2005年10月29日(土)「しんぶん赤旗」

若者に仕事を!人間らしく働きたい 青年大集会の要項決まる
“若者と雇用”で5分科会


来月13日開催 若者が仕事の悩みをもちより、解決に向けた運動を交流する「若者に仕事を!人間らしく働きたい 全国青年大集会2005」(同実行委員会主催)の要項が決まりました。集会は十一月十三日に東京都内で開催。午前の分科会と午後の集会を予定しています。企画の詳細を紹介します。
 全国青年大集会は午後二時開会。全国の運動を交流します。場所は渋谷区の恵比寿公園(恵比寿駅徒歩五分=地図参照)。午後一時半から現地で文化プレ企画(バンド演奏)。集会後、アピールウオークをします。
 【メーンスローガン】
 政府・大企業は、若者の雇用をふやし、人間らしく働けるルールを
 【サブスローガン】
 ▽長時間労働、「サービス残業」をなくし、若者の雇用をふやせ▽政府は、若者の雇用拡大のための予算を抜本的にふやせ▽医療、福祉、教育など、国民のくらしに必要な雇用をふやせ▽高校生、大学生の就職難の解決、就職活動のルールの確立、職業訓練の充実を▽フリーター、派遣、請負などの非正規と正規の「均等待遇」の実現を!

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 〈分科会「みんなが働きがいのもてる社会を」〉十三日午前十時半から午後零時半まで、五テーマに分かれて行います。
 第一分科会=「悩みのおおもとに何がある?―政治と社会を考える」大門実紀史参議院議員と語る
 第二分科会=「働くって?」「働きがいって?」みんなで一緒に考えよう
 第三分科会=職場での悩み・かえたい思い「仕事・なんでもしゃべり場」
 第四分科会=職場や社会をうごかす運動をさらに大きく!
 第五分科会=先輩たちのたたかいに学んで

 会場=第一・二分科会が渋谷区の民主青年会館(渋谷駅徒歩十五分)、第三・五分科会が文京区の全労連会館(御茶ノ水駅徒歩六分)、第四分科会が渋谷区の氷川区民会館(恵比寿駅徒歩十五分)
 翌日の十四日は国会、厚生労働省、日本経団連へ要請(午前十時、衆議院第一議員会館集合)
 実行委員会は、集会に向け、十一月四日午後五時から六時まで渋谷駅ハチ公前で宣伝します。同日午後七時から、拡大実行委員会を民主青年会館で開き、日本共産党の青年雇用政策学習会を行います。
 集会の概要やたたかいの経験は、ホームページで紹介しています。http://www.dylj.or.jp/site/special/work/051113_meeting.html
 問い合わせ=首都圏青年ユニオンTEL03(5395)5359、民青同盟TEL03(3468)5301


2005年10月29日(土)「しんぶん赤旗」

EU 国境こえる労働者
賃金・条件切り下げに反発


 欧州連合(EU)では域内を移動する労働者の賃金や労働条件をめぐる論議が広がりつつあります。昨年五月に十五カ国から二十五カ国に拡大したEUは、ヒト、モノ、資本、サービスの「移動の自由」が原則。ところが新規加盟した中東欧諸国と既加盟の経済格差は著しく、その矛盾が噴出した形です。(パリ=浅田信幸)
 「(委員の発言は)EUにおける賃金レベルを引き下げるもので、欧州委員会は新自由主義路線をとっている」―欧州議会(仏ストラスブール)で二十五日、域内市場担当マクリービー欧州委員は社会党や共産党の議員から激しく詰め寄られました。

■時給5分の1
 スウェーデンの労組を相手取ってラトビアの建設会社ラバルが欧州司法裁に提訴し、同じ問題でスウェーデンの労働裁判所がやはり同裁に裁定を求めている件で、同委員がラトビア支持の態度を表明したことがやり玉にあげられたものです。
 ラバル社は昨年秋、スウェーデンの学校建て直しの事業を落札し、五十人のラトビア人労働者を連れて仕事を開始しました。ところが賃金は時給三十五クローナ(約五百円)とスウェーデン建設労働者の五分の一でしかありませんでした。
 これにスウェーデンの建設労組が「社会的ダンピング」だと怒りを爆発させ、建設現場を実力封鎖。同国の労使団体協約にしたがった労働条件と賃金をラトビア人労働者に適用するよう迫りました。しかしラバル社はこれを拒否し、結局、今年四月には建設をあきらめて撤退しました。
 マクリービー欧州委員は「障壁を維持したり、競争は存在しないとか国境の外にとどめておくとか主張したりするのは選択肢にならない」と発言。司法裁ではラトビア支持の証言をするとのべています。
 同委員の発言が最初に飛び出した十月初め、欧州三十四カ国七十六労組六千万人の労働者を結集する欧州労連(ETUC)のモンクス書記長は、世界でも最高レベルにあるスウェーデンの社会モデルを擁護して、「欧州委員会には、域内市場の追求だけでなく、社会的対話と基本的社会権を推進するという別の義務も負っている」と同委員の発言を批判しました。

■理解どう得る
 同種の問題は他の国でも生じています。
 欧州憲法をめぐるフランスの国民投票では、フランス人より賃金の安いポーランド人の鉛管工が「仕事を奪う」と憲法反対派の一部からやり玉に挙げられました。
 ベルギーでは今月十九日、アントワープ近郊にある従業員二百人の食品工場で労働者が無期限ストに突入。原因は、五人のベルギー人労働者が解雇されると同時に、賃金が三分の二でしかない十人のポーランド人労働者が採用されたことにありました。同争議は二日後、経営者が「契約に誤りがあった」としてポーランド人労働者の採用を取り消して一応収まりました。
 これらの事例は経済格差がなければ生じない問題です。EUの拡大によってこうした事態が頻発するようだと、フランス国民投票での欧州憲法批准否決以後、各国で広がる反EU感情も強まらざるをえません。
 「歴史的偉業」とまで称されたEU拡大ですが、欧州市民の理解と支持をどう得るか―各国政府と欧州委員会に難題が突きつけられています。


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