2005年5月21日(土)「しんぶん赤旗」

企業暴走の規制必要
参院委で井上議員 会社法案の問題点指摘


井上哲士参院議員

 会社法案の審議が十九日の参院法務委員会でおこなわれ、日本共産党の井上哲士議員は、コクド・西武鉄道の商法違反事件やカネボウの粉飾決算など企業の不祥事が続くもとで、「その暴走をチェック・規制し、株主や労働者の権利を守る仕組みをつくることこそが必要」と主張しました。
 一九九〇年代後半からの会社法制の改定は、経営者の自由を拡大する一方、経営者をチェックする仕組みづくりを怠ってきました。
 井上氏は、米国型企業統治制度を導入した二〇〇二年の商法改定の際に、資本市場監視機能や情報開示強化などの前提が欠けていることを同氏が批判したのに対し、当時の法相が米国並みの体制が整備されていると答弁していたことを指摘。「コクド・西武事件、カネボウなど不正取引や粉飾決算をなぜ見逃してきたのか」とただしました。
 南野知恵子法相は「西武・コクドの問題がチェックされなかったのは残念と思っている。適切な措置がなされることを期待したい」と答えました。
 企業のグループ化が進み、会社法案で買収・合併による組織再編をすすめる一方、置き去りにされたのが企業結合法制です。
 井上氏は、グループ内の親会社と子会社は別のものとみなされ、不祥事をおこした子会社の責任を親会社の株主が代表訴訟で追及できないなどの問題を指摘。「人格は別であっても、統一的な有機体として行動している実態に合わせた制度を考えるべきだ」と強調しました。
 法務省の寺田逸郎民事局長は企業結合法制について、「重要な課題として今後もあり方を検討していきたい」と答弁しました。


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