●井上メルマガ('08/11/18) 突然の審議拒否
井上さとしです。
ため息、怒り、慰め……。今日は参院内に様々な声が渦巻きました。昨日、民主党の小沢代表が突然、党首会談を要求し、会談の後に「二次補正が提出されなければ、新テロ特措法、金融法案の採決に応じない」と宣言したことで、参院全体が朝から空転したからです。
わが党はテロ新法について、田母神問題の解明も不十分であり、さらに徹底審議が必要だとして採決に反対してきました。しかし、反国民的な内容の第2次補正を提出しなければ採決できないとして、採決の条件にするのは全く筋違いの話です。私は、外交防衛委員会では、採決はせずに質疑のみ行うよう求めましたが、結局、質疑・採決ともにおこなわれませんでした。
だいたい委員会の審議日程は与野党が協議して決めているもの。それを一つの党のリーダーの号令で反故にするというのは、あまりにも乱暴です。しかも、二次補正を出さなければ2法案の採決に応じないというだけでなく、それ以外の委員会も審議しないというのは二重に道理がありません。
朝、委員会前に今日の議事日程を確認する理事会に向かうエレベーターで一緒になった民主党の議員たちからは「ハー」と大きなため息も漏れました。道理の無いことを理事会で主張するのはつらいものです。しかも、昨夜の段階では参院の民主党には「衆参ともすべての委員会で審議に応じない」と連絡があったようですが、実際は、衆院は今日の審議は予定通り行われました。
ですから、各委員会の理事会で与党から怒りの声があがり、「衆院は審議して参院ではなぜ応じない」と問い詰められ、反論できないという状況も生まれました。
昼過ぎに民主、公明の議員とエレベーターで一緒になったときのこと。公明の議員が民主の議員に対し、「大変ですね」と声をかけると、民主議員が苦笑いしながら「先生も体験されたんでしょ」と返事する場面がありました。
禅問答のようですが、その意味は…。かつて公明党が新進党に合流していたときに、当時の小沢党首のもとで、予算委員会室にピケをはって審議拒否をしたことがありました。乱暴な方針にふりまわされたことをお互いに慰めあったということでしょうか。
国民の怒りの前に解散も決断できず、先送りしても展望も開けず迷走する麻生総理。前半国会では、解散をお願いする立場でなんでも審議に協力し、途中から突然「強行」路線に転じて迷走する民主党。迷走のぶつかり合いの下で、犠牲になるのは議会制民主主義と国民の暮らしです。
わが党は、徹底審議を通じて政府・与党を追い詰める「王道」をまっしぐらに進みます。
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