市議会での発言のページ
1988年6月6日

共済掛け金問題で解明すべき二つの問題

特別委員会設置に賛成討論  これは13年前の議論です。

1988年6月6日、臨時市議会が開かれ、富山県市町村職員共済組合の掛け金を市が超過負担していたのでないかとの問題について検査する特別委員会の設置を求める議案の審議がされ、賛成9名の少数で否決されました。この間、約30分、日本共産党の砂田喜昭議員は特別委員会の設置に賛成の討論に立ちました。討論の全文を紹介します。

 

私は、共済組合の短期給付、つまり医療保険などの費用を公費で負担していたのでないかとの疑問を、特別委員会を設置して検査をすることに賛成する討論を行ないます。

マスコミなどで地方公務員等共済組合法の規定に反して短期給付の費用を市が超過負担しているのでないかとの報道がなされ、市民の疑問が生まれています。この問題を解明するために、市議会が特別委員会を設置して検査をすることは有効だろうと思います。私は、次の二つのことを解明する必要があると思いますので、こんどの議案に賛成するものです。

 

事実関係は?

 

第一の解明すべき問題は事実関係であります。地方公務員等共済組合法によれば、市当局と職員の負担割合は5対5とすることになっています。ほんとうに当局が超過負担をしていたのか?。また、それはいつからなのか?これらの事実関係について明らかにすることがまず必要であります。

 

法に照らして、是正は当然

 

当局が超過負担をしていることが明らかであれば、是正するのは当然のことであります。公務員の労働条件が法律に反しておれば、住民の理解と合意を得られるものではありません。

また、市当局にとっては、市民の貴重な税金を適正に管理運営する責任と義務があり、市民と議会に隠れて、法律に反する取り決めを労働組合との間で結ぶことが正しくないことも明確であります。

こうした立場から、責任の所在を含めて、事実関係を検討しなければなりません。

さらに、市が県の地方課にたいして、「掛け金の超過負担をしていない」との報告をしていたという報道もあるが、これは事実なのか、また、ウソの報告をしていたとすればその責任はどうかと言うことについても明らかにする必要があります。

 

問題の背景は何か?

 

第二の問題は、もし当局が超過負担をしていたとすれば、なぜそういうことになったのかという背景を明らかにすることであります。これは責任の所在を市民の前に明らかにし当面の解決を図るとともに、さらに抜本的な解決を目指す上でも重要であろうと思います。私は、問題の背景を明らかにする上で次の二つのことを解明すべきだろうと思います。

 

福利厚生事業の肩代わりではないのか?

 

第一には、公務員法第42条で自治体に義務付けられている福利厚生事業、いわゆる「元気回復事業」が適切に行なわれていたのか、共済組合にこれを肩代わりさせようとしていたのでないかという問題を解明すべきであろうと思います。

 

労使の負担割合は正当なのか?

 

第二に検討しなければならないことは、地方公務員等共済組合法で決められている当局と職員の負担割合が本当に正当で、絶対的なものなのかということです。なぜ、このことを問題にするのかというと、それは次の三つの事実を指摘すれば明らかだろうと思います。

私は、議会として、問題の抜本的な解決ということを考えるなら、法の解釈だけでなく、政治的な検討も必要であると考えます。

第一の事実は、現在の負担割合には問題があり、改善すべきだという意見が自治体当局と職員の代表の一致した意見として、すでに出されていることであります。3月1日付「富山県市町村新聞」によれば、今年開かれた富山県市町村職員共済組合第77回組合会で「短期給付掛け金率の上限の設定等にかかわる決議」が大家市長を含むすべての市町村長と職員代表の満場一致によって採択されました。これは、職員の掛け金率がある一定の水準を越えた場合、超過分を自治体で負担できるようにすべきだという内容であります。

第二は、地方公務員等共済組合法自体が、この負担割合は実情に合わない」ということを前提にしている事実です。昭和37年に施行されたこの法律は、短期給付について、附則第32条の中で、特例を認めており、それは簡単に言いますと、昭和48年3月31日までは、自治大臣の認可を受けて自治体の超過負担を認めるというものであります。つまり、この法律自体が、これを完全に実施するには10年以上も掛けないと実施できないような無理な法律だと認めていた事実です。

第三に、同じ地方公務員でありながら、自治体の超過負担を法律で保護しているところがあるという事実も指摘しなければなりません。健康保険法の適用を受けている共済組合がそれで、次の38組合もあります。指定都市職員共済組合の大部分で8組合、都市職員共済組合の大部分で29組合、市町村職員共済組合のうち大阪府市町村職員共済組合の1組合であり、これらの組合では健康保険法第75条の規定により、組合規約で決めれば自治体負担を増やすことができ、また75条の2によって、職員の掛け金率が千分の45を越えれば、その超過分を自治体負担とすることが決められております。

しかも、このことは一部の地方公務員だけに特権的な条件なのかというと、そうではありません。民間の健康保険組合では事業主負担が労働者負担より高いのが普通になっております。たとえば、北陸電力では医療保険の費用の会社側の負担割合は65.19%であります。

以上の事実から見まして、負担割合の問題も含む今後の抜本的解決の方向について、議会として政治的な検討をはじめるべきだろうと考えるものです。

 

労使のなれあいは認められない

 

もちろん、この負担割合が合理的なものでないとしても、当局と労働組合の馴れ合いによって、市民と議会に隠れて、こっそりと自治体の負担を増やすことは認められません。堂々とこの負担割合の不合理さを問題にし、地方公務員等共済組合法の改正に向けての運動を国民運動として展開すべきことは余りにも当然のことであります。

以上のように、事実関係とその背景にある問題点を十分に解明し、市民の納得の得られる合理的な解決を目指すことが市議会に求められており、そのためにも特別委員会の設置と地方自治法第98条に基づく検査が有効であることを私は強く訴えて、賛成討論とします。

 

後日談

 

この議論の後、マスコミの論調に一定の変化が見られた。1988年6月22日付北日本新聞によると、それまでの「不正だ」一本槍の論調から、「『負担軽減のためのやむを得ぬ措置』という声が関係者に多いが、違法に走る前に、なぜ改善を強くアピールしなかったのか」という論調が出てきて、私は注目したものでした。

最近、社会保障の充実で将来を安心できる社会にすることを日本共産党は提案しているが、その財源として、応能負担、大企業と高額所得者の負担による社会保障財源の確保についても、国民的討論を呼びかけている。これに触発されて13年前の議論を改めて、振り返ってみたわけです。



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