市議会での発言のページ
2001年3月9日

2001年3月議会一般質問

この日行なわれた一般質問は、14名の議員が発言し、終了が18時30分を回るという異例の議会となりました。しかし、会議が活発なことはよいことです。
 私は一番最後に質問し、他の議員の答弁も踏まえて、議論できたことは良かったと思っています。時間が足りなかったのは残念ですが。
 これは原稿で、実際の発言は今後作られる議事録を参照してください。
目次
1、ケーブルテレビについて
2、スギ人工林の雪害をきっかけに、災害に強い森林作りを
3、廃家電リサイクル対策について
4、30人学級の実現について
5、ゴールドウィンのリストラ対策について
6、フロンティア計画について

1. ケーブルテレビについて
その必要性と、ケーブルテレビ会社が第三セクターであることの懸念、全市ネットワーク化を巡る課題という三つの側面から検討します。
(1) その必要性と将来性について
 日本共産党は、交通や通信手段の近代化そのものは、社会の進歩として、当然積極的に評価、推進すべきものだと考えています。しかし、通信も基幹交通も、すべて、税金で進めることについては、大いに議論があると考えています。しかも、ケーブルテレビをいまさらやっても時代遅れでないかという問題も、検討すべきだと考えています。
 その際「走りながら、考えている」という市当局の答弁は納得できるものではありません。総合計画に事務事業評価システムを念頭において適宜見直しをしていくということですが、走っていては、急に止まったり、後戻りが困難であります。
 市長は森総理のIT革命で一気に全市にケーブルを張り巡らすことができるから絶好の機会だとおっしゃいましたが、森総理の言うことほど今の日本で信頼されていないものはありません。時代遅れのものを導入しても、かえって、お荷物になるだけではないのか、大いに議論すべきです。
 そこで私は、次の三つの点について十分に見極めた上で、ケーブルテレビの導入を検討してもよいのではないかと思います。

1)第一は、行政情報の提供手段としてどうかという問題です。
@その手段としてケーブルテレビしかないのかということです。
 市報との比較では対象世帯数の点でも、文字を読めるなら誰でも読めるのが現在の市報です。それをあえてテレビ番組放送にする必要はどこにあるのか。今後市報を廃止するとしたら、ケーブルテレビ未加入者には行政情報を提供しないつもりなのかという問題が残ります。
 ケーブルテレビがないと市民と行政の間に心の通う行政情報を提供したり、意見を伺ったりすることができないというものではありません。
 たとえば住民懇談会をきめ細かに開いて、行政情報を提供したり、意見を聞いたりすることは今も時々行っていますし、今後ももっと重視していく必要があります。その際、都市計画道路社内上野本線の拡幅問題でも、行政の一方的な説明だけでなく、住民の意見を真剣に受け止める努力も必要でしょう。
 電話での問い合わせや、窓口での親切でわかりやすい対応をすれば、別にケーブルテレビでなくても市民と意思疎通を図り、行政情報がスムーズに流れます。
 議会だよりに議員や答弁者の名前を入れて、誰がどんな質問をしたか、どんな答弁をしたかがわかるようにすることも、ケーブルテレビがなくても改善できる課題です。
 午前中の答弁で、事務事業の評価システムで評価指標をケーブルテレビで公開したいという発言がありましたが、これをケーブルテレビだけで公開すると、全市民に情報を公開したことにはなりません。
Aいつでも、知りたいときに必要な情報を得るには、もちろんこれだけで十分だというつもりはありません。しかし、行政情報の提供に関して、ケーブルテレビより現在のインターネットの活用のほうがより効率的な方法ではありませんか。
 仮に行政情報を自治体が作るとなると大変な経費が必要になります。独自番組制作の場合、何分番組を週に何本作るつもりか。そのスタッフをどうするのか、どれだけの体制を考えているのですか。そのための経費がどれだけ必要だの考えているのでしょうか。テレビ局は、毎日、1時間程度のローカル番組を放送するのに、膨大な人員を抱えてやっています。小矢部市が独自のスタジオをつくっても、市民の期待にこたえられるような行政情報を提供できるのか、大変心配であります。
