『トヨタ・デンソー 過労うつ病裁判を支援する会』ニュース No.8 ( 2008年6月30日発行 )



事案の概要:デンソーの従業員であるKさんはトヨタ自動車へ出向した後にうつ病を発症し休職しました。いったん回復し、デンソーに復職しましたが、デンソーとトヨタ自動車の共同プロジェクトの中で、うつ病を再発。現在も療養中です。刈谷労基署に労災申請しましたが却下される。Kさんは現在デンソー、トヨタ自動車の業務が原因でうつ病になり、休職を余儀なくされたことに対して損害賠償を請求する裁判をおこなっています。


・7月28日(月)3時、名古屋地裁11階1103法廷で結審があります。

・年内に予想される判決の勝利に向けて下記要領で第2回総会を開催します。
    日時:9月21日(日) PM2時〜4時
    場所:刈谷市民会館3F302会議室
(会場地図 7頁参照)

・5/30、幹事会を開催し、次のことを意思統一しました。 (詳細 2頁参照)
   (1)総会の成功、裁判傍聴者を増やす。
   (2)会員の倍加
   (3)団体、個人への支援オルグの強化
   (4)職場環境改善の取りくみ




幹事会報告

・ 5月30日(金) 6:30〜8:30、

・出席者:幹事 + 原告Kさん

・議事:@今までの取りくみの報告が各担当からあった。
・裁判の現状 ・会員拡大
・裁判支援、傍聴 ・会費、財政報告
・「ニュース」の発行、宣伝、マスコミ ・他団体との連携 ・内野判決を職場改善に生かす運動 7月28日の結審、その後の年内判決を見据えて運動を強化していくことを確認した。

A今後の取り組みの重点
・9月21日(日)PM2時から刈谷市民会館で第2回総会を開催する。議事内容と分担を確認した。 ・会員を倍加して3ケタにする。そのため、各団体、個人に対して幹事が分担して依頼に回る。
・「ニュース」を発行する。
・裁判傍聴者を増やす。

愛労連へ一層の支援の要請(6月16日)
原告Kさん夫妻、近森「支援する会」幹事(愛知健康センタ理事)、金田事務局担当幹事(デンソー勤務、全トヨタ労働組合副委員長)は、愛労連本部を訪れ、榑松事務局長に裁判勝利のため一層の支援を要請しました。冒頭、裁判が7月28日に結審をむかえる大切な時期を向かえていることが近森幹事から述べられた。また、金田幹事からは愛労連が「支援する会」に団体加入し、カンパも寄せて頂いたことに謝意が述べられました。
原告Kさんからは、支援に対する謝意と裁判の現状などが話されました。その後の懇談では内野裁判の反響や、最近のトヨタ問題についてのマスコミ報道の特徴と変化、職場の状況、電話相談が大変多くなってきていることなどが話題になりました。






デンソーKさんの労災認定のために大きな支援を

西三河南労連議長 桜井 善行
 トヨタとデンソーを相手にした「トヨタ・デンソー過労うつ病裁判」もこの7月28日には結審を迎えます。昨年の10月8日には、『トヨタ・デンソー過労うつ病裁判を支援する会』の結成総会が行われ、この9月21日には第2回目の総会が行われる予定です。
 大企業トヨタとデンソーの過酷な働かせ方を告発し、多くの泣き寝入りしている労働者を励ますためにも大きな意義がある裁判です。幸いにも昨年の暮れに、トヨタ自動車堤工場で働いていた内野健一さんの過労死が認定されました。これは時間外の限りない無償労働を業務と認める画期的なものとなりました。確実に潮目が変わっています。
 Kさんの闘いはまだ一部の人にしか知られていません。是非多くの人に知らしめ、彼の闘いを支える輪を今よりもっと大きなものにしたいと思います。是非皆さんにも、会を支える輪を今より大きなものにしていくために、ご協力をお願いします。




