●井上メルマガ('10/3/26) 変わらない、という実感
井上さとしです。
新政権が編成した初の予算が24日に成立。さらに今日は、子ども手当ての法案も参院本会議で可決・成立し、国会内は緊張がゆるんだ空気が漂っています。
新政権発足から半年がたち、予算審議も終わった今、「失望した」「自民党政権と変わらない」にこんな声が広がっています。この間の外交防衛の分野での質疑でもそれを実感します。
核密約についてはどうか。調査に基づく報告書では、アメリカは、核搭載艦の寄港は持ち込みにあたらず事前協議の必要がないという立場をとっていると述べています。二十四日の予算委員会の締めくくり質疑で岡田外相は、現在もアメリカは立場を変えていないと認めました。
つまりアメリカは現在も条約上の権利として核搭載艦の寄港は事前通告なしに可能だという立場なのです。これは日本の国是である非核三原則に反します。このまま放置しておくわけには絶対に行きません。
私は、核搭載艦の寄港は認めないとアメリカにたいしてなぜ通告しないのかと迫りました。外相は、アメリカの核戦略の変更などをもち出してあれこれ言い訳しましたが、結局、返ってきたのは「アメリカの基本的な核政策を変えるということは、『核の傘』を危うくする」という答弁でした。
「核の傘」に頼るためにアメリカにモノをいわないというもの。いくら核密約を調査をしても現実に指一本ふれないのででは、自民党政権と変わりがありません。
これだけではありません。在沖海兵隊のグァム移転経費の問題です。日本の負担を決めた日米間の協定に野党時代の民主党は反対しました。ところが民主党政権の予算案ではグァム移転経費が自民党政権時代より増えているのです。
十五日の外交防衛委員会で、「反対したのになぜ予算額が増えるのか。外相は予算提出前の答弁では、税金の無駄遣いがないよう検証するといっていたではないか」とただすと、防衛相は、前政権時代の概算の額を予算計上しているとの答弁。まともな検証もなしに、自民党時代そのままの予算。あきれました。
さらに普天間基地の問題では、迷走のうえ逆走し、「最低でも県外」の公約は反古にされようとしています。
いずれもアメリカにたいして、きちんとモノがいえないことが根っこにあります。参院選挙に向け、アメリカいいなりではなく、名実ともに「非核の日本」、憲法9条を生かす日本をつくろうと大いに訴え、駆け巡ります。
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