2006年4月27日(木)「しんぶん赤旗」
間接差別禁止に実効性を 均等法「改正」案 限定列挙に批判次々
参考人質疑
参院厚生労働委員会は二十六日、男女雇用機会均等法(均等法)「改正」法案の参考人質疑を行いました。傍聴席は「均等法を働く女性の差別是正に役立つ実効ある法律に」と労働者や女性団体代表で埋まりました。
法案審議の焦点となっている「間接差別」の限定列挙について、「三つの限定は、結果的に、裁判や労使関係での差別限定につながっていく」(龍井葉二日本労働組合総連合会総合人権・男女平等局総合局長)、「指針で例示列挙するべきだ。それが社会的構造的差別を是正する『間接差別』禁止に妥当である」(山田省三中央大学法科大学院教授)など批判が続きました。
坂本福子弁護士は、四十六年間、女性差別を問う裁判に携わってきた体験を交え、(1)仕事と家庭の両立の明記(2)間接差別の限定列挙をやめる(3)ポジティブアクション(積極的格差是正措置)を義務規定に(4)賃金差別禁止の明記を要求しました。
とくに間接差別の限定列挙について、「均等法に限定されているから行政は間接差別として指導できないとなれば、裁判所は公序良俗違反とは判断しない。限定列挙は、はずすべきだ」と強調しました。
日本共産党の小池晃議員は、参考人の西村かつみ住友電工情報システム株式会社総務部チーフマネジャーに対し、「今度の均等法改正法案は、(間接差別禁止を定義した法律制定を求める)国連女性差別撤廃委員会の勧告にこたえるものになっているのか」と質問。西村氏は「間接差別禁止にこたえるものになっていない」と答えました。
また小池氏は、坂本氏に対し、男女同一賃金の原則を定めた労働基準法四条で、正規雇用の女性労働者と非正規雇用の女性労働者の賃金格差に対応できるのかどうかを質問。「労基法四条は使えない。だから均等法に、賃金における男女の差別禁止の条項をきちんと明記するべきだ」と答えました。
2006年4月27日(木)「しんぶん赤旗」
勇気 確信 希望 職場問題学習・交流講座討論・感想から 「報告」と参加者の思いが共鳴
結びつきは あいさつから
日本共産党が22、23の両日開いた職場問題学習・交流講座の参加者から「志位委員長の報告は、参加者の要請にピタリとこたえるもので説得力があった」「発言は壮大な人間のたたかいのドラマだ」という声があがっています。職場支部の活動を一歩でも二歩でも前進させるために、すすんだ経験を学びあい、困難をリアルに見て打開する方策を探求する目的で開かれた「講座」を、四百数十人の参加者はどう受け止めたのか。その討論と感想を紹介します。
「報告」私たちと同じ目線
党中央が県・地区と協力して全国二百七十を超える職場支部から面談、聞き取りをして準備した講座。その過程と、志位和夫委員長の報告、三十六人の発言が共鳴しあい参加者の感動をよんでいます。
「二百七十を超える聞き取り調査をおこなったうえでの志位委員長の報告はとてもリアルで説得力がありました」(岩手)、「職場支部の活動を一歩でも二歩でも前進させるという党中央の決意が伝わってくる報告だった」(兵庫)、「私たちと同じ目線で志位さんが話している感じがした」(大阪)、「待たれていた学習・交流講座だった」(労組グループ)
大阪から参加した男性は「志位委員長の報告、問題提起と全国の発言を聞き、学んで、本当に勇気と確信、“希望”をもらいました。民間大経営や公務職場、どこでもきびしい情勢。困難をみずからの力で切り開き、不屈に明るくがんばりぬいている姿に同じ党員として胸を熱くしました」、東京の男性は「全国の職場を訪ね、調査しただけのものは十分、内容に反映していると感じました。なぜなら私の職場の状況と同じだからです。全国各地の発言を聞き、この状況をなんとかしたいという思いは同じでした」という感想を寄せました。
栃木県から参加した若い女性は入党したばかりです。職場の先輩に連れられて参加しました。「志位さんのお話は、『そうだ』『そうだ』と思うことばかりでした。過密労働、低賃金、賃下げ、悪化する労働条件…。それに向かっていくことの大切さ。そのなかで、まずあいさつ、対話。学習不足の私ですが、どんなことでも話し合っていくことならできるのでは…と感じました」。未来に向かって新たな一歩を踏み出しています。
秋田県のベテラン党員は、「明日からの活動に向かう元気をいただきました。後継者づくりの問題を真剣に考え、いま一度取り組まなければならないと痛感しました。それにしても全国にこんなに奮闘している同志の方々がいるということを改めて実感し、大いに励まされました」と書きました。
成果主義と非正規 私の職場も
財界・大企業の職場支配の二つの柱、正規雇用労働者の非正規雇用労働者への大規模な置き換えと成果主義賃金。志位委員長は報告で、「財界・大企業の身勝手な雇用破壊――非正規雇用、成果主義が、国民生活のあらゆる分野に深刻な問題を引き起こしていることを社会的に広く告発し、社会的な反撃で包囲し、無法・横暴な職場支配を打開する」ことを訴えました。
討論では、こうした職場の実情や、非正規労働者にアンケートをおこない、連合系組合に待遇改善を繰り返し申し入れて、正社員への登用制度や時間給の値上げや給食費を正規と同じ値段にする要求を実現した(私鉄の職場支部)などの経験が報告されました。
参加者からは「(成果主義賃金は)数字を客観的に見せて評価していますが、やはり上司の好みが入り、具体的な成果を上げた労働者に説明ができない事態もあります」(東京)という声が各分野の職場から寄せられました。
