●井上メルマガ('08/9/29)   史上最低の所信表明

  井上さとしです。

    いや〜ひどい。たった今、本会議での麻生総理の所信表明演説が終わったところです。余りこういう言い方は好きではありませんが、史上最低の所信表明演説でした。

    冒頭から驚きました。「わたくし麻生太郎、この度、国権の最高機関による指名、かしこくも、御名御璽をいただき、第九二代内閣総理大臣に就任いたしました」。

    「御名御璽」が本会議演説で飛び出すとは……。さらに麻生氏は、

   「私の前に、五八人の総理が列しておいでです。一一八年になんなんとする、憲政の大河があります」と続けました。

    なんと、主権在君と、主権在民の憲法の区別がありません。だから、冒頭の言葉になったのでしょう。驚くべき時代錯誤。

    さらに続きます。「ともすれば、元気を失いがちなお年寄り、若者、いや全国民の皆さん方に……申し上げます。日本は、強くあらねばなりません…明るくなければなりません」。いったい誰が元気を奪い、明るさを奪ったのか。そのことへの反省も自覚もまったくないままに、「私は、日本人の底力に一点の疑問も抱いたことがありません」などというのですから、あきれ果てます。

    公務員については「私が先頭に立って、彼らを率います。彼らは、国民に奉仕する政府の経営資源であります」と述べました。公務員が「経営資源」であり、自分が率いる――会社の社長だった麻生氏流のものの言い方なのでしょう。

     しかし、公務員は、戦前のような天皇に身分的隷属関係にあるものではなく、民間会社の社員でもありません。憲法十五条の「すべて公務員は、は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」という規定をどう理解されているのでしょうかね。

    外交については、「私が原則とするところを、申し述べます。日米同盟の強化。これが常に、第一であります」と宣言し、以下は順序がつけにくいとしていくつかの課題をあげました。これほどあからさまに「アメリカ追従」を語る人が首相とは実に情けない。そして、国連については「少数国の方針で左右され得るなど、国運をそのままゆだね得る状況ではありません」とまで述べました。

    それでは、イラクやアフガンを始めた無法を繰り返しているアメリカに国運をゆだね得ると考えているのでしょうか。総理には、アメリカの一国覇権主義が通用しなくなっている世界の流れも眼に入らないようです。

    あまりにひどい内容に本会議場はしばしば騒然とし、演説も聞き取りにくい状況となりました。もう、この政治に国民の未来を託すことはできない、なんとしても変えねばと、改めてファイトが沸いてきました。

2日の 衆院で志位委員長、3日の参院で市田書記局長が代表質問に立ちます。乞う、ご期待。


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