 議会中継については、魚津などではインターネット中継で行っています。これをケーブルテレビで行う場合と、インターネットで行う場合と、費用対効果について、検討されたことがありますか。また、議会中継となると今日のように、長時間にわたる場合もあります。ところがTSTの自主チャンネルは3チャンネルに限られております。小矢部市はこのうちの1チャンネルを自由に24時間使えるのでしょうか。その経費はどうなるか、お答えください。
 現在、市役所の各課が、インターネットでの情報を発信しています。これを充実させたほうが、ケーブルテレビより、はるかにコストも安く、効率的ではないでしょうか。
B次が市長の言われた、ケーブルテレビの「夢の部分」ですが、情報の双方向性や、きめ細かな情報を提供する上での諸問題について。
 健康管理や施設の利用申し込みなどなら、電話相談やインターネット活用など現在でもきめ細かな体制を作るなら、可能になるではないでしょうか。そこで、ケーブルテレビでこのような双方向性を実現するには、TSTの側、行政の側、一般加入者の側にどのような設備投資が必要で、その費用はどれほどになるのか。お答えください。
2)第二に、インターネットでの利用価値について
 ケーブルテレビでインターネットが高速で利用できるということですが、電話回線を利用したADSL回線も速度が速く、もう数年待てば、インターネットの高速利用が可能になり、ケーブルテレビの必要性が低くならないでしょうか。
3)多チャンネル放送について
 CS衛星放送との競合に勝てるのか。ケーブルテレビについて今後国会テレビなどの導入はできるのか。また、今後TSTのテレビ番組を地上波テレビのデジタル化に合わせてデジタル放送に対応するものに施設を改善する場合、どれだけの小矢部市としての負担がどれほど必要になるのか、お答えください。
(2)第三セクターの破綻の場合に、小矢部市の負担はどのようなものが考えられるか。昨年のサミット会場になった「シーガイヤ」さえ倒産している時代である。TSTの借入金の状況はどれだけか。
(3)次に全市をネットワークで結ぶということですが、加入の見込みについて
@ どれだけの加入率を見込んでいるか。それが可能だという根拠はどこにあるのか。
 城端町など山間地でテレビの移りのよくない地域では40%台の加入状況ですが、最近砺波広域圏で散居村にサービス区域を拡大したところでは、15%程度の普及と聞いています。
A予想を下回った場合に、小矢部市にはどのような負担が考えられるのか
B全市ネットワーク化の障害となる加入料金、利用料金の体系について

加入金の引き下げについて
 加入促進期間後は5万円で行くのか。
 仮に、加入金と引き込み工事費を無料にしたとしても、屋内工事費はいくらになるのですか、チューナーは個人で買うことになるのですか。
月額使用料の引き下げについて
 地上波テレビと行政情報のみの利用というような番組限定版で月額500円にできないか
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2. スギ人工林の雪害をきっかけに、災害に強い森林作りを
 すでに二人の議員がこの問題を取り上げたので、若干質問の内容を変えます。
 一昨年、岐阜県高山地方を豪雨災害が襲ったとき、大量の土砂流出で、神通川を経て氷見の海岸に流木が流れ着いた事件がありました。それをきっかけに、富山県は漁業協同組合と高山地方の山林関係者との交流をはじめ、造林ボランティアに漁民が出かける事業が始まっています。
 今年1月中旬の大雪で、市内人工林でスギの折損被害が発生しました。この被害は県林政課の調べによると、小矢部市だけでなく、福岡町、氷見市、黒部市など県内各地でも同時発生しています。
 もとより林業、森林は、地球環境の保全、自然災害の防止、水資源の涵養など多面的な公益的役割を果たしています。しかし、国産材の価格低迷など、林業を取り巻く環境が厳しい中で、今度の自然災害は林業の衰退に拍車をかけることが懸念されます。災いを転じて福となすということわざがありますが、長期的な視野にたって災害に強い森林作りをすすめるためにも、下記の事項について、緊急の対策を求めます。
一、今回の雪害被害の状況は先の答弁で分りましたから、結構ですが、しかし、未だに被害にあった山を見に行っていないことが答弁から分りまして、大変残念な気持ちです。
