2005年9月17日(土)「しんぶん赤旗」

アイフル 武富士 サラ金CM中止を新聞・民放各社に要請
責任果たさねば被害拡大 対策全国会議


(写真)報道機関に対するサラ金CM、広告の中止申し入れについて会見する(右から)新里、河野、尾川の各弁護士=16日、東京都内

 報道機関が責任を果たさなければサラ金被害は拡大していく――。大手サラ金の高金利や過剰融資、違法取り立ての問題などを追及している「アイフル被害対策全国会議」(代表・河野聡弁護士)と「武富士被害対策全国会議」(代表・新里宏二弁護士)は十六日、在京の大手新聞社六社とテレビ局五社に対して、アイフルと武富士による被害を訴え、両社の広告掲載・CM放映の中止を申し入れました。
 アイフルについて報道機関に広告中止を要請するのは初めて。アイフル対策会議は同日、アイフルに違法行為や不正な契約があったとして、損害賠償などを求め、神戸簡裁と山口地裁宇部支部にそれぞれ提訴しました。
 報道機関に対する申し入れでアイフル対策会議は、アイフルについては言葉の暴力などを使った違法な取り立て、債務者の生活基盤を奪う不動産担保ローンなどの被害、トラブル相談が多数寄せられていると指摘。被害者の陳述書などを各報道機関に渡しました。
 そのうえで同対策会議は、CMなどは「チワワや人気タレントを起用し、ソフトで親しみやすいイメージを植え付けるもので、そのもくろみは成功している」と指摘。「報道機関が責任を果たさない限り、アイフルによる被害は日々拡大する」として、広告掲載やCM放映を中止し、アイフル被害という「深刻な社会問題」を大きく報道するように求めました。
 同対策会議はまた、サラ金業者の広告出稿量、広告料収入なども各報道機関に質問しました。
 武富士対策会議も同様の申し入れをしました。
 同日東京都内で記者会見した河野弁護士は「やわらかなイメージにだまされ、信用して借りてしまうことで、こんなに被害が出ていることをマスコミには知ってもらいたい」と話しました。
 尾川雅清弁護士(武富士対策会議事務局長)は「サラ金は利息制限法を超える利息をとっている。法を知って過払い金の返還を求める人には返すが、知らない人はだまして違法な高金利をとり続けている。すべてのサラ金CMの中止を求めたい」と強調しました。


2005年9月17日(土)「しんぶん赤旗」

アイフルは「5千円」返せ
神戸の生活保護受給女性が提訴


 生活保護の受給中で、弁護士と債務整理の相談中だと伝えたにもかかわらず、「アイフル」の社員から違法に五千円を取り立てられたとして、神戸市の生活保護受給者の女性(70)が十六日、同社に対して、取り立て額と同額の五千円の損害賠償を求める訴訟を神戸簡裁に起こしました。
 訴状によると、女性は友人に無断で健康保険証を使われたことがきっかけで多重債務状態に陥り、一月に弁護士会の法律相談で弁護士から自己破産をすすめられ、弁護士と再度の打ち合わせを予定していました。
 しかし、打ち合わせの三日前にアイフル社員が自宅を訪問し、「きょうは支払ってほしい」などと返済を迫りました。女性は「生活保護をもらっており、お金がない」「弁護士にお願いしている」と話しましたが、激しい口調で執拗(しつよう)に返済を迫られたため恐怖を感じ、五千円を社員に渡したといいます。
 女性側は貸金業規制法に違反する取り立てだとし、慰謝料請求は別にして、不法行為による損害への賠償を五千円だけ求めました。
 代理人の河野聡弁護士(アイフル被害対策全国会議代表)は「生活保護を受けている人に五千円がどれほど大きなお金か、アイフルに知らしめるために請求額を五千円とした」と話しています。
 アイフル広報部は「訴状が届いてなく、事実確認できないのでコメントできない」としています。


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