●井上メルマガ('08/12/15)   居酒屋はいいが、スナックはだめ?

  井上さとしです。

    「居酒屋は対象だが、スナックはだめ」――今日の決算委員会での仁比議員の質問を応援傍聴したときに聞いた言葉です。何のことか分かりますか?

    仁比議員は、年の瀬を向かえ日々悪化する景気の中で、中小企業への融資の改善と派遣切り中止の問題で総理に迫りました。融資の問題でとりあげたのが、政府の緊急保障制度の対象業種の問題です。

    10月末から始まった「原材料価格高騰対策適応緊急保障制度」では、影響を受けている業種を政府が指定して適用するもの。厳しい声と要求を受けて対象業種を拡大してきましたが、なお、202業種、2割以上の業種は対象外とされています。

    その不合理さの一つとして紹介したのが、「居酒屋は対象だが、スナックはだめ」という事実です。居酒屋は緊急保障制度の対象となるが、なぜ、スナックはだめなのか、知ってますか?

    政府の説明は、居酒屋は仕入れ値段が上がって影響があるが、スナックは接客への対価が中心でほとんど仕入れはないので影響はない、よって対象外だというのです。しかし、今の景気悪化はスナックをも直撃しています。

   仁比議員は「街でも観光地でも、泣く泣く店を閉めるママが激増しているのに、居酒屋は対象になるが、スナックはだめ」とその不合理を指摘し、全ての業種を対象にすべきと迫りました。

   なぜ、こんなことに?緊急保障制度が、原油や食料品の大幅値上がりを受けて原材料や仕入れの高騰対策として始まり、リーマンショック以降の深刻な危機消費の急速な冷え込みに対応したものになっていないからこういう不合理が出てくるのです。口では「100年に1度の危機」といいながら、対策は従来型。これでは、中小零細業者の危機は救えません。

   それにしても、「スナックのママ」の思いを取り上げた国会質問を聞いたのは初めて。仁比議員が話しを聞いたのは、中洲や別府のママたちでしょうか。私は、京都の祇園でがんばる民商会員のスナックのママたちの顔を思い浮かべ、随分ご無沙汰しているな〜と思って聞きました。がんばれママたち!


◆e-mail address: ご意見・コメントは下をクリックして下さい
『スパーク』へ意見・コメントを送る