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FAQ
Q 電線の太さの規格でBWGというのがありますが、どのような基準できめられたものですか

A 電線、針金類の太さを表すのに使われる単位で、「番線」という言葉があります。
例えば、15番線の電線等といいますが、いわゆる線材の太さ(又は断面積)表示として Gauge Numberがよく使われます。

この分野もあまり知りませんが、電線類では一般的にはAWG(American Wire Gauge, Brown & Sharpe)が有名なようです。
BWGのフルネームは、Birmingham Wire Gauge とのことですが、Birmingham or Stubs ともいわれる規格の ようで、元々は英国のバーミンガム(近世の工業都市)で製作されていた線材の規格で、 私自身はあまり知りませんでしたが、現在でも非鉄金属の線材、つまり電線(電信線?) 等の規格として使用されていることがあるようです。

BWGを含めた各ゲージの規格表(寸法比較表)は、下記の線材(網線?)メーカのホームページに有りました。
 
Wire Gauge and Decimal Diameters of Weaving Wire (http://www.gowire.com/gaugedia.htm)
上記URLにある表の一部を抜粋したもの
Gauge Number   Washburn  & Moen British Imperial Standard (S.W.G.)   Birmingham     or Stubs American or Brown & Sharp
1 .2830" .300" .300" .2893"
2 .2625" .276" .284" .2576"
3 .2437" .252" .259" .2294"
4 .2253" .232" .238" .2043"
5 .2070" .212" .220" .1819"

ただ、この表からもわかるように、異なるGauge間も、同一のGauge内でも、不規則な値、比率となっており、 どのような基準でこれらの数値が決められたのか疑問が生じます。

ご承知のように、古来から電線(線材)は、堅い金属に穴を開けたダイスという工具を通して 引き出すことにより製作されます。

U.K. Piano Page [英国におけるピアノの歴史を記述]のホームページ (http://www.uk-piano.org/history/history_1.html)に下記の記述があります。
1844 (1884の誤りかも)
In England the imperial standard Wire Gauge was sanctioned by the board of trade. Prior to this we used the Birmingham wire gauge.
Most UK makers used Birmingham's piano wire.
This was due to Webster and Horfall of Birmingham's who in 1854 invented a means of making tempered cast steel piano wire, the Germans had done this before, with little susses.
The wire from Birmingham's factory was much stronger than the German wire.

1844(1884?)年といえば、江戸時代後期(明治20年代)ですが、ピアノ線として、その強度の強さから それまで幅広く使用されていたBWGに代わりに、新たに British Imperial Standard (S.W.G.)規格が規定(王室裁可)されたという意味でしょうか。

金属関係の歴史にお詳しい方ならご存じの事かもしれませんが、 昔からいわば手作業で製作されてきた品物の規格が、近代工業化にともない見直し・整理され、 より合理的な数値をもつ規格に改善されてきた一つの例、ということではないでしょうか。

どなたかご存じの方がおられましたら、ご教示ください。

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