●井上メルマガ('08/4/6)   文科省汚職

  井上さとしです。

  この3日間は、徳島市長選挙、新潟上越市議選、佐渡市議選と回り、空路、鉄路、航路とフルに使いました。その途中に飛び込んできたのが文科省の大島前文教施設企画部長が収賄の疑いで逮捕されたというニュースです。

    実はここ数日、文科省を舞台にした汚職事件の捜査がありそうだという情報が飛び交い、いくつかのマスコミが私の事務所に取材に来ていました。私が06年、文科省の文教施設管理部OBによる談合疑惑を2度にわたり質問していたからです。

    それまで文科省というのは教育行政が中心で、建設談合などとは無縁のお役所だと思われていました。ところが、文科省のなかには文教施設企画部という、国立大学や博物館、スポーツ施設などの建設だけを担当する部門があります。この部門では、教育行政とは離れて、本省と大学の施設部など建設部門をいったりきたりする人事が行なわれています。

    私は、文科省から菅工事を受注している企業に天下りした文教施設企画部のOBで「くぬぎ会」という組織をつくり、文科省発注工事の多くを予定価格にほぼ近い高い落札率で受注しているとして談合の疑惑を指摘しました。さらに企業に顧問などで天下ったOBが大学などに出入りして便宜を受けているのではないかとただしました。

    当時、この質問はマスコミも注目し、かなり報道されました。文科省は談合問題などで追及された経験は余りなく、受注関係の資料提出を求めても当時の課長は「文科省は談合などとは無縁な役所です」と必死で抵抗していたことを思い出します。

    当時、答弁にたって否定したのがこの部門のトップである大島部長でした。ところが、実際は大島氏自身が企業に文教施設の発注情報を事前に漏らして現金を受け取り、接待も受けていたというのです。贈賄側の建設会社幹部は、元自民党参院議員秘書で、業界の要望も取りまとめていたとも報道されています。

      それにしても教育基本法改悪であれほど「規範意識」を強調したお役所が贈収賄にまみれ、タウンミーティングでやらせ質問をしていたのですから、ひどい話です。

    ことは大島前部長だけの問題ではありません。天下りと一体となった構造的問題であり、利権政治家も絡んでいる可能性もある問題です。腐敗構造疑惑に徹底してメスを入れる必要があります。


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