●井上メルマガ('11/6/4)   信失った菅総理

 井上さとしです。

   井上真央さんが好演しているNHKの朝の連続ドラマ「おひさま」の舞台、松本市から京都に帰る途中。名古屋で新幹線に乗り込み、パソコンをひっぱり出しました。

 と、ここまで書いたところで「次は新横浜〜」のアナウンス。あ゛〜上下を間違えて乗ってしまった……。

  ……。…。

ショックから立ち直り、続きを書きます。

内閣不信任案とその後の国会のあり様を多くの皆さんが「被災者、国民そっちのけで何をやってるのだ」と思って見ていらっしゃるでしょう。私たちは最終的に、菅内閣の信任はできないが、一方で無責任で、展望もない党利党略にくみしないという立場で、「棄権」という選択をしました。

 この問題は第二幕がありました。不信任決議が否決されると総理は一転、早期退陣など言っていないと言い出し、これに対し鳩山前総理は菅総理を「ペテン師だ」とまで言って批判しています。

 私たちは、議員総会の総理の発言について、退任の時期も示されず、「退陣の意向表明」とは言えないと評価しました。事態はその通りでした。しかし、少なくとも民主党議員の大半やマスコミ、国民の多くに「退陣の意向表明」と思わせたのは事実です。

 総理自身が、四国のお遍路の話まで持ち出し、積極的に「誤解」を与えようとしました。国民に対し、正確に真意を伝えるために真摯に努力するのが政治家、とりわけ総理の役目です。目先の政局を乗り切るために、言葉をもてあそんだ総理の発言は、もう誰の心もとらえないでしょう。

 菅総理の態度には、民主党内のいわゆる親小沢といわれる議員以外も相当憤りを持っています。金曜日の参院予算委員会は、自民党などから厳しい総理批判の質問が浴びせられましたが、従来ならやじを飛ばして総理を守る民主党席からはほとんど声が上がりません。

 ある民主党の中堅議員は、エスカレーターですれ違う時に「もう誰も信じられなくなったよ」と声をかけて行きました。議事堂や会館の廊下などで、民主党議員が立ち話をしていると「詐欺みたいなものだ」などという声が漏れてきます。民主党内での「菅降ろし」は第二幕となって激しく展開されそうな様子。しかし、そんなことでは、ますます国民から国会が見放されてしまいます。

 野党からも与党からも、そして国民からも信をすっかり失った総理には潔く早期の退任を求めたい。もちろん被災地の願いにこたえた支援に中断や停滞がないような手当をきちんとしたうえで。

 見苦しい姿をさらす総理に課題をつきつけてもしかたない、答弁を求める意味があるのか――そんな気持ちにも駆られます。しかし、被災者の皆さんの暮らしと思いを考えれば、こんな総理であっても、総理である間はその仕事に全力を挙げてさせる必要があります。

 だから我々は愚直に質問の中で被災者、国民の願いを突き付け、積極的な提案も行い続けます。それこそが、政治を動かし、被災者に希望を与えることができるからです。来週の国会も全力を挙げます。


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