茨城県の男性は「職場では若い人たちの間にメンタル疾患が広がり、深刻な事態となっています。志位委員長の報告の中でのメンタルヘルスの問題は、私の職場の実態そのものです。成果主義賃金制度と裁量労働のセットによるハドメのない長時間労働が半ば強制的に行われています。そのなかで多くの青年が健康を破壊され、働くことの意味さえ分からなくなっています。職場の党は小さいですが、全国の発言を参考にして奮闘する決意です」と記しました。
民間大企業の党員は「造船の現業でも二分の一から三分の一が派遣労働者の職場もあり、品質、技術の伝承の上で問題になっている。事務・技術労働者の職場では、派遣労働者は二百円近くも高い昼食代を支払わされている。非正規雇用労働者について脱法行為をやめさせ、労働条件改善に努力したい」とのべました。
「非正規労働者の問題は地域の問題でもあると思います。地域に非正規労働者が多数いるということは、その家族を含めると大変なことです。この問題を企業別にだけ考えるのではなく、地域的にも位置づけることが重要になっています」(神奈川)という感想も寄せられています。
矛盾つかめた 方向みえた
「これまでは“なかなか展望が見えない”という気分がありました。それが職場の矛盾をどうつかむかについて(1)財界・大企業が品質の劣化や事故の多発など、職場支配を自ら掘り崩す矛盾をつくっている(2)しかしそれを自ら正そうとはせず、労働法制のいっそうの改悪をねらっている(3)労働者への攻撃を後押しする自民党政治の役割がこんなに見えやすいことはない―と整理されることによって、職場支部のとりくみを中心に、社会的連帯の力で立ち向かう必要性と可能性が明らかになったと思います」
こう書いたのは新潟県から参加した男性です。志位委員長が報告で、職場の矛盾をとらえる際に重要だと指摘した三つの観点に共感し、たたかいの展望が見えたという確信が多数寄せられています。
「職場のなかでは民間であれ公務であれ、厳しくなっているが、要求が切実になっている。志位委員長が分析されたように相手側の矛盾でもあることがつかめた。職場での党組織が、そうした相手側の矛盾と労働者の変化を的確につかんで対応すれば前進が可能との確信もつかめた」(大阪)、「職場の矛盾をどうつかむかについて三つの観点でとらえることが強調されましたが、まさにこの観点で財界と自民党政治のねらい、役割をとらえ、職場を変えるためにも党を大きくする、政治を変えることが大切ということを語っていきたい」(神奈川)、「この矛盾を解決する力は財界・大企業にはない。労働者の団結、国民の社会的連帯だということ。そのためにも本当に大きな党を職場に建設していくことが求められている」(中央グループ)
埼玉県の男性は、財界の攻撃が自らの職場支配を掘り崩す矛盾もつくりだしていることについて「たびかさなる重大事故や品質の劣化、就学援助率の増加、実務で忙殺されて子どもたちに手がまわらない教育現場、自殺、メンタルヘルスの問題など、あらためてその事実の多さに驚いている。多くの発言からいくつかの方向性も見えてきた」として、労働者の身近な要求を取り上げて実現のために奮闘する決意をのべました。
公務員攻撃 住民とともに反撃
公務員への攻撃や公務労働に成果主義の導入が強められていることについて、志位委員長は「成果主義が、いかに住民サービス切り捨てと結びつき、『全体の奉仕者』としての仕事を否定するものであるか、学校の職場では、成果主義が、いかに一人ひとりの子どもの成長に目をむけた教師の仕事をねじまげるかを告発し、『よい仕事がしたい』という要求に依拠したたたかいをすすめる」ことをよびかけました。
静岡県の男性は「イデオロギー攻撃のなかで半ばあきらめかける気分もありましたが、一つ一つの問題に系統的に反論していくことが重要だと思いました」と書きました。兵庫県で中学三年生の四十人近い学級の担任をしている男性は「困難を個々の教員の力量の問題としてすりかえる行政のやり方が許せません。良い教育をするために教育条件を大きく改善し、教員の多忙や健康問題を、組合レベルだけでなく議会でもとりあげ、大きな社会問題としていく方向がみえてきた」と展望を記しました。
討論で自治体職場の代表が「住民が主人公となる運動こそ反撃の主体。住民に実態を知らせ、住民が怒り、それを組織することが大切だ」と発言したことは、「公務員攻撃とどうたたかっていくかについて、一番共感できたのは住民と一緒にたたかっていくということです」(大阪)、「自治体職場からの、『住民に行政の問題を知らせ、住民運動で問題を解決していく』という発言は参考になりました」(愛知)と反響をよんでいます。
大阪府の男性は「学童保育廃止反対のたたかいを住民とともにとりくみ、公立廃止になったが、労働者を削減させず、内容は今までを維持する成果を勝ち取った。そのたたかいの中心に党支部があった。たたかった支部で確信も広がり、二人の青年党員を迎えた」経験を寄せました。
教育基本法改悪を許さないたたかいを急速に強めようとの志位委員長のよびかけにこたえて、教育関係職場の代表は、「愛国心問題にかかわって戦争に反対する国づくりだけを訴えていては共感が得られないと悩み、工夫してきた。真の愛国心問題を語ることで国民に共感と支持が得られると思う」と発言。新潟県の教員は「教基法改悪の上程反対や公務員攻撃、評価制度、学力テスト問題など、『違い』を超えていかに大きな運動にしていくか…子どもや親、地域にすてきな教育をしていくという観点が大切だと実感した」という決意を表明しました。
