マルディアス通史


 ゲーム中のストーリーをより良く理解するためには、ロマサガ1の歴史を把握しておく必要があります。今回は「神話」にあたる部分のマルディアスの歴史を整理してみたいと思います。

 

 マルディアスとは、創造神マルダーが造った世界です。

 まず、大元として「古代神の時代」がありました。

 この時代は、多くの神々と巨人族、古代人、動物などが、幸せに共生していました。

 文明も相当程度まで発展していたようで、スクウェアゲームに一般的な用語を用いれば「超古代文明」と言いあらわすことができるでしょう。

 この時期に、オールドキャッスル、凍結湖の城、伝説の湖の街などが造られたと思われます。

 

 その後、破壊の女神サイヴァが、創造神と他の神々に戦いを挑みました。これをシュウは「神々の抗争」と表記しています。

 戦いは長期にわたり、マルディアス全土をことごとく壊滅させました。サイヴァは小指からエロールを創り出し、ともに戦わせようました。しかし、小指はサイヴァの「善」の心が唯一残されていた部分だったので、エロールは善そのものの神となり、サイヴァを滅ぼしました。

 この戦いのさなか、動植物は滅び、古代人はニーサの導きで地底に逃れ、巨人族は山里に隠れ、そして多くの神々はマルディアスを見捨てて去っていきました。

 マルディアスに残ったのは、エロールとニーサだけでした。

 

 エロールとニーサは、ウコム・シリル・エリス・アムトの4神を生み、協力してマルディアスを復興させていきました。

 このとき、古代人の姿に似せて人間が創られました。動物や植物も、新たな種が創られました。善なる神々に見守られた世界は、かつての栄華を取り戻そうとしていました。

 しかし、世界には再び危機が迫っていました。先の大戦で四散したサイヴァの骨・心臓・髪から、デス・サルーイン・シェラハの三邪神が誕生したのです。

 三邪神は、亜人とモンスターの軍勢を率いて、善なる神々と人間に戦いを挑みました。

 戦いは長期にわたりました。デスとシェラハはエロールの力に屈しました。しかし、サルーインだけは戦いをやめませんでした。

 神と神との衝突によって再び世界が崩壊するのを恐れたエロールは、10種の宝石を創り出し、人間たちが選んだ、ミルザという名の英雄に授けました。それがデステニィストーンです。

 エロールはミルザに、サルーインを封じるという使命を与えました。ミルザは、神々が用意した試練をくぐり抜け、見事その使命を果たしました。ミルザはサルーインと相討ちし命を落としましたが、天界に引き上げられ神となりました。これが紀元0年、今から1000年前の出来事です。

 サルーインはイスマスの地下深くに封じられ、デスは冥府に閉じこめられました。シェラハは、ダイヤモンドの力で全ての記憶と魔力を封印され、シェリルという名の人間の女として、今でも生きています。

 

 紀元前後に存在していた神々、すなわち神々の父エロール・大地と豊穣の女神ニーサ・海神ウコム・森の女神シリル・銀色の月の女神エリス・赤い月と愛の女神アムト・戦士の神ミルザ・死者の王デス・破壊神サルーイン・闇の女王シェラハの10神は、いまでもマルディアスにおいて信仰の対象となっています。とくに三邪神を信仰する宗教は邪教と呼ばれ、警戒されています。

 

 これが、いわゆる「神話」にあたるストーリーです。次は、紀元後の人間社会の歴史を見ていくことにしましょう。

 

 公式ガイドブックなどを参考に、紀元からのながれをまとめてみましょう。

 

 紀元 銀の騎士・ミルザがサルーインを封印し、平和をもたらす。
 10年頃 ミルザの意志を受け継ぐ人々がユーエン大陸(現騎士団領・クジャラートにあたる)に入植。
 銀騎士団を創設。
 20年 アロン島のメルビル、バファルに到達。
 大規模な商船隊を組織して交易を始め、莫大な富を築く。
 43年 メルビル、自らバファル帝国を築き、皇帝に即位。
 首都をメルビルと定める。
 100年頃 バファル帝国首都メルビルに、図書館が完成。
 サンゴ海を支配し、繁栄が続く。
  地下水道の建設が進む。
 520年頃 エスタミル王国の建国。
 イーナーシーの出口にあたるボガスラル海峡に都市(南北エスタミル)が発達し、繁栄を極める。
 530年 バファル帝国、イーナーシー沿岸を征服。
 550年頃 バファル帝国、北バファル(現ローザリア)へ進出。
 600年頃 バファル帝国のローザ=ライマン、北バファル遠征での功績により、北バファルに領地を得る。
 700年頃   マラル湖畔の狩猟・遊牧民族クジャル族が統一され、クジャラート国を形成。
 タルミッタを首都とする。
北バファル・ライマン家が、有力貴族と姻戚関係を結び、勢力を拡張。
 750年頃 アロン島・リガウ島がバファル帝国の支配から離脱。
 バファル帝国の財政難が深刻化。
 852年 北バファル戦争勃発。
 北バファル貴族・ライマン家の当主ハインリヒ2世が、自治権の拡大を求め、バファル帝国に対し挙兵。
 864年 ライマン家のハインリヒ2世、ローザリアの独立を宣言。
 ハインリヒ2世は同時にローザリア王に即位。
  ローザ=ライマンの名にちなみ、国名をローザリアと定める。
 880年 ローザリア王ハインリヒ2世死亡。
 世継ぎがなかったため、王位はバーズリー家のレオポルドが受け継ぐ。
 899年 オービルの戦い。
 ローザリアの皇太子カール(後のカール1世)、バファル帝国軍に圧勝。
  バファル帝国は北バファルの領土を完全に失い、北バファル戦争が終結。
   ローザリアの独立が確定する。
 903年頃 無敵の強さを誇るクジャラート軍、南北エスタミルを占領。
 クジャラートの首都はタルミッタからエスタミルに移る。
 925年 アルツールの戦い。クジャラートがローザリア領内に侵攻。
 アルツール近くの戦場で、ローザリア王カール1世の軍がこれを撃退。
  惨敗したクジャラートは、現在の国境線まで押し戻される。
 928年 ミルザブールの戦い。
 北方への拡張をローザリアに阻まれたクジャラートが、騎士団領に侵入。
  武勇の鑑たるべき騎士団が、ローザリア・カール1世に援軍を要請するという醜態をさらす。
   カール1世が戦死する中、からくもクジャラート軍を退ける。
 930年 クジャラート、他国への侵略を事実上断念。
 クジャラートはニューロードの通行を自由化し、西部(フロンティア)の開拓に政策の重心を移す。

追加

・エスタミル王国(520〜903)は、バンパイア(紀元200年〜)に襲われ(年代不明)、アムトの神官アグネスがこれを撃退。アグネスは聖杯とともにカタコームに葬られる。

 

 ここまで見てくると、だいたいの歴史と、現在の勢力関係は把握できたかと思われます。

 なお、ゲーム内のマルディアス歴は、ガイドブックの表記から、ちょうど1000年か、または100x年と推定されます。

 しかしながら、ゲーム内のメッセージと公式ガイドブック内の表記とに、決定的に食い違う点が見つかったりもしています(笑)。

 そこらへんに関しては、また別の機会に論じてみたいと思います。


戻る