2005年11月10日(木)「しんぶん赤旗」

安全脅かす規制緩和
交通・運輸の労組が交流会


 全運輸、建交労、自交総連、検数労連など交通・運輸産業にかかわる公務、民間労組で構成する「交通運輸労働組合共闘会議」(交運共闘、議長・杉山忠通建交労副委員長)は八、九の両日、宮城県松島町で全国交流集会を開きました。「規制緩和 異議あり!」をスローガンに、二十三都道府県から集まった約百三十人が各地の経験を話し合いました。
 杉山氏が主催者あいさつ。交運共闘が一九九〇年に発足して以来、交通・運輸の安全を脅かす規制緩和に一貫して反対してきたことを述べ「規制緩和が進められ、陸でも空でも安全が脅かされているいまこそ、交運共闘の真価が問われている。組合の原点に立ち返った運動を」と呼びかけました。
 宮城、東京、愛知、京都、大阪の代表がそれぞれ活動を報告。「規制緩和でタクシーが増えすぎ、時給四百円という運転手もいる。国の責任を明らかにするため裁判を進めている」(宮城)、「鉄道、バス、タクシーなど総合的な交通政策の確立をめざして専門家を招いた学習会を開いている」(大阪)などの取り組みが紹介されました。
 地方レベルの交運共闘組織を全国各地でつくることが話し合われました。
 関西大の安部誠治教授(公企業論・非営利組織論)が「JR福知山線事故が問いかけるもの」と題して記念講演。事故の背景には、社員が気を抜かなければ事故は起きないという精神主義や、過度な人減らしによる技術者不足などがあったことを指摘し、悩んだときに相談できる労組の重要性を述べました。


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