「政策と計画」 これならできる
「『政策と計画』という場合、それを難しく考えないことが大切です。その土台は、労働者と日常的に結びつき、人間と人間との信頼関係をつくることにあります」「一つは、出発点はあいさつから、ということであります」との志位委員長の提起に共感の声が相次ぎました。
島根県からの参加者は「まさか志位委員長の報告の中に『出発点はあいさつから』なんてことが出てくるとは思いませんでしたが、そういう現場の視点をとらえられることがこの党のすばらしさだと実感しました」と感想を書いています。
そして、「『政策と計画』では、日常的にあいさつから始めて、人間的に信頼関係をつくることからということなので、それだったら何かやれそうな気がしました」(徳島)など、「これならできる」「ここからまず始めてみよう」という感想が多くの参加者から出されました。
人間的結びつきという観点からこれまでの自分たちの活動を見直す感想もありました。長野県の参加者は「労働者と結びつき、日常的に信頼関係を築く、これが党活動の根本であるとの指摘を改めてかみしめている。日常の活動の忙しさを理由に、当面の課題をこなすだけできゅうきゅうとしている現状を反省している。一刻も早く支部の同志と話し合い、職場労働者の悩みに応えていきたい」と決意を書いています。
また、志位委員長の「労働者のすべての生活にわたってつきあう」「党員の苦しみは、労働者みんなの苦しみでもある。ここに党員と労働者との結びつきの基礎があるし、団結の土台がある」との提起に、「毎日へとへとでしたが、ああ、自分がしていることは大変でつかれちゃってもいるけど、正しいことしてるんだな、がんばろうと前向きになれました」(神奈川)との声が寄せられました。
多くの参加者が「政策と計画」づくりに新たな意欲を語っています。「『政策と計画』という言葉自体を大変難しい重いことと受けとめていました。結びつきを広め深め、要求・願いから出発し、組織していくこと、そのことは日常的に可能なことかなと考えるようになりました」(千葉)
後継者づくりのヒントつかんだ
ここ数年の間に「団塊の世代」が大量に退職し、職場の党支部を継承・発展させることが大切な課題になるなかで、どうやって後継者をつくるか、報告を受けて真剣な討論が交わされました。
「何としても後継者をつくろうという気概がふつふつと伝わってきました。職場の中には非正規労働者もどんどん増えています。この若い労働者と、知恵を出し合って何とか対話を進めたいと思います」(京都)、「私たちの党がこれまで頑張ってきたことが無駄ではなかった。このことを全国の活動の教訓を聞いて確信しています。青年の心をつかめば展望は開ける。とことん青年と労働者といっしょに力を合わせる関係づくりを進めたい」(千葉)
青年にどう接近し、どう結びつくか。全国の豊かな経験を聞いてヒントがつかめたとの声が出されました。大阪府からの参加者は「『青年には自分の子どものように接する』との話もありましたが、私たちも『決して押しつけず、よく話を聞き相談しながら共に考える』姿勢を堅持しながら大きく飛躍していきたい」とのべています。
党員拡大へのためらいのなかに「こんな苦労は味わわせたくない」という声があることについて、志位委員長が「やはり、自らの日本共産党員としての苦労に誇りをもち日本共産党員としての生き方を正面から語る――労働者党員魂を語るということです」と提起したことに共感が寄せられました。
「『(職場で自分たちが味わった)同じ差別をされるとかわいそう』論は、入党を訴える相手に対して失礼ではないかと思うようになりました。差別を受けたとしても、共産党員であって本当によかったと思います。入党を決意した当時の私と同じ若い労働者はいるはずです」(福岡)
あらゆる労働者のなかに党が根を下ろす問題で、討論では職場新聞の発行の経験が各地から紹介されました。神奈川県の参加者は「特に職場新聞を出すには、職場の生の声を聞く、労働者訪問をする、要求を足で聞く、ここが大切だ、足をまずここから出すことを学んだ。支部ですぐにスタートしたい」と決意を書きました。
会議と学習、ひざ打つ思い
自民党政治の政治悪と資本による職場支配という二重の困難のなかに置かれた職場支部でこそ、綱領学習と支部会議が困難打開のカギ―。志位委員長のこの提起にかみあって、討論では苦労しながらも支部会議、学習会の開催に努力している経験が語られました。
「正直に申し上げて、どのような議論・討論になるのかよく分からなくて、あまり期待もしていませんでした。しかし、『資本論、綱領の学習講座二十三回』『職場新聞三千部を宅配』をはじめあっと驚くような活動を知り、なるほどとひざを打つ思いでした」(労組グループ)
岩手県からの参加者は「自覚的に生き生きと活動している支部、職場の問題解決のために一緒にたたかい前進を勝ち取った支部などに共通していることは、週一回の支部会議が軸になっていて、職場の状況をリアルに出し合い、学習を重ね、確信をもって活動していることを感じました」。
石川県の参加者は「職場支部でこそ、週一回の支部会議を重視して、学習の努力をしていることが大事だと思いました。石川でも困難に直面している支部の多くはここが崩れています」と記しています。
