市議会での発言のページ
2000年12月5日

決算認定に反対討論

(1)    私は、1999年度決算のうち一般会計、国保会計、下水道会計、農業集落排水会計、水道会計の認定に反対するものです。
 その理由の第一は、これだけ地方分権が叫ばれている時代に、地方自治、住民自治の立場に立たず、国の政策に追随し、公共料金に消費税を転嫁したことです。とりわけ一般会計にかかわる公共料金、各種手数料については、小矢部市は納税の義務がありません。それにもかかわらず、消費税の上乗せをしているということは、全く国の言いなりに、地方自治体としての小矢部市の自主性を放棄するに等しいものです。
 今日、日本経済が深刻な不況に見舞われ、政府による景気回復の展望がGDPの発表のたびに「来年の春頃には」などと先送りされています。森内閣発足以来東京証券取引所の平均株価が4分の1も下がっています。株式市場も、森内閣に不信任を突きつけている様相です。これだけ不況が続くのは、自公保政権による経済政策が、日本経済の6割を占める個人消費を助ける対策をまったくとらず、その反対に医療保険の改悪や、介護保険料、利用料の徴収など、国民に負担を強いることばかりやっているからです。消費税も国民生活を圧迫しています。地方自治体として、この市民の声を国に対して、堂々と示すべきです。

(2)    第二の理由は、国民健康保険の運営に関してです。ここでも住民自治の立場を放棄しています。介護保険の実施に伴って国保税に介護保険料を上乗せして徴収することになりました。そのために、コンピューターシステムの変更が必要となり、これに980万円かかりました。この費用をだれが負担するのかが国民健康保険運営協議会で問題になり、委員の多数が、その費用は国が負担すべきだが、仮に国が負担しないなら、小矢部市の一般会計で負担すべきであり、国保加入者の医療費に回すべき国保税で負担させるのは筋違いだと主張しました。国は結局380万円しか出しませんでした。不足する600万円を一般会計で負担してこそ、国保運営協議会の意見を尊重し、住民自治を尊重したことになります。ところが反対に小矢部市は、国保会計へ繰り入れる一般会計の負担を250万円も減額しました。住民の声に全く耳を貸さないこのようなやり方を認めるわけにはいきません。

(3)    第三の理由は、市民が納めた税金を有効に活用したかという問題です。昨年度は303件の建設工事などの入札が行なわれ、その結果、設計金額に比べて実際の契約金額が1億5800万円安くなりました。このうち決算上、工事請負費で不用額として現れたのは761万9000円です。入札残のうち、道路工事にかかわるものについては、道路の新設・改良の延長を伸ばすことに使ったものは理解できますが、ハコ物を作った結果余ったお金で備品を購入し、予算を使い切ってしまうということについては、納得できません。かねてからこのことを問題にしてきましたが、最近ではこれを不用額として決算にあらわすようになりました。最近10年間の不用額の推移を見ますと、1999年度は、10年間の平均に比べて9000万円近く不用額が増えています。勝手な流用を控えたという点で、一歩前進でありますが、市民の税金を有効に活用するという立場に立てば、入札の結果不用になったことが明らかになった時点で、補正予算を組んで、市全体を見て必要な新しい事業に使うことが重要です。今後この点での改善が求められます。
 今から4年程前、食糧費や旅費、高い金利の借金の問題、そしてただいまの入札残の問題などを議会で大いに議論しました。市民グループの間からも税金の無駄遣いについて厳しい批判が湧き上がりました。その結果、食糧費については、1995年度には2800万円以上使っていたものが、昨年度は550万円へと、5分の1に削減できました。旅費についても、96年度には4200万円使っていたものが2400万円へと、半分近くにまで節約できました。金利負担についても、99年度は3億円の繰上げ償還を行い、将来にわたる利息9500万円を節約できました。この点では、行政の執行機関をチェックし、問題を正すという議会の役割が発揮されたという意味で、議会の側としても大いに確信にして良いことだと思います。

(4)    第四は、事業の有効性についての検討が必要です。決算審査の中でも第5次総合計画の中で、事業評価制度の導入を考えているということでした。この評価制度を真に有効に機能させるためにも、1999年度決算に現れた事業についても、点検が必要です。その一つが、教育長室と各小中学校を結ぶテレビ電話があります。こんどの決算でこのテレビ電話が余り活用されず、通信費で170万円の不用額が出たことが議論になりました。もっと使うように促しているようですが、余り使う必要のないものを無理に使うことがありません。それよりも、果たしてテレビ電話が必要だったのかどうか、再検討すべきです。私が先日学校を訪問して意見を伺った限りでは、コンピューターの機種が旧く、インターネットに対応していないので、この改善が必要だという意見を伺いました。

(5)    最後に、いくつかの改善点について私の意見を述べます。第一は、市営バスの運行についてです。加越能に運行を委託していますが、臨時便の運行やシルバー人材センター・生きがいセンターへバスを巡回させることなど、小矢部市の希望が十分反映できるように委託契約の見直しが必要です。
 第二は、乳幼児医療費の窓口無料化についてです。これについては、小矢部市が単独で実施に踏み切っても、県から補助金がカットされることはないということが明らかになりました。小矢部市の決断が求められる段階だということを指摘しておきたいと思います。
 第三は、住民参加で総合計画を作り上げることの重要性です。今度の総合計画については始めて公募による市民参加という形をとりました。この教訓を生かしながら、もっと市民参加の規模を広げ、街づくり、都市計画などに十分住民の意見が反映するものにすべきです。
 第四は、市債残高をすべての会計全体としては、今後5年間現在の水準を維持するという方針が決算審査の中で示されましたが、これはたいへん重要で、その堅持を強く求めたいと思います。財政再建と市民の福祉・教育の向上を両立させるためには、これ以上借金を増やさず、金利負担を抑え、入札残の活用など効率的な財政運営が欠かせません。このことを指摘して、私の討論とします。



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