四天王の性格


 全員がやたら個性的な四天王。彼らの性格などについて考えてみましょう。セリフ等は匠同盟のOvertureを参考にさせていただきました。

 

水竜 <Shui Lung>(日本語)

 現在唯一、人間と直接関わっている四天王。

 神としてたてまつられて、いい気になっているようです。自分さえ気持ちよければヒトの善悪など関係ない、といった趣ですね。

 生娘を捧げた者に妖術を与えるのは、東洋風昔話の定番ネタです。娘は、喰うつもりでしょうか。

 娘を助けたくば、と代償の品を要求してきます。それは古い友に貸したままになっている、おそらくは彼の宝物である「雨雲の腕輪」。

 動機がわりと明確で筋が通っているように思えます。ワルですね。

 「貸したもの」を返してもらってくるだけで娘と引き換えてくれるということは、よほど手こずっているのでしょうか。

 いや、グレートピットに自分で取りに行くのが自殺行為なのでしょう(エラ呼吸?)。

 「ジュエルビーストは強い。手を出すな」という忠告もしてくれます。一度仲間と認めれば、義に厚い方なのかも。

 

アディリス <Adilis>(語源不明)

 グレートピットに隠れ棲む土の竜(もぐら?)。

 出不精なのか日光に弱いのか、外に出ることはないようです。

 借りた物を返さないのは「おまえの物は俺の物」というのではなくて、単に返しに行きたくないのでしょう。

 雨雲の腕輪の代償にすかさず「疾風の靴を借りてこい」と要求してくるのは、「物で他者と繋がっていないと不安」という深層心理のあらわれかもしれません。

 単に成金趣味の引き籠もりと言ってしまえばそれまでですが。

 イベント「涙を拭いて」では、(イベント進行にもよりますが)友の死を悼むという、きわめて人間的な思考ができることが判明します。

 実は四天王のうちで、最も心豊かでヒト(あるいは、エロール)に近い精神の持ち主なのではないでしょうか。

 

タイニィフェザー <Tiny-Feather> : ちっぽけな羽根飾り (英語)

 サルーインさえも恐れる「せきかくちばし」の持ち主。

 ときたま大空を飛び回ったりしながら、気ままに暮らしているようです。

 何の脈絡もなくプレイヤーに「火神防御輪をもらってこい」と要求してきます。理由もなく物をねだるのは誰の猿まねでしょうか。

 流砂に飲まれたタラール族のことも、しっかり見てはいるけれど別にどうするというわけでもなく。

 いまいち、何がしたいのかわかりません。鳥ですから、知能が低めなのかもしれませんね。ある意味アディリスと対照的です。

降雪さんより

ロマンシングサガ大事典のタイニィフェザーの紹介文に
「また名前の通りに、小規模ながら天候を変える力があり、幻のアイテム疾風の靴をもっている」
というものがあります。
「Feather」ではこのようには解釈できませんが、「Weather」ならば一応意味が合います。
単なるミスかもしれませんが、ひょっとしたら企画段階では「タイニィウェザー」だったのではないか、とも考えられる気がします。

 

フレイムタイラント <Flame-Tyrant> : 激情の暴君 (英語)

 いわゆる地獄(冥府)の門番。門番ゆえに自由な行動が制限されているようです。

 トマエ火山に巣くうモンスターに慕われている、あるいは畏れられているようなので、権力者であることは明らかです。

 「苦手な武器を自分で隠して、身の安全を確保する」のはともかく、それをプレイヤーに依頼するあたり、身勝手以外の何者でもないような気がします。

 あるいは、任務を任せられる有能な部下がいないとも考えられます。

 「行きたいというならべつに止めないぞ」なんて言葉は、水竜のソレとは好対照です。

 

 どうでしょう。四天王とひとくくりで呼ばれる存在でありながら、それぞれの立場や性格には驚くほどの差異があります。

 考えれば考えるほど、その不思議な魅力に取り憑かれてしまいますね。


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