「自分の支部だけが困難な状況にあり、特殊な支部であると考えていた」という静岡の参加者は「志位委員長の報告や各支部の発言で、自分たちだけが特別な存在ではないこと、困難な状況にあるが、党の役割と今後どうするかを真正面からとらえているかが、現状を打開できるかどうかの分かれ道であることが分かった。まず、支部会議を開くことから始めよう」と決意を新たにしています。
職場の党員に敬意をもって
「会社側の攻撃と労働条件の悪化のなかで、不屈に奮闘する職場の党員に、本当に敬意を表して接していたかを振り返っています。私自身、苦労に心を寄せて接する認識が薄かったと反省しています」(岩手)
志位委員長は、職場支部にたいする機関の指導と援助の基本姿勢について、(1)職場の同志に敬意をもって接する(2)長期の目で職場支部を強める手だてをとる(3)機関として支部の活動を励ます独自のとりくみを行う――の三点を強調しました。この指摘が、参加した職場援助委員会のメンバーや機関役員の胸に響いています。
「党機関の基本姿勢としての三点を肝に銘じなければならない。困難な職場で懸命に奮闘する支部や党員の姿にふれ、心から敬意をもって接し、実情を謙虚に学ぶこと、長期の目で援助することを、機関全体の精神にしなければと痛感した」(兵庫)、「党勢拡大で成果を上げるところには親身に援助するが、そうでない職場支部には指導しないという悪習を打破する必要がある。役に立つかどうかを基準にした支部への対応を刷新する必要がある。『政策と計画』をもった支部が自覚的活動をすすめていることが発言で示されたが、この点を職場対策の中心においた援助ができるように努力したい」(大阪)という感想も寄せられました。
こうした援助を系統的にすすめるための党機関の体制強化についても、報告と討論に刺激を受けたという声が出されていることも特徴です。
東京都の地区役員は、埼玉県の代表が、(1)電話では援助できない(2)支部との約束は守る(3)即効果を求めない(4)来年の選挙戦に向けて指導・援助の“中断”を絶対しない、と発言したことに「共感した」と感想を書き、「指導の“中断”は、職場問題の位置づけにかかわる。志位委員長が強調した『日本の未来がかかった』問題という点を堅持して頑張りたい」と決意を寄せました。
「機関の本気が試されるのは、中断しないことだと痛感した。並大抵の努力ではだめだと思うが、職場の党員に心を寄せ、ともに考え、ともに前進する立場で援助を強めたい」(鹿児島)、「選挙を一年前にして、このままでは職場対策が後景に追いやられかねないが、いま手を打てば来春にも間に合う可能性はある。“日本と党の前途”をかけ、全力で頑張りたい」(宮城)という感想もありました。
不屈の姿 党員魂揺さぶられた
志位委員長の報告で明らかになった、日本の前途をも危うくする職場の深刻な現状。発言では、こうした事態の悪化に思いを寄せ、少しでも働きやすい職場をめざし、不屈にたたかう党支部の姿がリアルに示されました。
三重県の男性は、そのことに何よりも感激させられ、「党員自身が苦しみ、つらさに直面しながらも、困難に屈せず活動する姿に励まされる思いであり、自分も頑張らねばとあらためて考えさせられました」と決意を新たにしています。
苦難に立ち向かう党支部の姿が、参加者の胸を打ち、勇気を与えています。教員の党員は、「困難ななか一歩でも二歩でも職場の要求を実現させ、苦難を打開しようという姿に、たくさんのエネルギーをもらいました。疲れが吹っ飛びました」と書き、「ややもすると展望の見えない状況が続いていた」という福島県の男性も、発言に触発され、「福島でもこういう議論をして、少しずつでも変えていこうという思いにかられました」と感想を寄せました。
京都府の女性は、支部会議や学習が定着せず、悩んでいたなかでの参加でした。ところが、発言に元気をもらい、確信も出ました。女性は、二日間の日程を終え、感想文にこう記しました。「労働者党員としての深いところを揺さぶられたというか、引き出してもらった。職場の厳しさ、党活動の困難さにたじろぐこともありましたが、創意工夫し、奮闘したい」
この思いは、若い世代の労働者党員にも伝わりました。岩手県から参加した二十五歳の女性は、こう書きました。「雇用と労働条件がこれまでにないほど破壊され、労働者がバラバラにさせられようとしているなかで、党員が、労働者の身近な相談相手になり、温かい人間関係を築こうとしている。日本共産党の党員でよかったと誇りと自信が持てました」
背筋ピンとさせられた 闘病生活のなか支部を援助 岡本さんの発言に反響
「背筋をピンとさせる」「深く感銘しました。これを忘れずに頑張ります」。参加者からそんな感想が寄せられた発言がありました。埼玉県の職場支部援助委員会で活動する岡本佐一さんの発言です。
岡本さんは大病を患うなかで、「死ぬまでにどう生きるか」と考えるに至り、枯れかかった庭の草木をいとおしみ、それでも水をやり、育てようとするようになったことを紹介。同じ思いで、「なんで二、三年前に来てくれなかったんだ」という職場支部の思いに応え、闘病生活を続けながら、困った支部に手を差し伸べる努力をすすめているとのべました。
「心から拍手を送り、敬意を表したい。岡本さんの粘り強い、誠意と気概に満ちた活動と報告は、全党の心を揺さぶるものだった」と感想を寄せたのは山口県の党員。労組グループの党員は、「病気とたたかいながら、援助委員会など献身的に活動していることに、背筋をピンとさせられ、感動した。機関の援助も『支部が主役』が貫かれていることに共感した」と感想文に書きました。