二、被害木の伐採跡地を復旧する造林対策で、国、県の補助制度を活用してについて、特別の対策を講じてください。この点でも、先ほどの答弁でやっていきたいということですので、答弁は結構です。
 たとえば跡地にケヤキ、クヌギなど広葉樹を植林すれば、その後の管理にも手数が少なく、しかも、地すべり災害対策にも効果を発揮することが期待されます。災害に強い山作りを長期的展望で進めることも重要です。
三、被害木などの伐採及び搬出、とくに林道などをふさいでいる倒木を除去し、交通を確保するために、市の援助をしてください。
 先ほどの答弁では、「たいへん被害が多いようなので、市として、援助できることがあれば援助していきたい」ということでしたが、援助できることがなければやらないということにも聞こえるので念を押します。
 林道の復旧は現状では、地域住民総出で行っています。農地、農業用施設の災害復旧に当たって、国の災害復旧事業の対象にかからないような小規模災害についても市単独で、自治会、土地改良区などが事業主体になって復旧を行なう場合の補助制度を創設しましたが、その経験が参考になると考えます。
 先日、庄川町へ行ってきました。林道の維持管理ついては、庄川町は町が責任を持つべきだとの考えでやっていました。そのこともあわせて紹介しておきます。
四、森林の境界を明確にする調査を進めるようにしてください。
五、林業家に山の災害復旧、維持管理に意欲を持って当たれるよう、これらの対策を十分知らせ、協力を組織するように努力してください。
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3. 廃家電リサイクル対策について
 冷蔵庫、エアコン、テレビ、洗濯機を処分すると、処分料や運搬料がとられる「家電リサイクル法」が4月から実施されます。消費者や小売業者にその「引き取り料」や運搬料まで負担させるやり方に、批判が高まっています。
 製品を製造したメーカーに処分料を負担させるならば、その経費を節約するためにも、リサイクルしやすい製品を開発、製造するようになるでしょう。名古屋市議会は家電リサイクル法に対して、「消費者の小売業者への引渡しを容易にするために、引き取り・リサイクルにかかる費用を製品購入時の価格に上乗せするよう再度検討する」よう求めています。
@小矢部市としてもぜひそうするように、家電リサイクル法の改正を国に要求すべきではないでしょうか。
A不法廃棄が発生した場合に、小矢部市はどう対応するのですか。
発生しないような対策として、何を考えていますか。山中に捨てられたものを見つけた場合、どうするのですか。小売店の前に放置されてしまった場合の救済策はどうするのですか。
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4. 30人学級の実現について
小学校での英語教育について
 新年度予算案では1000万円で2足りの英語補助教員を雇い、小学校の総合学習の一環として、英語教育を取り入れることになっています。
これは小学校の現場から、要求のあったことなのでしょうか。
 教育基本法では、教育行政について、「不当な支配に服することなく、国民全体に直接責任を負って行なわれるべきである」とし、教育行政は「その自覚の元に、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標としなければならない」としています。これはすなわち、英語教育を取り入れるかどうかは、学校が自主的に判断すべきもので、教育委員会が一律に小学校に英語教育を押し付けるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
 北日本新聞の社説でも、「国語の力をつけるほうが先だ」と、英語教育の早期化に疑問を投げかける声も根強いと指摘しています。国民の世論としても一致して求めている状況ではないのに、小矢部市が先走る必要がどこにあるのでしょうか。
市独自に多人数学級支援対策を
 それよりも、先月27日に市長に、「明るい富山県政をみんなでつくる小矢部市の会」が1217名の署名を添えて陳情したように、少人数学級の実現こそ真っ先に求められています。
