2006年4月29日(土)「しんぶん赤旗」
01年〜04年 廃業数・率とも最悪
中小企業白書
中小企業庁が二十八日発表した二〇〇五年度「中小企業の動向に関する年次報告」(〇六年版中小企業白書)によると、小泉内閣下の〇一―〇四年の間に廃業した企業数は年平均で過去最高の二十九万社に達しました。この間に開業した企業数は年平均で十六万八千社で、差し引き年に十二万二千社ずつ、三年間で三十六万社減少したことになります。
この結果、最高時の一九八六年に五百三十五万一千社あった企業は、〇四年に四百三十三万八千社へと百一万社減少。そのうち、中小企業は99%にのぼります。
〇一―〇四年には、全企業数に占める廃業企業の率は年平均で6・1%、開業率は3・5%でした。開業率の高さは経済の活性化を示すとされていますが、日本では廃業が開業を上回る状態が続いています。今回の調査で廃業と開業の差は2・6ポイントと、統計開始の一九四七年以来最大となりました。
大規模な中小企業の廃業の背景には、銀行などに不良債権処理を加速させ、大企業の海外生産移転を応援し、中小企業全般の底上げのための政策を放棄してきた小泉内閣の「構造改革」があります。
2006年4月29日(土)「しんぶん赤旗」
アイフル110番 全国から978件 “勝手に家売られた”
深夜呼び出し強引取り立て
全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会、アイフル被害対策全国会議などは二十八日、電話相談「アイフル(ライフ、シティズ)違法取り立て、不動産担保、過払い110番」を全国約三十カ所でいっせいに実施しました。違法取り立てで全店舗業務停止の行政処分を受けたサラ金大手「アイフル」による被害の実態調査、救済が目的で、各地で「不動産を担保にとられている」「児童扶養手当から払えといわれた」などの相談が相次ぎました。
相談は全国で九百七十八件にのぼりました。
東京・千代田区の「太陽の会」では、六十四件の電話を同会の相談員や司法書士が交代で受けました。
東京・杉並区の三十代男性は、父親がアイフルから不動産担保融資で借りて返済困難になったと相談。家族が心配して自宅の権利書を保管していたのに、知らない間に家を売却されたといい、「いきなり出ていけといわれた。アイフルのやり方は許せない」と訴えました。
「元夫がアイフルから不動産担保で借金したまま行方不明になった」(兵庫県の女性)、「債務整理したいが、家は手放したくない」(福岡県の三十代男性)など、多重債務の「おまとめローン」などとして同社がすすめる不動産担保ローンの相談が目立ちました。相談員は「担保があるとアイフルも強気に出たり、問題解決が難しくなる」と語ります。
「夜十一時に呼び出された」(横浜市の会社員男性)、「実家まできて、母が払わされた」(静岡県の自営業男性)など、強引な取り立ての被害も寄せられました。
太陽の会の本多良男さん(クレサラ被連協事務局長)は、「あらためて被害にはすさまじいものがあると感じた。不動産担保が多く、債務が高額になり、自宅を失うなど被害が深刻になるのが特徴的だ」と話しました。
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