うちの母さん元気になった
福岡で25日に開いた地区委員長会議では、こんな報告がありました。
職場問題学習・交流講座に参加した50代の保育士が、東京から帰ってきて、駅に迎えにいった息子(28)に「いろんな人の話をきいて4回泣いた」と感激を打ち明けたというのです。
30年仕事をしながら、活動にも頑張ってきたお母さんです。地区委員会で働き始めた息子さんは元気になった母親の姿に「糧になったみたいです。お母さん、これから頑張ると思うよ」と地区委員長に話しました。
宿舎でも真剣議論
一泊二日となった職場問題学習・交流講座。宿舎での夜の交流会も熱を帯びたものになり真剣な議論があちこちでおこなわれました。
京都府から参加した人たちの交流会では「これだけ集中して職場支部問題を議題とした党会議は初めて。画期的だ」「報告を聞いて自分のやってきたこと、やっていることに確信をもった」「この間、惰性のようにやってきたが、会議に参加して、もう一度えりをただしてがんばらなあかんと思った」という声がだされました。
議論に加わった京都府委員会の役員は、「この会議を職場支部の活動の前進をかちとる一つの転機にしなければと痛感した」と話しています。
朝5時まで発言を準備
講座は、三十六人の発言に加えて三十一人の文書発言があり、講座が終わった翌日、党本部にメールで文書発言をよせた参加者もいました。
発言した党員も、できなかった党員も、職場の実態や直面している課題、資本や当局の横暴と日本共産党員らしい不屈性を発揮している仲間たちの姿を思い浮かべ、真剣に討論にのぞみました。
朝五時までかけて発言を準備した東京の参加者は、「活動の水準が全国の頑張りと比べて、まだまだなので、さらに頑張り、必ず党を大きくしたいと決意しています」とのべました。
「大変、勇気とたくさんの全国の職場支部の経験と教訓をいただきました」というのは発言にたった群馬県の職場支部の党員。「発言させていただきありがとうございました。こんな舞台にたつのは初めての経験で大変緊張いたしました。発言は二日間、夜遅くまで準備しました」と感想文に記していました。
2006年4月27日(木)「しんぶん赤旗」
職場問題学習・交流講座
志位委員長のまとめ
(写真)討論のまとめをする志位和夫委員長=23日
みなさん、二日間にわたる講座、ごくろうさまでした。
二日間で三十六人の同志が発言しました。感動的で豊かな教訓があふれるように語られた交流になりました。発言のすべてが教訓的なものでありました。その内容と感動について、しかるべき形で全党に伝えるようにしたいと思います。
発言を希望しながら、時間の関係で発言できなかった同志も、発言文書を準備された方は、私たちのところにお寄せいただくことをお願いします。よく読ませてもらい、今後のとりくみに生かしていきたいと思います。
この講座は、お互いに学びあうことを目的にした講座です。そこで、最後に私は、中央として、みなさんの発言から学んだことを、いくつかのべたいと思います。
労働者・国民の利益の守り手としてたたかう不屈性
第一に、すべての発言に共通していたのは、どんな困難ななかでも労働者・国民の利益の守り手としてたたかう不屈性――不屈な姿だったと思います。
日本共産党は、立党の精神を、そのときどきの国民の苦難を軽減することにおいています。この立党の精神が、職場支部と労働者党員のなかに脈々と流れている。このことが確認された講座となったのではないでしょうか。
大リストラで労働者がはるか離れた二つの職場に分散して、移動させられた。しかし、移動先となった二つの職場のそれぞれに党支部をつくり、新しい職場の要求をとらえ、未組織労働者を結集し、読者を増やしているとりくみが、報告されました。どこに行っても日本共産党員であることには変わりがない。その不屈の奮闘が伝わってくる発言でした。
九州から参加した青年労働者の同志は、会社の清算・解散によって不当解雇された若者たちが、自ら解雇撤回をもとめて立ち上がり、「若者が未来に希望を持てる世の中にするためにも、勝利までがんばりぬく」という決意をのべました。
競争と管理の教育がおしつけられ、教育現場に大きな困難がおしつけられるもとで、その現状打開のために苦闘しながら、子どもたちの成長のために必死になってがんばりぬく姿が、報告されました。発達障害の子どもが、不安定な状態になったとき、「オレはどうせ不良品だ」という子どもを、抱きしめながら、「違うよ、君はすごくいい子だよ」といって心をよせ、守り抜く姿をつたえた発言は、胸をうちました。
報告では、教育基本法改悪の重大な問題点を告発しましたが、教育基本法第一〇条は、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである」とあります。「直接に責任を負つて」というのは、たとえそのときどきの政治がどんなに悪かろうと、教育という仕事は人間対人間の仕事であって、教師は子どもと国民に「直接に責任を負つて」いるということです。どんなに困難な条件であっても、「不当な支配に服することなく」、子どもを守ってがんばるのが教育基本法第一〇条の精神だと思います。それをまさに体現した日本共産党員ならではの不屈の奮闘だと、私は感動を持って聞きました。
