2006年5月3日(水)「しんぶん赤旗」

増税・改憲反対 5・27大行動へ全国から
全労連と21単産議長・委員長が呼びかけ


 全労連の熊谷金道議長と全労連に加盟する二十一単産の議長、委員長は連名で二日までに、「5・27国民大行動への全国からの大結集を呼びかける」共同アピールを発表しました。アピール(大要)は次の通りです。

 「許すな憲法改悪! 守ろう いのちとくらし みんな集まれ 5・27国民大行動」まであと一カ月と迫りました。
 現在、団体・地方は、小泉「構造改革」反対、消費税増税反対、格差社会の是正、憲法・教育基本法改悪反対などの国民共通課題にくわえ、独自の要求課題をかかげた運動を展開するとともに、「5・27国民大行動」の成功に向けた取り組みを進めています。四月二十三日の岩国・沖縄両市長選挙などでは、在日米軍基地の再編強化・恒久化に反対する断固たる審判と、小泉「構造改革」・格差社会に対する厳しい審判が示されました。
 来年は、日本国憲法制定六十周年の記念すべき年です。ところが自民・公明・民主が憲法九条を変えて日本を「戦争する国」にする突破口となる国民投票法案を今国会に提出し成立させようとしています。
 また、教育基本法を全面的に改悪して「戦争する国」への人づくりをおこなおうとしています。小泉自公政権による「構造改革」「規制緩和」路線は、社会保障の連続改悪、庶民大増税、雇用と賃金破壊をもたらし、国民の生活を根底から脅かしており、終盤国会では医療改悪、行革推進・市場化テスト、共謀罪、米軍基地再編関連法案などの悪法が目白押しです。
 私たちは今まさに日本の岐路に立っています。「5・27国民大行動」まで国会を揺るがす全国各地のたたかいを大きく広げ、国民各層の要求と怒りを総結集しましょう。
 「5・27国民大行動」を憲法改悪、庶民大増税反対のたたかいの結節点とし、その後の運動の飛躍をはかる跳躍台にしましょう。
 小泉自公政治の流れを根本から変えるために、「5・27国民大行動」へ全国津々浦々から大結集することを心から呼びかけます。


2006年5月3日(水)「しんぶん赤旗」

世界のメーデー

メキシコ 移民労働者に連帯
 【メキシコ市=松島良尚】メキシコ市中心部の憲法広場で行われた一日のメーデー集会には、全国労働者同盟(UNT)などから十数万人が集結しました。メーンスローガンは、「団結と労働組合の自治、移民の諸権利を」です。
 「移民合法化のたたかいを支援する」のプラカードをかかげていたフランコさんは、「米国の新自由主義政策にメキシコが追随しているため、国内産業が荒廃している。不法移民が増えているのはそのためだ」と述べていました。
 集会では、「不法移民のいない一日」として米国の移民労働者らがとりくんだ大規模なデモに呼応し、米製品の一日不買運動を呼びかけるプラカードも目立ちました。
 移民労働者への連帯は、ベネズエラやニカラグア、グアテマラなどのメーデー集会でも掲げられました。

フランス 不安定雇用の阻止
 【パリ=浅田信幸】フランス各地で一日、メーデー行進が行われ、全国で十万人前後(主催者発表)が参加しました。若者解雇自由法「初採用契約(CPE)」の撤回を勝ちとってから三週間、今年のメーデーは「不安定雇用の阻止」が焦点になりました。
 パリでは労働総同盟(CGT)の呼びかけるデモに全国学生連合(UNEF)、全国高校生連合(UNL)、独立民主高校生連盟(FIDL)も合流し、約三万人が参加。昨年の動員のほぼ倍にのぼり、あいにくの小雨模様のもと元気に行進しました。
 ティボーCGT書記長は「基本的な労働権に襲いかかった政府を後退させることができた。政府、経営者との議論で労働者がもっと圧力をかけられるように労組を強化しなければならない」と語り、学生団体の参加を大きな前進だと評価しました。

ドイツ 労働者の尊厳訴え
(写真)1日、張りぼての巨大人形を使いサービス業界の賃金引き上げを訴える行進参加者=ベルリン(中村美弥子撮影)

