●井上メルマガ('14/3/15)   明日NHK。ニューヨークタイムズ社説

 井上哲士です。

 明日16日は9:00からNHK日曜討論に出演し、参院の各派代表と、予算案と日本経済、集団的自衛権、参院の選挙制度の問題で討論します。ぜひご覧ください。

 さて、今週は怒涛の一週間となりました。

 月曜日=テレビ中継入りの予算委集中審議で原発再稼働問題で質問
 水曜日=同じく予算委集中審議で武器輸出三原則廃止で質問
 木曜日=予算委公聴会で、集団的自衛権問題で質問。外交防衛委員会で日米地位協定の環境補足協定協議について質問
 金曜日=月曜日の外交防衛委の質問の通告

 予算審議のある三月は毎年忙しいのですが、連続のテレビ質問になったため盆と正月が一辺にきた感じですね。質問に対してたくさんの激励をいただきありがとうございます。

 さて、13日の予算委員会で、武器輸出三原則に関して『ニューヨークタイムズ』の社説を引用しました。 「日本は武器ではなく、厳密な外交を通じて憲法の平和原則を輸出すべきである」というもの。日本の軍拡路線全体に危惧を表明しています。 全文を紹介します。

★ニューヨーク・タイムズ 社説 (※電子版は2013年12月30日付、紙面は31日付)

〔見出し〕武器輸出に関する厄介な動き

 安倍晋三内閣が日本の武器輸出解禁に向けて動きつつある。世界の秩序と平和により大きな貢献をおこなうという安倍氏の政策スローガン、「積極的平和主義」の一部だ。しかし、もう一つ武器輸出国が生まれることが、どう世界の利益になるというのか、まったく不明確だ。日本の経済的及び技術的基盤をふまえれば、潜在的には巨大な輸出国となりうる。

 1967年、日本は共産国、国連の禁輸制裁対象国、国際紛争に関与する国に対する武器輸出を禁止しはじめた。1976年、輸出禁止はその前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と定める日本の平和憲法の精神のもとに、ほぼ全面的なものになった。これは、攻撃能力を有する軍隊はいかなるものも戦争の原因となることを意味するものと理解された。

 武器の輸出禁止が効力を生じたのは、ちょうど日本が優れた経済力を獲得し始めた頃のことで、輸出マーケットを渇望する軍事産業の発展を抑制した。米国、ロシア、フランス、英国のような他国では、軍事産業は胡散臭い効果を伴う外交政策の軍事化に寄与してきた。

 小野寺五典防衛大臣は、日本が他国との武器の共同開発の障害となる武器禁輸を解禁しない限り、日本の防衛産業は取り残される、と述べる。現在、日本は第三国に輸出するかもしれない他国とともに武器を開発することはできない。防衛省は来年3月に防衛産業を強化する計画を公表することを予定している。

 この間、安倍氏は厳格に領土の防衛のためにつくられた軍を海外で戦争ができる軍に作り替えるための諸政策を発展させてきている。安倍氏のアドバイザーは「積極的平和主義」の一環として、巡航ミサイルの取得を議論している。

 日本や他のアジア諸国がその軍事能力を高めることによって地域の中にある多くの相違を解決できるのかは疑問であり、無益な軍拡競争を悪化させるだけだ。軍事力の行使がそれだけで平和と安定を創出できないことは、米国がアフガニスタンやイラクで学んだとおりであり、中国も学ぶことになるだろう。日本は武器ではなく、厳密な外交を通じて憲法の平和原則を輸出すべきである。すなわち、平和原則の精神のもとに、武器管理の熱心な擁護者たるべきだ。


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