自らの知恵と力で前途を切り開く自発性と創意性
第二に、私たちが学んだのは、職場支部のみなさんが、自らの知恵と力で前途を切り開こうという自発性と創意性を発揮して、困難に立ち向かっている姿であります。
労働者へのリストラ攻撃は、労働法制の規制緩和などによって直接に働くルールを壊すとともに、会社分割とか企業譲渡など企業の経営形態を変えることによってリストラを促進するという、二重の手口ですすめられています。たいへんな悪巧みを発揮した攻撃がくわえられています。ですから、これをあばき、労働者のたたかいを組織するには知恵がいります。この知恵が発揮されています。
たとえば経営統合というやり方で大リストラがすすめられた職場支部では、職場新聞で「企業危機」といわれるけどそれは違う、会社がつぶれる心配はないと、リストラの不当性を広く告発した。このたたかいで、職場の世論を変えていった。結果としてリストラ攻撃は強行されたけれども、労働者のなかで党の信頼はおおいに高まり、党建設もすすんだという経験でありました。資本がかけてくる複雑な労働者に対する攻撃にたいして、自らの知恵と力によって立ち向かっている姿に感銘をうけました。
ある企業では、整理回収機構(RCC)のもとに入ったことを理由に、大リストラ案を強行してくる。会社は、「RCCの合理化案だからもうだめだ」と、あきらめの気分を流してくる。それにたいして、RCCは合理化案を出すところではなく、実態は銀行がつくったものだったことを職場新聞で明らかにしていったところ、労働者が真実を知って、「反共の壁」が崩れた。党の信頼が高まり、読者も増えたという報告がありました。
発言のすべてがそういう精神にたっていたと思いますが、自らの知恵と力で、攻撃に立ち向かい前途を開いている、ここに感銘をうけました。そして私は、それを聞いて、ほんらい日本共産党の活動というのは、こういうものだと痛感しました。
わが党の活動は、もちろん党綱領、大会決定、中央委員会決定、こういうみんなでつくりあげる基本の方針のもとに、団結しすすめるわけですが、それぞれの支部が自ら責任を負うところで直面している課題は、自らの知恵と力で打開する、支部の自発性と創意性をおおいに発揮しながら突破していく、これが基本なのです。もちろん党機関の指導と援助は大切であります。しかし、機関にいわれようと、いわれまいと、支部というものは、自分の知恵と力で困難を打開し、前途を切り開いていく。日本共産党というのは、ほんらいそういう党だと思います。そういう支部のとりくみに、心をよせて援助するのが党機関の役割だと思います。
労働者との人間的な結びつき、つきあいこそ、あらゆる活動の土台
第三に、労働者との人間的な結びつき、日常のつきあいから出発し、要求に心をよせるということが、あらゆる活動を前進させる土台だということも、討論を通じておおいに深められたと感じました。
医療関係の支部の支部長は、「ここに来るまでは『政策と計画』を難しく、面倒くさいことだと思っていました。しかし報告で『政策と計画』について、『労働者と日常的に結びつき、人間的信頼関係をつくること』というのを聞き、それなら支部でやってきたことだと理解できました」とのべ、職場でのさまざまな要求実現の活動を紹介したあと、「『政策と計画』とはいま私が発言したことをまとめて、後継者づくりなどを明らかにし、みんなで活動することなんですね。それでいいですか」と発言しました。もちろん、それで立派な「政策と計画」になると思います。
職場の労働者と結びつき、その要求に心をよせて活動している支部は、「政策と計画」と銘うってなくても、その要素となる活動に多面的にとりくんでいます。それをまとめあげ、自覚化することが、「政策と計画」をつくることであります。
関西の郵政職場の代表は、非正規雇用の青年たちを結集し、職場支部が元気になっているという経験を発言しました。印象的だったのは、花見、焼き肉、なべ会、あらゆるつきあいで人間と人間の信頼をつくる活動とともに、「私は、困ったことがあったら何でも相談にのりますといっている。私の後ろには共産党がついており、全労連がついている。すべて解決できるわけではないが、相談にはのれる」という精神で、青年のあらゆる悩み、あらゆる相談に心をよせ、耳を傾け、結びつきを広げているということでした。
関西の民間大企業でがんばる職場支部の同志からは、新婦人、後援会、読者会など、いろいろな形態での民主的団体や組織に参加し、ありとあらゆる要求をくみあげ、要求を接点にして結びつきを広げる。それを生かして党づくりを前進させ、職場の女性を広く結集した運動を発展させている姿が語られました。
労働者との日常的なつきあいと結びつき――これこそが党活動発展の土台だということを、討論をつうじて、あらためて学ぶことができました。
労働者の要求にもとづくたたかい――報告が討論で深められた
第四に、今日の労働者の深刻な状態悪化をどう打開するのかという問題です。
報告では非正規雇用労働者の問題、成果主義賃金の問題、公務員攻撃の問題などのそれぞれについて、どうやって労働者の要求実現のたたかいを前進させていくかについて、全国のみなさんの経験にも学びながらいくつかの点を話しましたが、討論ではそれがさらに深められたと思います。
非正規労働者の悩みと要求に心をよせて
