2006年3月5日(日)「しんぶん赤旗」

独2大労組がスト拡大 5%の賃上げ要求
公共部門は労働時間延長反対


 ドイツの二大労組が三月に入って、賃上げ要求や労働時間延長の反対を求める運動を強めています。
 自動車や電機などで働く労働者を組織する金属産業労組(IGメタル、二百四十五万人)では、5%の賃上げを要求し使用者側と二月から交渉。交渉が行き詰まる中でバーデン・ビュルテンベルク州の各職場では一日から時限警告ストに入りました。一日は自動車のダイムラークライスラー社のジンデルフィンゲン工場、自動車部品ボッシュ社のフォイアーバッハ工場、その他の企業のカールスルーエ、マンハイム各工場などで一万人以上が警告ストに参加。二日、三日と時限警告ストは同州各地で続いています。

公正な分配を
 IGメタルは「企業側の業績からして5%の賃上げ要求は当然で、(賃金が5%上がっても)企業コスト全体での負担増は0・88%にすぎない」(ペーターズ委員長)として、大企業から労働者への公正な分配を求めています。
 IGメタルは他州でも交渉の状況をにらみながら、順次、警告ストに突入するかまえです。

サービスが低下
 一方、ドイツの州や自治体での労働時間延長に反対している統一サービス産業労組(ベルディ、二百五十三万人)は各州でストを継続。二日にブレーメンでストに突入して、これまでストをおこなった州は十となりました。
 今回のストは現在の週労働時間三十八・五時間を四十時間に延長することに反対するもの。ベルディは労働時間延長により、大幅な人員削減がおこなわれ、労働強化と市民サービス低下につながると主張しています。ストに突入した十州の中で唯一、ハンブルクの自治体労使が週労働時間を三十八・八時間にすることで一日に合意しました。
 激しい肉体労働の労働者は例外としてこれまで通り週三十八・五時間を継続することになっています。


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