2006年2月9日(木)「しんぶん赤旗」

仏全土40万人デモ 見習い期間解雇ノン
青年と主要8労組が共同


(写真)7日、パリのデモで青年雇用に関する政府提案の撤回を叫ぶ学生・高校生たち(浅田信幸撮影)

 【パリ=浅田信幸】フランス各地で七日、ドビルパン首相が推し進めようとしている青年雇用対策を「不安定雇用の拡大」だと反発し「撤回」を要求する労組、学生・高校生らの統一したデモが行われました。主催者発表によるとデモ参加者総数は全国百九十カ所近くで四十万人にのぼりました。
 仏全国学生連合(UNEF)、全国高校生連合(UNL)らの学生・高校生組織と、労働総同盟(CGT)をはじめとする主要八労組が共同で呼びかけたもの。
 パリでは四万五千人が参加し、各労組の書記長、学生・高校生組織の委員長らが、統一スローガンである「初採用契約(CPE)撤回」の横断幕を持ってデモを先導。その後に仏全学連、全高連の若者の隊列が続き、「われわれの未来を破壊する者は許さない」「ドビルパン、見習い期間は終了したぞ、クビだ」などと叫びながら元気いっぱいに行進しました。
 学生のブノア氏(25)は「みじめな給料で、正当な理由もなく解雇されるのは異常だ。若者を使い捨てにするような仕事を押し付けるのではなく、確実な雇用を生み出す経済政策が必要だ」と語っていました。
 「初採用契約」は、二十五歳以下の若者層で失業率が23%にも達する事態に対し、ドビルパン首相が打ち出した雇用政策。二十六歳以下の若者の採用を企業に促すために「見習い期間」を二年間とし、その間の解雇は自由とするものです。七日に国民議会(下院)で法案審議が行われました。
 労組や学生側は、これを「不安定雇用を制度化し、労働に関する全面的な規制緩和の突破口にしようとしている」「青年の未来を不安定労働に閉じ込めるもの」と反発。労組と学生・高校生の共闘が実現しました。
 七日付経済紙レゼコーが公表した世論調査によると、回答者の60%が政府提案を「不安定雇用を増大させる」と見ており、この日のデモを「正当性がある」と答えた人は67%の高率に達しました。


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