●井上メルマガ('12/8/30)   増税反対の問責決議が可決

 井上哲士です。

 いや〜、長い一日でした。そして画期的な一日でした。

 昨日、日本共産党など野党7会派が提出した野田総理問責決議案が参院本会議で可決しました。消費税増税と三党談合批判を理由としたこの決議案に、自民党も賛成。三党合意の破たんを示しました。

 8:00に7会派の国対委員長会談を開いて、断続的協議を続け、自民党が7会派案に賛成することが確定したのが15時過ぎ。10時に予定されていた本会議は17時開会にずれこみ、19時過ぎに問責が可決するまで緊張を解くことはできませんでした。

 8:00の会議で、改めて、7会派の問責の採決と、問責可決後に原子力規制委員会人事や赤字国債発行法案を3党で進めることのないよう求めることを確認しました。そこから、自民・公明との協議、7会派での協議が断続的に続きました。

 議案を本会議に上程するには議運理事会での合意が必要になります。合意ができない場合は、議運委員会での採決となりますが、同委員会は民主10、自民10、公明2、生活2、みんな1という構成で過半数は13。自民・公明だけでは12であり、野党7会派の一員である生活、みんなの賛成なしには上程できません。

 自民党は「議員数の多い、自公案の採決を」と求めましたが、7会派は「三党合意で増税をすすめながら、増税仲間に問責を出すのは茶番」と拒否。すると自民党は「どちらも上程されないことは避けよう。一本化、ないしは自公が賛成しやすいように提案理由説明を書き換えられないか」と12時過ぎの7会派代表と自民との国対会談では、文案まで提示してきました。

 これについても7会派は、「増税・三党合意勢力と共同提案することは、我々の問責の趣旨と全く違うし、国民的理解は得られない」と拒否し、あくまでも7会派案の採決を求めました。その後の国対会談で、自民党が「決議案自体は『内閣総理大臣、野田佳彦君を問責する。右、決議する』というものであり、問責可決を優先して、7会派案に賛成する」と表明したのです。

 ただちに7会派で記者会見。私は「7会派が、国民世論を背景に、増税と三党合意反対の一致点で最後までぶれなかった。この問責が可決されることは三党合意の破たんを示すものだ」と述べました。

 会見が終わるまでニュースを見る時間があまりなかったのですが、夕刊を見てびっくり。7会派が、自公と共同提案できる、ないし自公も賛成できるように問責理由の修正について協議している旨が共通して書かれていました。

 これは全く事実と違います。7会派、自公からの提案は拒否することで一致。ただし、決議案が増税法案可決前に提出したものだったため、「強行しようとしている」という表現を「強行した」に変えること、増税法案反対の議員が賛成者数ように「三党」としていたのをわかりやすいように政党名を明記するように変えただけのこと。

 まるで、自民党から文案修正の提案をうけて10会派の共同提案もありうるかのようなニュースは、自民党が期待をこめて取材に答えたからなのかと思いますが、我々にきちんと取材すれば事実はすぐに明らかになること。取材を尽くさないニュース、思惑で書かれるニュースが流れる姿を目の当たりにしました。

   結局、自民党もマスコミも7会派の結束を甘く見ていたのでしょう。最後は自公案の上程に応じ、賛成するだろうとたかをくくっていたのではないか。しかし、我々の背後には増税と三党合意反対の国民世論がありました。この一点で共同だからこそ、彼らの思惑を超えた力を発揮したのです。

 17時から本会議が開かれ、決議や法案の採決の後、問責決議案の審議・採決に。その時、公明党は退席。増税推進でぶれない党の姿をさらしました。

 みんなの党が提案理由説明を行い、討論へ。民主党の反対討論では「自民党の 皆さんはこんな理由の問責に賛成するのですか」と問いかけ、場内はヤジで騒然。続いて自民党の賛成討論では民主党を厳しく批判。増税仲間の内輪もめの姿に三党合意が国民からいかに乖離しているかを浮き彫りにしました。

 わが党からは山下議員が賛成討論。この問責が野田総理だけでなく三党に突き付けられたものだと指摘しました。採決の結果、7会派案が多数で可決。これまで野党第一党以外が提案した問責決議が可決した例はなく、国民の世論と7会派の増税・三党談合反対の一点での結束がこうした結果となりました。

 採決後、市田書記局長、穀田国対委員長とともに記者会見をして一日は終了。さあ、解散総選挙を求め、増税法を廃止できる国会をつくるための闘いです。


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