2005年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

タクシー労働者 二審も勝訴 組合つぶし 会社に賠償命令
大阪高裁


 自交総連大阪地連(権田正良委員長)と佐野南海交通労組(堀川卓夫委員長)が、第一交通産業(本社・北九州市小倉北区)と子会社の佐野第一交通と堺第一交通を相手に、解雇撤回や地位確認、配転無効などを求めていた裁判で、大阪高裁(武田和博裁判長)は二十一日、一審判決に続いて組合側全面勝利の判決をだしました。
 判決は、組合つぶしを目的とした嫌がらせや差別、無法行為による精神的苦痛を受けた組合員の減少について、総額八千万円余の損害賠償とともに、上部組織の大阪地連にも慰謝料を支払うよう命令しました。
 勝利報告集会で、弁護団は「一審判決をすべて認めている。一審判決よりいっそう完ぺきな勝利判決だ」と報告しました。
 第一交通は二〇〇一年三月、南海電鉄グループ加盟のタクシー会社七社(車両六百台、従業員千二百人)を買収。七社のタクシー会社を子会社化し、社名を変更して組合つぶしを強行しました。
 大阪地連は、ただ一つ残った佐野南海労組とともにたたかい続け、裁判や刑事告発・告訴、労働委員会と六十二件に及ぶ係争事件が起きており、結果の出たものは組合側がすべて勝利しています。
 現在は、最高裁で地位保全・損賠事件の特別抗告裁判三件、大阪地裁で解散解雇事件など計十件が審理されています。


2005年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

クラボウ思想差別事件
検察審査会“不起訴は不当”


 繊維大手クラボウ(本社・大阪市中央区)の社員二人が日本共産党員であることを理由に差別された事件を大阪地検が不起訴処分にしたことにたいし、大阪第一検察審査会は不起訴不当の議決をし、二十一日、申立人であるこの社員らに送達しました。
 同審査会に申し立てていた社員は伊藤建夫氏(62)=今年五月退職=と宮崎周吉氏(56)。日本共産党員であることを理由に四半世紀以上にわたって昇格・昇給差別を受けてきました。
 二人の告訴を受けクラボウ本社などを強制捜査した大阪労働局は今年二月、労働基準法第三条違反(信条による差別)の疑いで同社と丹羽〓(ひろし)社長らを大阪地検に書類送検。しかし同地検が不起訴処分としたため二人は同審査会に不服申し立てをしていました。同審査会の議決は、クラボウと同社社長、前社長、人事部長が労働基準法第三条に違反して、二人に差別的な取り扱いをしたと指摘し、検察の不起訴は不当としています。
 今回の議決について、申立代理人の東中光雄弁護士は「クラボウの思想差別は労基法三条違反であると民事裁判の判決が認めていることを見ても、当然の議決です。検察は審査会の議決を受けとめてクラボウの労基法三条違反という刑事責任を厳正に追及すべきです」と話しています。


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