まず、非正規雇用の労働者の結集の問題ですが、討論では、正規雇用の労働者が、非正規雇用の労働者に心をよせ、その苦しみを自分の苦しみとして、多面的な要求にこたえてともに奮闘する――労働者同士の連帯の温かい気持ち、心が通いあうとりくみが、全国で展開されていることが報告されました。
教職員の現場からは、臨時教職員の問題が語られました。同じ教員なのに画然と差別がつけられている。身分がきわめて不安定になっている。教師の集団になかなか入れない。そういう状況にさいして、「教育に臨時はない」ということを合言葉にして、臨時教職員の悩みに心をよせ、差別待遇の改善をかちとった経験が語られました。
関西の大企業の職場支部からは、要求アンケートがひじょうに力になっていることも報告されました。非正規雇用の労働者にアンケートをとると、「身分を安定させてほしい」、「給食費をきちんと出してほしい」、「厚生施設を使わせてほしい」など、リアルな要求がどんどん返ってくる。それを手がかりにしながらともにたたかいをすすめ、給食費の支給を実現させたという報告でした。
発言では、非正規雇用の労働者の劣悪な労働条件をまぢかにみて、同じ労働者として「何とかしたい」という痛切な思いをいだいて、ともにたたかう姿が語られました。職場支部に属している同志は、正規雇用の労働者が多いと思いますが、正規雇用の労働者の側から、非正規雇用の労働者に心をよせる、まさに「すべての労働者階級は団結しよう」の精神で、その苦しみをわが苦しみとして受け止めて、ともに労働条件の改善をかちとる。これは日本共産党の職場支部ならではのすばらしい活動だと思います。
成果主義管理とのたたかい――要求から出発して
報告では、成果主義の職場支配にたいしてどうたたかうかという問題を提起いたしました。討論のなかでは、この労務管理のもたらす矛盾、そこから生まれる要求から出発して、これに立ち向かうことの重要性がうきぼりになったと思います。
ここでも職場アンケートが力を発揮しているとのことでした。関東の医療関係の支部の代表は、成果主義の賃金体系が入れられたもとで、職場アンケートをとってみたところ、「仕事をやめたい」という労働者がうんとひろがっていた。さらに要求の中身を聞くと、「忙しすぎる」、「精神的・肉体的な疲労がひどい」、「健康が不安だ」などと、つぎつぎと具体的な不満が返ってきた。その不満と要求を接点に結びつきを広げ、若い看護師さんが入党したという話も報告されました。
ある職場支部の代表の発言では、この成果主義賃金の導入にたいして、この問題を「考える会」を職場でたちあげた。賃金がどれくらい下がるかという資料もつくって職場でおおいに議論をおこしたとのことでした。大幅な賃下げが強行されたが、このたたかいで職場の労働者の信頼を高め、十数年ぶりに新しい党員を迎えたとのことでした。
非正規雇用への置き換えにせよ、成果主義賃金の導入にせよ、相手は財界・大企業ですから、そう簡単にたたかいに勝てるものではありません。強行されることが多いというのが現状でしょう。しかし、労働者の要求、正義の旗をかかげてたたかった場合には、必ず党の信頼がたかまり、党を強く大きくしていく道が開けます。そのことが討論をつうじて明らかになったと思います。
職場で変化が――財界による労働者支配が揺らぎつつある
そして、私が、二日間の討論を聞いて感じたのは、いま職場が、非正規雇用労働者の急増、成果主義管理のおしつけという、二つの矛盾を根源にしながら、変わりはじめているということでした。「職場で変化が生まれはじめている」ということを、何人もの同志が発言されたのを、私は、ひじょうに印象深く聞きました。
製造業の大企業のある職場で、青年が自殺未遂をするという事件がおこった、これを機に職場が大きく変わり始めたという発言は印象的でした。自殺未遂をして会社を休む青年のもとに、仲間の青年たちがたずね、悩みを聞き、食事をともにするなかで笑顔が戻ってきた。これをきっかけにして、生きがい、自分たちの将来のことについて、思いを語る雰囲気が生まれた。こうして「雇用形態の枠をこえて連帯の輪が広がりつつある」との発言でありました。成果主義についても正面から話し合ってみたら、「頑張れば報われるというが、頑張れば体を壊すし、病気になるだけだ、もう十分頑張っている、会社のいいなりになる人生はもういやだ」という声が返ってきたとのことでした。
金融関係の大企業のある職場からは、この企業の組合が、ベースアップを要求しない。「ベア要求ゼロでいいのか」が職場の分会で問題になり、大多数が反対に手をあげて否決されるという事態もあったとの発言がありました。
いま空前のもうけをあげている大企業の中枢部で、この職場支配に反対する声があがっている。財界・大企業の中枢部で、労働者支配が揺らぎつつある。このことが、討論のなかで確認されたのは、非常に重要なことだと思います。
公務員攻撃――「住民が主人公」のたたかいをともに
報告では、公務員攻撃について、住民とともに打ち破ろうということをのべました。討論では、それをさらに深める発言がされました。
ある自治体職場の代表は、住民との共同で保育園の民営化などとたたかっていることを紹介し、「住民が主体になることが有効なたたかいになる。住民に知らせ、住民が自ら立ち上がる、そのたたかいに専門性を生かして参加して、前進させることが勝利のカギだ」と発言しました。私は、ほんとうにその通りと、ひざを打って聞きました。まさに「住民こそ主人公」という立場で、公務員攻撃をはね返そうという大事な基本姿勢がのべられたと思います。