 【ベルリン=中村美弥子】メーデーの一日、ドイツ国内では約五百カ所でデモ行進が繰り広げられ、五十一万人(主催者発表)が参加しました。全国でリストラの嵐が吹き荒れ、労働条件が悪化するなか、雇用の確保、全国最低賃金制度の導入が焦点となりました。
 今年のメーデーは「労働者の尊厳」がキーワードとなりました。ドイツ労働組合総同盟(DGB)のゾンマー議長は、「企業は金もうけしか考えず、労働者の尊厳を無視している」とフォルクスワーゲン本社を抱えるボルフスブルクでの集会で訴えました。
 統一サービス産業労組(ベルディ)のビジルスク議長は「新自由主義的な政府の政策に対し、労働者が連帯してたたかおう」と訴えました。
 工場が外国企業に買収され失業する恐れがあり、工場前でピケを張っているというミカエル・パブロビッチさん(55)は「会社は利益を上げている。解雇を許さないたたかいを続けていく」と語気を強めました。大学生のシュテファン・フルーナーさん(25)は「求職者、失業者への支援を強化してほしい」と訴えました。

ロンドン 労働条件改善を
(写真)1日、ロンドン市内を行進する労働者(岡崎衆史撮影)

 【ロンドン=岡崎衆史】メーデーの一日、英国では全国から数千人の労働者がロンドン北部からトラファルガー広場まで行進しました。
 労働者は、労働組合の権限強化や十分な福祉、年金の保障とともに、「西欧で最低の労働条件の改善」を強く訴えました。
 ヨークシャーからバスで五時間かけて参加した年金生活者のジム・マーフレットさんは、「年金生活者は低い年金と高い物価のせいで、厳しい生活を強いられている」と政府を批判しました。
 二十年以上トラック運転手をしているキャリー・ロールさん(43)は、「英国の会社は、労働者をいいように使って必要がなくなると簡単に放り出します。せめて、ドイツやフランスなみの労働条件を実現させたい」と語りました。
 デモ後の集会で発言した労働組合会議(TUC)のバーバー書記長は、「(英中部)コベントリーのプジョー労働者のように、英国の労働者が欧州で最も簡単に解雇でき、最も安上がりだとみなされるような状況を許してはならない」と訴え、労働組合の権限を強化する法律の制定の必要性を訴えました。


2006年5月3日(水)「しんぶん赤旗」

若者雇用策で国民の批判 仏首相に辞任圧力
大統領選めぐる醜聞が追い打ち


 【パリ=浅田信幸】若者雇用策で国民的な批判を浴びたフランスのドビルパン首相が政治スキャンダルの追い打ちを受け窮地に陥っています。シラク大統領の名前も取りざたされ、「政権の危機」の様相を帯び始めました。

 スキャンダルの背景にあるのは、来年の大統領選に向けてライバル関係にある大統領・首相と、サルコジ内相(与党「国民運動連合」党首)の対立。国民は「骨肉の争い」の醜悪さにあきれ、首相辞任要求から大統領選の繰り上げ実施を主張する声も上がるようになっています。
 スキャンダルの発端は二〇〇四年の春、不正資金の疑惑でルクセンブルクの金融会社を捜査していた予審判事のもとに届いた二通の「密告」。その一つに、同社に秘密口座を持つ政治家としてサルコジ氏の名前がありました。密告が偽情報であったことは同年秋には判明しましたが、防ちょう機関・国土保安局(DST)に捜査を命じた当時の内相ドビルパン氏は、事実無根であったことをすぐには明らかにしませんでした。
 大統領選出馬を妨害するために仕組まれた謀略だと考えたサルコジ氏は、密告事件そのものにドビルパン氏が関与したとの疑いを抱いたといわれます。昨年五月に内相に復帰したサルコジ氏は事件の洗い直しにとりかかり、今年一月には相手不詳のまま名誉棄損で提訴しました。
 ドビルパン首相は関与を否定しています。そのさなかの四月末にルモンド紙が、密告事件の数カ月前の〇四年一月に当時外相のドビルパン氏から「大統領の指示で」サルコジ氏の捜査を命じられたというDST幹部の証言を暴露。政界を揺るがすスキャンダルに発展しました。
 大統領と首相は直ちにDST幹部の証言を強く否定する談話を発表。しかし最高権力者が政敵の失脚を狙って権力機関を利用したとの疑いは膨らむ一方です。若者雇用策の失敗で支持率急落中の大統領と首相にとって致命的な打撃となりかねない情勢です。


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