 12月議会では、国語、算数、理科などの強化については少人数学習集団で対応するとか、県の多人数学級支援講師で対応するということでした。しかし、少人数学習集団で教えるための教員配置は、2001年度は全国でわずか4500名の教員しか増やしません。富山県には45名程度で、小矢部市の小中学校に1ないし2名しか配置されない勘定になります。これでは、掛け声だけで、中身が伴いません。市独自に対策をとるようにしていただきたい。この際、市が独自に小学校の英語教育をやろうとしているわけだから、その予算を生かして、独自に多人数学級支援を行い、今年の水準を後退させないでほしい。
小学校多人数学級に対する支援講師派遣の状況はどうなっていますか。
 1年生で36人以上のクラスになり、支援講師の派遣を受け入れるのはどこの学校で、何クラスになりますか。2年生、3年生はどうなりますか。
 また、だれが支援講師として着任するかは入学式前に決まりますか。
 その講師が年間通して教えることができますか。
 その講師は教員免許を持っていることになっていますか。
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5. ゴールドウィンのリストラ対策につい
トヤマゴールドウィンの一五〇人にのぼる人員削減計画で、小矢部市内の働く場所がまた一段と狭くなります。
 二月一六日付「北日本新聞」はゴールドウィンの「国内生産の三割縮小」「富山の関連会社六社で一五〇人の人員削減で、人件費の6億円の圧縮」「海外生産比率を現況の55%から60%に高め、粗利益率を31%から35%に改善させる」など中期経営計画の概要を報道しました。しかしこれからは、最高裁が判例で整理解雇が可能な条件のひとつに挙げている「企業の維持・存続ができないほどの差し迫った必要性」があるとは、到底思えません。
 「希望退職」とはいうものの、現状では労働組合もなく、五〇歳以上で会社に残ることは至難のようです。市内在住の従業員の一人は次のように語っています。
 「二月二〇日で、もう、かなりの人が辞めた。三月二〇日で該当者は大体辞めると思う。仕事は忙しく、毎日残業、土曜出勤です。辞めた後はどうなることか、会社は『再就職支援室』を設けて相談に乗ってくれるようですが、やっっぱり不安です。」
 日本でリストラが横行しているのは、ヨーロッパ諸国のような解雇規制のルールがないからです。ところが政府はリストラ野放し、リストラ奨励減税まで行なっています。
 日本共産党は昨年、労働者保護と雇用の確保・拡大のための三法案を国会に提出しました。その中で「希望退職」に名を借りた退職強要をなくすために、本人同意と14日以内の同意取消権(クーリングオフ)を確立し、真に本人の意思が尊重されるようにします。また、大規模な事業所の閉鎖・移転・縮小は地域経済と自治体にも計り知れない影響を及ぼします。このような場合には、自治体への届出と協議を義務付けます。
 目先の利益だけを追求するやり方は、不況の深刻化という悪循環に陥り、また長い目で見た企業の成長にも、人材の流出、技術力や社員の士気の低下など悪影響を及ぼします。財界からも危惧の声が上がっています(奥田トヨタ会長)。零細業者は従業員の生活を思い、頑張っています。ゴールドウィンにも利潤追求にとどまらない地域経済や労働者の生活を守る社会的責任があります。
@ゴールドウィンの「希望退職」募集について、事前に会社から説明がありましたか。あったとすれば、それにどのように対応されましたか。
Aこんどのリストラについて、小矢部市はどのような対応をされたのですか。雇用の確保はどのようにすすんでいるのでしょうか。希望退職者の再就職口は確保されましたか。
Bそこで、小矢部市としても「リストラ規制条例」を制定してはどうでしょうか。
 「雇用や地域経済に重大な影響を及ぼすような工場閉鎖や、工場・事業所移転、人減らしについては、事前に自治体に計画を届け出、十分な協議・合意を図ることを企業に義務付ける」条例です。こんどの議会で議論している商工業振興条例でも、いくつかの企業進出、増設に対して、補助をする対策を打ち出していますが、それと表裏一体のものとして、「リストラ」規制条例を提案します。
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6. フロンティアパーク事業について
@企業誘致の見込みがあると考えているのか、あるとすればその根拠は。
A見込みが立つまで、関連公共事業を凍結してはどうか。



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