の連携の促進を図ること等により食品循環資源の再生利用等を促進するよう努めるものとする」とされています。

この法律が今年4月から施行されました。昨年9月議会でのある議員への答弁で、小矢部市は、環境保全のためには循環型社会への取り組みが必要だが、「有機性廃棄物のコンポスト化に当たってはコストが高く、品質が安定しないなどの問題があり、実現化は難しい」と述べるにとどまっていました。

私はここから一歩踏み込んで、生ごみの堆肥化について市としても調査研究することを求めたいと思います。日本全体で食品廃棄物の約半分、年間で1000万トンが一般家庭から出る生ごみだといわれています。このうち肥料などとして再生利用されているのはわずか5万トンにしか過ぎません。小矢部市としても学校給食や保育所の給食などの残飯を、焼却処理だけでなく、再生利用できないか検討すべきではありませんか。

生ごみの循環利用に当たっては消費者の啓蒙、自主的な活動が欠かせません。そのためにも大型ごみ焼却施設建設に莫大な税金をつぎ込むばかりでなく、市民の自主的な食品リサイクルの運動を促進する方法をぜひ研究、調査していただきたい。

 

B 燃えるごみを減らせば、大規模なごみ焼却施設が不要に。高岡広域圏の計画の見直しを

現在、高岡の燃えるごみは日量150トン、氷見が40トン、福岡が7トン、小矢部が20トンといわれています。合計で220トンです。廃プラスティックと生ごみの分別収集を徹底すれば、燃えるごみの排出量をかなり削減できるのではないでしょうか。また、そうすることが循環型社会への前進であり、たいへん合理的です。

燃えるごみの減量化に高岡広域圏全体で取り組めば、現在計画されている日量300トンの焼却炉は必要でなくなるのではありませんか。このような方向を小矢部市として積極的に提案するつもりはありませんか。

 

C 総合リサイクルプラザの機能を民間施設とすみわけを

総合計画で予定されている総合リサイクルプラザについてお尋ねします。この機能として資源ごみ、有害ごみのストックヤードのほかに、不燃ごみ、粗大ごみの選別設備を備えるとしています。しかし、隣の町には、1380トンの処理能力がある選別設備を持った民間業者がいます。自動車もそのままシュレッダーで破砕し選別して鉄、銅、アルミなど資源として回収しています。自動車は11トンくらいで、一日200トンくらい処理しています。設備能力に余裕があったので、家電リサイクル法の施行を受けて松下電器などのグループ企業と契約し、北陸地方の処理を一手に引き受けているそうです。こういう民間設備を活用することにすれば、税金で粗大ごみのリサイクルに小矢部市が取り組む必要がなくなるのではありませんか。

 

D 家電や自動車のリサイクル費用は製造段階で製品価格に上乗せせよとの要求を国に

家電に続いて、こんどは年間500万台にのぼる廃車のリサイクル制度が検討されています。経済産業省の現状の案では費用が消費者負担となっています。ドイツではメーカーに車齢12年未満の廃車の無料引き取りと回収・リサイクルを義務付け、スウェーデン、ノルウェーでは自動車のデポジット(一時預り金)制度が実施されています。日本でも「企業責任の強化」と「デポジット制の導入」が求められています。

製品を製造したメーカーに処分料を負担させるならば、その経費を節約するためにも、リサイクルしやすい製品を開発、製造するようになるでしょう。名古屋市議会は家電リサイクル法に対して、「消費者の小売業者への引渡しを容易にするために、引き取り・リサイクルにかかる費用を製品購入時の価格に上乗せするよう再度検討する」よう求めています。

家電リサイクル法が施行された今年度に入ってから不法投棄が増えているという情報があちこちから聞きますが、市としてどのように把握していますか。

私は3月議会で「国に家電リサイクル法」の改正を求めるべきだと質問しましたが、当局は「必要に応じて関係機関と協議したい」と答えるにとどまりました。

小矢部市長として国に対して公式に「製品価格にリサイクル費用を上乗せして、回収にかかる経費を無料とするよう」意見表明をされる意思はありませんか。


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