2006年2月15日(水)「しんぶん赤旗」

ゼネコン利益還元を
建設労働者が春闘総決起


 「ゼネコンは利益を還元せよ」「規制を強化しコスト削減競争をただせ」――首都圏の建設労働者が十四日、社会問題となったアスベストや耐震偽装の根絶や賃金引き上げを求める春闘総決起集会を東京・日比谷野外音楽堂で開きました。三千五百人が参加し、国会までデモ行進しました。
 「仕事をふやして お父ちゃんに笑顔を」。こう書いたのぼりを掲げた千葉県君津市で住宅の外壁を張る仕事を営む河野貴志さん(52)。「単価は十数年前の四割程度。仕事も毎年減り、年間八十棟あったのが、今は五十棟いかない。一緒に仕事をしている息子(二十二歳)に後を継いでもらいたいが、先のことを考えるとやっていけるか」と顔を曇らせました。
 集会は、官民の建設関係の労働組合でつくる建設関係労働組合首都圏共闘会議と生活関連公共事業推進連絡会議の共催。建設首都圏共闘の池上武雄議長は「建設産業の民主化、働くルールの確立をめざすとともに、憲法を守り、日本を民主的に変革していく春闘にしよう」と呼びかけました。
 建設労働者の賃金は十五年前の水準で二人に一人が年収三百万円未満。「生活できる賃金を」のゼッケンをつけ、さいたま市で従業員十人を抱える左官業の田代司さん(60)。「二月半ばは忙しい時期なのに、従業員は半数しか動いていない。こんなのは初めてだ。依頼主の夢をふくらませる仕事だから続けていきたい」と話していました。
 集会では、日本共産党の小林みえこ参院議員が連帯あいさつしました。


2006年2月15日(水)「しんぶん赤旗」

成果主義が賃金抑制
内閣府、研究論文


 “企業が採用する成果主義が賃金抑制につながった”とする研究結果が内閣府の政策統括官室がまとめた論文で明らかになりました。

 仕事の成果や業績に基づいて社員の給与や役職を決める成果主義が大企業を中心に広がるなか、その問題点が政府自身の分析によっても浮かび上がりました。
 これは、「企業の賃金決定行動の変化とその背景」と題した論文で、同府の経済財政分析担当と外部研究者による研究をとりまとめたものです。
 論文は「一九九〇年代には高止まっていた賃金」がどのような要因で低下したかについて、企業のデータを用いて検証しています。
 それによると、(1)リストラで従業員の賃金への影響力が低下した(2)債務比率の高さが賃金を抑制した(3)結果として成果主義の導入は賃金全体を抑制する効果を持った可能性がある―ことが検証されたと結論付けています。企業業績が改善しても、成果主義の導入などで「賃金の上昇幅は過去と比べて緩やかなものにとどまる可能性がある」としています。
 また、成果主義の採用で社員のやる気が向上し、企業業績が改善するといわれているが、「企業の業績と成果主義賃金の関係はほとんどみられない」と分析。「成果主義賃金を採用している企業は賃金格差も大きい」との推計も紹介しています。


2006年2月15日(水)「しんぶん赤旗」
独公務員スト拡大
労働時間の延長に反対 2州から10州に


 【ベルリン=片岡正明】労働時間の延長に反対して六日にバーデン・ビュルテンベルク、ザールラント両州で始まったドイツの地方公務員のストは十三日、新たに八州の自治体労働者が加わり、大規模なストとなりました。ドイツ十六州のうち十州の労働者がストに参加したことになります。
 ニーダーザクセン州では二万人がストに参加。清掃局、保育園、病院などで労働者は職場前にテントを張り、スト突入のビラを配りました。
 今回のストは、統一サービス産業労組(ベルディ、二百五十三万人)が週の労働時間三十八・五時間を四十時間に延長することに反対しているもの。延長しても追加賃金の支払いはなく、自治体によっては夏冬のボーナス削減も提案されています。  ベルディは、労働時間延長で二十五万人の公務員が削減される、さらに労働強化になり、自治体サービス低下につながると訴えています。
 これに対しニーダーザクセン州のメーリンク財政相(キリスト教民主同盟)は、「税収が減り財政が苦しいので公務員は削減しなければならない」と強調しています。
 最新号の『フォーカス』誌によると、ドイツ国民の51%がストに理解を示しています。
 新たにストに突入したのはバイエルン、ハンブルク、ブレーメン、ニーダーザクセン、ノルトラインウェストファーレン、ラインラントファルツ、シュレスウィヒ・ホルシュタイン、ザクセンの各州。


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