職場における党建設――豊かな経験、教訓が語られた
第五に、党建設の問題でも、後継者づくり、党員拡大をどうすすめるのか、読者拡大をどうすすめるのかなどについて、創意的で教訓にとんだ発言が続きました。
発言からいろいろ感じましたが、「何としても増やす」という意識的な追求がやはり大事だということがはっきりしたと思います。ある同志は、「党勢拡大を握りつぶさず、握って離さないようにしよう」と言いました。ついつい大事だと思っても、「握りつぶし」てしまう――棚上げにしてしまうという傾向が生まれがちなのですけれども、その傾向とたたかって、「握って離さず」という意識性から始まるのだと思います。
いま一つ、党勢を拡大する場合には、ふやす側も、相手の側も、党に入る、あるいは読者になってもらうことも、一つひとつのなかに踏み切り、飛躍がそこにあるわけです。この踏み切りの重要性ということも発言の中で語られたのではないでしょうか。
自治体党組織から、半年間で十八人に働きかけて、四人を党に迎えた経験が報告されました。そのきっかけになったのは、たいへんまじめで党を信頼してくれていた研究者に思い切って入党を働きかけたところ、二つ返事で決意してくれた。この経験は、いかに対象者をせまく考えていたかを証明することになった。これがきっかけとなって、「内なる壁」が打破されて、つぎつぎと党員を増やしてきたという経験でした。発言した同志が、「言葉では『まじめな人は誰でも』と言いながら、実際は、『あの人はどうも』、『この人はどうも』と言って、結局、誰も働きかける対象がいなくなっていた」、ここを突破したところから拡大が前進したということを語ったのは、たいへん教訓的でした。
党建設の問題では、党と労働組合の関係について、労働組合の前進も、党の前進も、それぞれ独自に追求する、このことの意味が、発言のなかでいろいろな角度から語られました。
たいへん印象的だったのは、ある同志が発言のなかで、「非正規雇用労働者を組合に結集することは非常に大切だ。同時に、非正規雇用労働者は、組合については、他の職場に移ったら、その組合をやめてしまうことにもなる。しかし、党に迎え入れれば、どこに行っても党員だ」とのべたことは、たいへんに重要な見地だと思います。
非正規労働者というのは、職場をどんどん変わります。変わらざるを得ない労働条件におかれています。それだけに、入党してもらう。入党すれば、どこに行こうと日本共産党のネットワークがあります。どこに行こうと温かい党組織が迎えてくれます。いっしょになってたたかう仲間がいます。党に入ってこそ先々まで生きる、しかも共通の社会進歩の志で結ばれた人間集団に入っていけると思うのです。ですから組合に組織する努力とともに、入党してもらう努力が大切です。それが、「党に迎え入れれば、どこに行っても党員だ」という言葉のなかに、ズバリ示されていると思いました。
さらに党建設の問題では、職場支部こそ学習をしようということがずいぶん語られ、またそれにとりくむことが活力の源泉となっている経験が報告されました。
東京で教職員の援助をしている地区委員会の同志は、綱領の学習と、労働時間短縮などの要求実現という二つの柱で、党づくりを前進させている経験を語りました。
関西の大企業の職場からは、『資本論』の学習が、非正規労働者の要求実現のたたかいを前進させていく深いところの原動力になっているということも報告されました。
私たちはいま、「ルールなき資本主義」ということを問題にしています。「ルールなき資本主義」のうえに「新自由主義」の経済路線がかぶさり、労働者の苦難をいっそう深刻にしているわけですが、これを打開し、「ルールある経済社会」をつくるという経済改革の大方針は、綱領に明記されているわけです。
さらに『資本論』をひもとくなら、そこには資本主義という体制の矛盾、その生成、発展、没落の法則が解明されています。資本がどういうやり方で搾取を強化するのか――長時間労働、過密労働、不変資本の節約など、さまざまな形で搾取を強化する方法も明らかにされています。それはまさにいまの職場でおこっていることを分析する生きた指針ともなるものです。
綱領を学び、科学的社会主義を学ぶことが、労働者階級を結集していく力を党員が深いところから身につけることになるのだと思います。
日本の未来がかかった大事業――系統的な前進のための努力を
討論から私たちが学んだことについて、いくつかのことをのべましたが、討論の成果はもちろんこれにつきるものではありません。すべての発言に学ぶべき豊かな中身がふくまれていたと思います。
この講座は、みなさんの奮闘によって、大きな成果をおさめることができました。
ただしこの成果は第一歩であって、実践で豊かに花開かせる努力を、お互いにおこないたいと思います。また、大会決定では、こうした講座を「系統的に開く」ことを確認しています。私たち中央委員会としても、これは第一歩のとりくみと考え、系統的なとりくみを今後も続けていくつもりであります。
職場のなかに強く大きな党をつくり、労働者の多数を結集していく事業は、長期的に見てまさにわが党の未来がかかった、そして日本の未来がかかった大事業です。お互いに知恵と力をつくし、お互いに学びあって、この大事業を前進させるために奮闘したいと思います。以上をもって討論のまとめといたします。
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