2006年4月3日(月)「しんぶん赤旗」
働きやすい均等法に
女性たちが交流・宣伝
国会での男女雇用機会均等法(均等法)の審議を前に、実効ある均等法の改正をと、職場の均等待遇を見直す交流会が一日、東京都内で開かれました。労働組合でつくる「女性の春闘懇談会」の主催です。
柴田真佐子全労連女性部長が、間接差別の限定列挙など政府の均等法「改正」案の問題点を指摘。「女性一人ひとりが人間らしく働ける職場づくりの力になる均等法を実現させましょう」と主催者あいさつしました。
参加者が職場の実態や春闘でのとりくみを発言しました。出版労連女性会議の組合員は、仕事量の多さと人員不足から、管理職も含めて長時間労働がまん延している現状を報告し、「女性の二人に一人が心身の不調を訴え、家族とだんらんがもてない、家庭や育児と仕事が両立できないと悩んでいる」と話しました。
「人手不足で超過密労働が進行している。看護職員が疲れ果て、燃え尽き、73%が仕事をやめたいと思っている」(日本医労連)、「人減らしによる労働強化、長時間労働がすすんでいる。女性が働きにくくなり、女性の管理職登用が遠のいている」(郵産労)との発言がありました。
交流会に先立ち、「男女雇用機会均等法」等の改正を求める請願署名への協力を有楽町マリオン前でよびかけました。
2006年4月3日(月)「しんぶん赤旗」
全国27カ所で相談会
全国センター 労災で質問集中
アスベスト健康被害救済新法にもとづく救済制度がスタートしたことを受け、働くもののいのちと健康を守る全国センターは一日、全国二十七カ所で電話や面談による相談を実施しました。同日午後五時までに報告があった二十二カ所の相談件数は、百五十七件にのぼりました。
同センターによると、当初の目的だった新法の救済制度に対する相談は十九件(12%)と少なく、一方で労災申請に関する質問が九十三件(59%)と集中しました。三十七件はすでに本人が死亡し、家族や友人などによる相談でした。
「中皮腫で昨年末に弟が死んだ。労災の可能性があるが、暴露歴がわからない。会社も証明できないと言っている」などの相談がありました。
2006年4月3日(月)「しんぶん赤旗」
救済申請どうしたら アスベスト新法で 学習・相談会
兵庫・尼崎
「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」(尼崎の会)は二日、「アスベスト新法」の成立・施行を受けて、尼崎市内で学習会と医療・労災・法律相談会、被害者・家族交流会を開きました。尼崎市にあった大手機械メーカークボタの旧神崎工場が、アスベスト(石綿)製品製造に携っていた労働者だけでなく、周辺住民にも多くの犠牲者を出していた事実が昨年六月末に公表され、石綿の健康被害が社会問題化しました。
学習会で報告した尼崎医療生活協同組合の粕川實則理事会事務局長は、新法について、「すき間だらけの極めて不十分なもの」と批判しました。
「クボタが石綿管をつくっていたころ、工場から数百メートルしか離れていない小中学校に通っていた人は何十万人もおり、全国に散らばっている。同窓会などつながりを生かして、健康診断の受診呼びかけなどをしたい」との発言もありました。
交流会では、関西電力の発電所に勤めていた夫を十三年前に中皮腫で亡くした女性から「当時は何の病気かわからないままだった。去年、この問題が大きく報じられて、初めてわかった」などの体験が報告されました。
同会の中に新たに「石綿による被害者と患者・家族の会」を発足させることが了承されました。
日本共産党の宮田静則兵庫県議は、「たたかいは始まったばかり。さらに活動を広げたい」と決意をのべました。
2006年4月3日(月)「しんぶん赤旗」
韓国 女性差別防止を強化
「儒教文化が障害」の声も
(写真)「国際女性デー」記念デモで女性差別の解消を訴える参加者=3月5日、ソウル(面川誠撮影)
韓国の第一野党・ハンナラ党の国会議員約百人が「男女平等、セクシャルハラスメント防止」の特別講義を受けました。三月三十日、地方の農村で開かれた党議員研修会で教壇に立ったのは、セクハラ防止対策を推進する女性家族省の金在仁・男女平等教育振興院長。「セクハラ防止は男女平等の社会、人権がいっそう尊重される社会を目指す努力」だと議員に訴えました。
野党議員の醜態
ハンナラ党が研修会のテーマにセクハラ問題を取り上げたのには差し迫った理由があります。同党の崔鉛熙議員が二月二十四日、記者団との夕食会で酒に酔い、東亜日報の女性記者に後ろから抱きつき胸をさわるという事件を起こしました。
崔議員は議員団事務総長を辞任することで騒ぎを収めようとします。これに対し、被害者と東亜日報の同僚記者百二十二人は崔議員を強制わいせつ罪の容疑で検察に告訴しました。与野党の女性議員は共同で議員辞職勧告決議案を提出する準備中です。世論の七割は議員辞職を求めていますが、崔議員は拒否しています。
国家人権委員会の趙永晃委員長は三月三十日の講演で、「いくら高等教育を受けても、地位が高くても、性の問題については理解できないようだ。社会が変化したのに、昔ながらの考えでいるから、あのような恥をさらすことになる」と崔議員を批判しました。
平等教育は義務
韓国憲法は「婚姻と家族生活は個人の尊厳と両性の平等を基礎として成立し維持されなければならず、国家はこれを保障する」としています。一九九五年に女性発展基本法が制定され、二〇〇一年に女性省が新設されました(〇五年に女性家族省に改編)。しかし、現実には男尊女卑の文化が根強く残っているのが現状です。
昨年十二月、女性発展基本法が改定されました。男女平等教育振興院の機能を強化するとともに、政府や地方自治体、学校などが年一回以上、セクハラ防止をはじめとする男女平等教育を行うよう義務付けています。
就職関連のポータルサイトを運営する「スカウト」の調査によると、職場に通勤する人のうち32・3%が「セクハラやわいせつ行為をされたことがある」と回答。その内容は、体の接触(38・2%)、わいせつな冗談(32・7%)、身体的な特徴を卑下する発言(17・2%)の順で、加害者の73・2%は上司でした。
国家人権委員会の性差別チーム調査官は京郷新聞のインタビューに「韓国社会の女性差別助長は、家庭で『学習』されている」と指摘。伝統とされる儒教文化の影響だとして次のように問題を投げかけています。
「家庭で教え込まれた男女の役割は、学校や社会に持ち込まれる。職場での昇進や人事異動でみられる女性差別もそこから生まれる。家族一人ひとり、親が考えと発想を変えることが必要だ」
(面川誠)
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