2005年10月19日(水)「しんぶん赤旗」
労安法改悪案が衆院通過
共産党反対
小泉内閣が提出している労働安全衛生法と労働時間短縮促進法など四改悪法案を一括した「労働安全衛生法等改正案」が十八日、衆院本会議で日本共産党以外の各党の賛成で可決され、参議院に送られました。
日本共産党は、労働者の命と健康を守る企業責任をあいまいにし、長時間労働を是正する国の責任を後退させる重大な内容を含むとして、改悪に反対し、参院での徹底審議と廃案をめざします。
労安法改悪案は、これまで過重労働防止の通達(二〇〇二年二月)で、残業が月四十五時間を超える場合か、二―六カ月間で月平均八十時間を超える場合に医師の面接指導を労働者に受けさせるよう事業主に義務づけていたものを、残業が月百時間を超え、「申し出」があった労働者に対象を限るとしています。
いまの職場状況では、労働者本人が医師の面接指導を受けたいと申し出ることは困難。労働者本人の「申し出」を条件とする法改悪は、「事業主の責任」を有名無実にするものです。
時短促進法改悪案は、欧米からの批判を受けて国際公約した「年間千八百時間」の労働時間短縮目標を取り下げ、目標を掲げない「労働時間設定改善法」へと変更。十九回も重ねた政府決定も廃止して、厚生労働大臣の指針に格下げし、「労使の自主的な努力」にゆだねようとしています。
2005年10月19日(水)「しんぶん赤旗」
法人税だけ減税のままなのは経団連会長が許さないから 「たけしのTVタックル」で討論
小池政策委員長出演
「巨大与党小泉帝国の野望 増税、年金 悪夢のシナリオ」をテーマにした十七日放映のテレビ朝日系番組「たけしのTVタックル」。日本共産党の小池晃政策委員長(参院議員)が出演し、与野党の議員らと、国の財政や年金「改革」、増税問題について議論を交わしました。
同番組ではナレーターが、「現在の増税議論で見逃されているもう一つの大きな聖域がある。それは、法人税」と強調し、日本共産党の志位和夫委員長の衆院予算委員会(九月三十日)の追及を紹介しました。
小池氏は「政府は、一九九九年度に導入された定率減税と法人税率引き下げ、高額所得者の所得税率引き下げの中で、定率減税だけ元に戻すと言った。これはどう考えてもおかしい。一番苦しい生活をしているのは庶民だ」と指摘。さらに、「(政府は)恒久的減税といってきた定率減税はやめ、IT(情報技術)投資減税とか研究開発減税とか時限措置でやってきたものをやめるとはいわない。日本経団連会長の奥田さんが続けてくれといっているからだ」と強調しました。
番組内のVTRでも、法人税が聖域なのは、「財界総理(奥田碩日本経団連会長)が(見直しを)許さないからである」とナレーターが語りました。
これに対し、レギュラー出演者の阿川佐和子氏(エッセイスト)は、「谷垣さん(財務相)の話を聞いていると、サラリーマン増税が一番手ごろで、簡単で、やりやすいという感じになる結果が見えている気がする」と発言しました。
財政問題の議論では、ナレーターが「昨年末の予算折衝で、不要との批判を浴びた関西空港の二本目の滑走路の工事が始まった」と指摘します。
小池氏は「借金が大きいだけではなくて、(小泉内閣の下でも)それが今も増えていることが問題」と強調。関西空港二期工事や八ツ場ダムなどの大型公共工事のムダをとりあげました。
「これだけ膨大な問題があるにもかかわらず『増税します』となったら、(財政問題に)メスが入らなくなる」と指摘する小池氏。これには、他の出演者も「そうそう」と相づちをうちました。
年金「改革」の議論で小池氏は、「今問題なのは、年金の土台が崩れていること。その時に厚生年金と共済年金の一元化の議論をしていても意味はない」と強調。「今、必要なのは、国民年金・基礎年金の空洞化をどうするかという議論だ」と主張しました。
小池氏の指摘にジャーナリストの岩瀬達哉氏も、「小池さんが言っていたように、今一番重要なのは、国民年金・基礎年金をきちんとすべきことだ」と応じました。
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