Kさんの裁判傍聴に来ていたデンソー社員ToKaさんに 証人尋問の裁判の感想記事を依頼したところ、メールで寄稿していただきました。

「トヨタ・デンソー過労うつ病裁判」傍聴記     デンソー社員 ToKa
 4月25日、名古屋地方裁判所第1103号法廷でデンソーのKさんの裁判を傍聴した。
証人尋問で、原告(Kさん)、被告トヨタ側(上司だったY課長)、被告デンソー側(上司のN課長)の陳述書の内容等に関する質問をそれぞれの弁護人が行い、その後、裁判官も質問しました。
 全般的な印象は、KさんとYさんは質問に丁寧に誠実に答えていた様子だったが、Nさんは隠し立てをしている感じだった。答えたくない処は即座に「記憶にありません」・・・・まるで聞かれたくないことは逃げてごまかそうという感じの汚職の政治家みたいだった。
 過重労働・トヨタの上司からの言葉によるパワハラでうつ病になった原告Kさんに対する反対尋問の時に、被告デンソー側の弁護士から「Kさんは当時家を新築しましたね」という質問が唐突に出てきたが、トヨタの内野さんの裁判でも出てきた『家のローンのための生活残業(本来やらなくても良い残業をして、残業代を稼ごうと言うもの)』に結び付けたかったようだ。
 思わず人格を疑ってしまった。いろんな提出証拠を調べれば、無理と思われるような短納期の突発仕事がいっぱいあったことは分るはずである。一体誰が自分を苦しめて挙句の果てにうつ病になどなるというのか?
 原告のアラ探しにつながる可能性なら何でもよいという感じである。
 次回の証人尋問(5/12)では、問題のトヨタのパワハラ上司、デンソーの上司2名、デンソーの同僚の計4人である。尋問でどんなことが出てくるか、とても楽しみである。

「トヨタ・デンソー過労うつ病裁判」傍聴記  その2    デンソー社員 ToKa
 5月12日、名古屋地裁1103号法廷でKさんの裁判を傍聴した。
 証人尋問2日目で、被告トヨタ側(上司だったF次長)、被告デンソー側(上司のK1課長)、被告デンソー側(同僚のY1係長)、被告デンソー側(上司のA課長)4人の陳述書の内容等に関する質問を順番に、それぞれの弁護人がしました。その後、裁判官もいくつか質問しました。
  今回の全般的な印象は、FさんとY1さんは質問にはっきりと答えていた様子でしたが、K1さんとAさんは隠し立てをしている感じだった。答えたくないところには「記憶にありません」「覚えていません」・・・・答えたくないことは逃げてごまかそうという感じは前回同様。
 Fさん(原告Kさんのうつ病のトリガーともなった『パワハラ』上司)の人間性が本人はもとより、他の証人の答弁からも明らかになった感じがした。相手の気持ちなど考えず、皆の前で叱る。会社での口調も(本人は普通と思っているので気にも留めず、記憶にも残らないが)大分きびしい感じだったのがわかった。トヨタさんの一言がデンソーの人間にとって、どれだけ重く圧し掛かるのかを裁判官は感じてくれただろうか。
 K1さんは、部下の残業時間の申請・承認についても会社(デンソー)の規則さえ良く理解していない。『早く帰れ』と1~2週間は毎日言った」がKさんは帰らなかった」と証言したが,直接命令できる立場で、部下の業務負荷も把握できていない感じだ。(デンソーにはこんな上司が目につく)
  Yさんは真面目そうな感じだった。自分の感じたことや見たことははっきりと答え、推測に類することには断言を避けていました。
  Aさんは答弁に矛盾がみられた。原告Kさんの仕事が簡単であったように見せたいという意図が見え見えだった。
  さて、次回は最終弁論(7/28)。今回の尋問と答弁から見えてきたものを裁判官に納得させるように組み立てていくことになります。




内野裁判の判決に従い、 すべてのQC活動、創意工夫、安全活動などを業務に!
刈谷労基署に要請
5月16日に全トヨタ労働組合の役員と組合員は、刈谷労基署を訪れ、トヨタ自動車の遺族の内野さんが起こした裁判の判決に従い、トヨタ系の各企業を指導するよう要請しました。内野裁判の判決ではQCサークル、創意工夫活動などのいわゆる「自主活動」が業務と認定されたにもかかわらず、依然トヨタ系の会社では残業代がきちんと払われていない現状があることを具体例で示しながら、監督官に改善指導を要請しました。この要請には次長が応対し、「時間管理の基本に関わることなので、適切に対応したい」と回答しました。

判決に従い、QC、創意工夫提案、等の『自主活動』も業務とするよう指導して欲しいと申し入れました






事務局からのお知らせ
「支援する会」の口座を開設しました。会費・カンパは振り込むこともできます。先の岡信とUFJ、ゆうちょ(郵便局)にも開設しました。
(No.6と同じです。)




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