●井上メルマガ('08/7/7) 地球温暖化
井上さとしです。
今日からサミットが始まります。大きなテーマの一つが地球温暖化防止の問題です。日本共産党は先日、「地球温暖化の抑止に、日本はどのようにして国際的責任をはたすべきか」という見解を発表して、取るべき道を明らかにしてきました。
この問題では、この間、自民・民主の議員と一緒に議論する機会が2回あり、特に自民党の危機感と責任感の無さに驚きました。いまやるべき温暖化抑止の中心は何か。世界の科学者の英知を結集した知見――産業革命以前より2度の気温上昇に抑えなければ、破局的な事態が予想される。その防止のために2050年までに温室効果ガスの排出量を半減させる。先進国はさらに削減して責任を果たす――に対し、政治が危機感、責任感をもって取り組むことです。
ところが、京都で行われたシンポジウムの席上、私が、中間目標を明確にしていないことなど政府の対策を批判すると、自民党の代議士は、「批判ばかりでなく、国民を励ますことが必要。できることからみんながやったらいい」と発言されました。
この発言には危機感も切迫感もありません。そこで私は、「国民ができるところから始めるのは大事だ。しかし、地球温暖化の問題は期限までに目標をやらなくてはならない。政府は、できることからやるのではなく、やるべきことをやりきる姿勢が求められる」と強調しました。会場では多くの皆さんがうなずいて聞いてくださいました。
もう一つはCSテレビの討論番組。「日本の環境対策は進んでいるのでは」という司会者の問題提起に対し、90年比で25年までに20%削減という法案を出しているはずの民主党の議員まで「日本はヨーロッパより早く対策をすすめてきた。むしろ、進んだ省エネ技術で途上国の削減に貢献すべき」と、国内での削減目標を棚上げにするような発言もでました。日本が90年との比較で地球温暖化ガスを6%以上増やしており、ヨーロッパから見ても立ち遅れているとし主張したのは私だけでした。
さらに自民党の議員からは「京都議定書で90年を基準にしたのが諸悪の根源」「交渉上手のヨーロッパにうまくやられた」「このままでは今世紀最大の経済交渉に負ける」などの発言も出ました。この発言も見過ごせません。私は、「この問題は地球と人類の未来がかかった問題であり、自国の利益中心の経済交渉とは違う」と強調し、日本は京都議定書を発信した国としても、サミットの議長国としてももっと積極的役割を果たすべきとのべました。
だいたい収録が始まる前の雑談では、「2050年に80%も減らすなんて、できるはずがないよね〜」などという会話が平然と行われました。私が「できるかどうかではなくて、やらなければ破局が来る。やらねばならないんですよ」というと、「共産党は原理原則だから」というだけ。嗚呼、なんという危機感、責任感の無さ!
目先の利益や財界の言い分だけにとらわれる政治では人類の未来の責任をもてません。孫子のためにも、今、がんばりどきだと痛感しています。
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