●井上メルマガ('11/7/20)   一時的でない脱原発の世論

 井上さとしです。

  3連休だった18日は京都の2か所で、19日は柏崎刈羽原発のある柏崎市でそれぞれ「脱原発提言」にもとづいて講演をしました。いずれも盛況で、柏崎では予定の50分をオーバーするような熱心な質疑応答になりました。関心が非常に高まっていることを実感します。

ところで今日の毎日新聞の夕刊に、元関西電力の労組委員長の民主党国会議員が登場し「半年もたてば世論も変わるわ。…震災後、原発をなくせという評論家が増えたが、産業・経済はどうなる。お父ちゃんの仕事がなくなってもええんだったら検討しましょうよ」と述べています。

イタリアで原発反対の国民投票が圧倒的多数で成立したときも、自民党の幹事長が「ヒステリー」と暴言を述べたこともありました。しかし、今の世論は福島原発事故の映像に衝撃を受けた一時的なものではありません。そのことをこの間の講演でも強調してきました。

それを示す一つが、朝日新聞が行っている世論調査の、「原子力発電を利用することに賛成か反対か」という設問への答えです。事故一ヶ月後の4月半ばの調査では賛成50%、反対32%でした。私は当時、この数字をみて、「あれだけの事故を起こしても半数の人が原発に賛成なのか」と感じました。

ところが、同じ設問に5月半ばでは賛成43 %、反対 36%となり、6月半ばには賛成37%、反対42%と逆転します。そして7月には、賛成 34%、反対46%と差が開いています。しかも、6月の調査から、「段階的にへらし将来やめること」への賛否も聞いていますが、玄力発電の利用には賛成という人でもその6割が「将来やめること」には賛成し、全体では賛成74%になっています。そして7月半ばの調査ではさらに増え77%に達しています。

 この変化を見た時、多くの国民のみなさんが、事故から日がたつにつれ、原発事故がひとたび起きれば、その範囲の広がりや長期化など、想像を絶する巨大な被害をもたらし、制御できないことを実感し、原発に対する態度を変えているといえるでしょう。

 つまりこの世論は一時的なものでない、非常に底堅いものだといえます。もちろん、ドイツやスイスなどのように撤退の決断を実現するためにはもっともっとこの世論を強く、大きくしていく必要があります。そのためには「やらせメール」にみられるような推進派の手段を選ばぬ巻き返しを押し戻す必要もあります。

 今週末は静岡で浜岡原発廃炉を求める大集会に参加。今後、岐阜、三重、石川、京都での講演会でお話します。「原発ゼロ」の世論を圧倒的なものにするために。


◆e-mail address: ご意見・コメントは下をクリックして下さい
『スパーク』へ意見・コメントを送る