2006年3月22日(水)「しんぶん赤旗」

女性昇格差別を是正 総合職へ 労働者和解
鉄鋼商社の岡谷鋼機


名古屋高裁
 鉄鋼商社の岡谷鋼機(本社名古屋市中区)の女性社員らが、賃金や昇格で差別を受けたとして同社に是正を求めていた裁判で二十日、名古屋高裁で和解が成立しました。
 訴えていたのは元社員の藤沢真砂子さん(63)と本社勤務の光岡美代子さん(57)の二人。和解の内容は、光岡さんを六月一日をもって事務職から総合職に変更する、光岡さんの職掌変更後の配置先について一定の配慮を行う、光岡さんと藤沢さんに対して和解金を支払う―などです。
 裁判は二〇〇四年十二月に名古屋地裁判決が出され、藤沢さんらが同期入社・同学歴の男性社員と同じ地位にあることを認めず、差額賃金の請求を退ける不当な内容でした。原告側は直ちに控訴し、〇五年四月から和解交渉がすすめられてきました。
 「弁護団声明」は、光岡さんを総合職に変更することは「画期的である」と評価し、「同僚女性のみならず他の会社にも少なからず影響があると思われ、その成果は大きい」と述べています。また、一審判決では全面敗訴とされた藤沢さんに対しても、和解金が支払われ、「その意義が大きい」としています。
 記者会見で光岡さんは、「提訴から十年、和解が成立してほっとしています。この成果が若い人たちに引き継がれていけるように、働きつづけ、活動していきたい」と語っています。


2006年3月22日(水)「しんぶん赤旗」

人間らしく働きたい
東京でシンポ 深夜勤の実態考える


 人間らしく生き働くうえで深夜労働の拡大がどう影響しているかを問うシンポジウムが、このほど東京都内で開かれました。郵便局の「深夜勤裁判」を支援する東京の会が主催しました。
 パネリストとして「深夜勤裁判」原告団の佐藤二一さん(58)、宮崎洋子・東京医労連副委員長、菊池和彦・自交総連書記次長、色部祐・働くものの命と健康を守る東京センター次長の四氏が問題提起をしました。
 郵便局では、午後九時から翌朝八時(局によって違いがある)までの間、仮眠もない深夜勤が二〇〇四年二月から導入されています。勤務後に帰宅してわずかな睡眠をとり、またその日の午後九時から勤務するというサイクルが最大四日、続きます。
 家族が寝ているときに働き、起きているときに寝なければならないという、人間の生活のリズムに逆らう働きかたを強いられることによって労働者の健康を破壊し、家族生活の破壊を招くなど深刻な問題になっています。
 全国の郵便局に働く労働者が人間らしく働く権利を求めて提訴、深夜勤の廃止を求めて裁判をたたかっています。
 シンポジウムでは、パネリストが、それぞれの立場から、深夜労働の問題点を報告。郵便局の労働者の運動は、深夜労働という働きかたにノーの声を突きつけ、人間らしい働きかたを次世代に残す貴重なものだと議論しました。


2006年3月22日(水)「しんぶん赤旗」

新雇用策撤回求める 仏労組・青年 28日に総行動
政府が要求拒否


 【パリ=浅田信幸】若者の解雇を容易にする政府の新雇用策(CPE)の撤回を要求して、労組八団体と学生組織四団体は二十日夜、今月二十八日に共同して全産業総行動を実施することを明らかにしました。労働者・学生と政府は文字通り総力をあげた全面対決の局面に向かいます。

(写真)若者の解雇を容易にする新雇用策(CPE)撤回を求めるパリのデモに参加した若者=18日(浅田信幸撮影)

 全国で百五十万人が参加した十八日のデモのあと、二十日を期限とする「最後通告」で政府の態度変更を求めていましたが、ドビルパン首相がこの要求を拒否する姿勢を変えないため、行動提起となったものです。
 労組と学生組織は共同声明で、「十八日の特大規模のデモにもかかわらず、政府の固執姿勢を前にして、動員をさらに広げ」「二十八日を労働停止、スト、デモによる全産業的行動日」とするよう訴えています。また二十三日に予定された学生独自の全国行動に支持を表明しました。
 これにもとづき国鉄最大労組の労働総同盟(CGT)国鉄労働者組合は同日、二十七日夜から二十九日の朝にかけてスト実施を当局に通告しました。学生の分野では、すでに全国八十四大学のうち六十前後の学園で学生ストや占拠・封鎖が実行されていますが、国民教育省が二十日公表したところでは、四千三百の高校のうち三百十三校で同じような行動がとられています。
 一方、ドビルパン首相は二十日、企業代表者と会談し、続いてCPE賛成もしくは学校占拠・封鎖反対の学生組織代表らと懇談。企業代表との話し合いでは、CPEの「試験採用(見習い)期間」を二年から一年に短縮し、この期間の解雇については「自由」から「正当理由の提示」に修正する基本合意ができたと伝えられています。


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