四天王編


 大全集にこうある。「四天王すべてをまわり終えれば、最終試練は目の前だ」これは大ウソ

 よくある噂「四天王イベント途中放棄でオールドキャッスル」コレも間違い

 四天王イベントを成し遂げようが放棄しようが、最後の武器イベントとは一切関係ない。だからこの一連のイベントは、余計なことを考えずにただ単純気ままに楽しんでプレイすればいいのだ。

 水竜に至るまでにどんな道筋をたどるか。アディリスのところに詩人はいるか。タイニィフェザーをたたき殺すか。フレイムタイラントにアイスソードを渡すか渡さないか。すべて好きなようにやってかまわない。

 このイベントの面白いところは、連鎖イベントでありながら、途中参加および中途放棄が自由にできること。これこそが、ロマサガ1ががウリにしているフリーシナリオの醍醐味。残念ながら、この精神はロマサガ2以降には受け継がれていない。

 

 もうひとつ言及しておこう。先に紹介したストーリーに従って行動した場合、主人公が四天王のお使いをする理由は「アフマドの娘を救うため」である。言ってみれば、たった一人の娘を救うために危険を冒して世界行脚し、その結果得られるものは「ヴェルニーの弓」たったひとつなのだ。それすらも、アフマドの依頼を受けていなければもらえない。なんてストイックな冒険者達^^;;

 このことを意識してプレイしている人は、はたしてどれほどいるのだろうか?いや、いないだろう

 これは製作者とプレイヤーの根くらべなのだ。

 行く先々で馬鹿でかいダンジョンでモンスターと戦い、目的のやつにはアゴでつかわれる。戦いを挑んでもとても倒せない。仕方なく引き受ける仕事も、無理難題である。これを4回も繰り返せば、たいていのプレイヤーは頭にくる。

 そこで、満を持してのガラハド登場である。

 辺鄙な街でアイスソードをぶら下げている大男。一度は「そう、関係ないね」とやり過ごしてすかさずセーブ。振り向きざま、「殺してでも奪い取る」。今までの四天王がとんでもなく強かったので、たいていのプレイヤーは、こいつにもきっと勝てないだろうと腹をくくる。が、なんと、バトルに突入することなく、アイスソードはあっけなく手に入ってしまう。

 これは驚きである。なんせ、あのフレイムタイラントが欲しがる名刀を持つ男をあっさりと倒して(殺して、ではない)しまったのである。これで、プレイヤーが今まで感じていたストレスは一気に吹っ飛ぶ。そして、喜び勇んでセーブする。

 ここが、製作者が仕掛けたである。あえてガラハドとのバトルを入れないことにより、彼を殺すという罪悪感をはぐらかし、あえて彼をあっさり簡単に消し去ることにより、プレイヤーに「譲ってくれ、頼む」を選ぶ隙を与えないのだ。

 アイスソードが手に入れば、あとはドミノ倒しで解決する。四天王の信頼は得られるし、アフマドにヴェルニーの弓はもらえるし、ホクホクである。プレイヤーは「やっと終わった。長かったけど楽しかった。ああ、いいことしたなぁ」と考える。

 しかし、世の中そんなに甘くない。この後プレイヤーは「あなたは今までそうとう悪い事をしてきましたね・・・」と宣告されてしまうのだ。

 「天災は、忘れた頃にやってくる」

 まさにコレ。プレイヤーの敗北。なんて刺激的なストーリー構成なんでしょう^^。


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