●井上メルマガ('08/2/19)   951票差の無念と確信

  井上さとしです。

  951票――17日投票の京都市長選挙で市政刷新の会の中村和雄候補が「オール与党」候補をギリギリまで追い詰めました。あと一歩。素晴しい候補者だった中村さんを市長にできなかったことは無念でなりません。

    選挙事務所で開票を見守り、相手に当確が出たのは23時過ぎ。開票率96%の時でした。京都市は11の行政区があり、電子投票がおこなわれた東山区と上京区がすぐに結了し、人口のすくない行政区から順次、開票状況が入ってきました。その得票状況は、丁度、321票差に迫った木村万平さんの時と似通っていました。負けた行政区も、その時よりも差が縮まっています。

   党の影響力の強い行政区が開票すれば逆転できる――いったんは勝利を確信しましたが、無所属の元市議が予想以上に票を集めた行政区もあり、結局は僅差で涙をのみました。残念。ただ、残念です。

   しかし、支援した政党の構図では共産党vs自民、民主、公明、社民。参院選挙の比例票では2対9。オール与党側は最初から勝利を確信し、マスコミも接戦を予想していませんでした。ここまで追い込んだのは、何よりも中村さんという素晴しい候補者の力、そして弁護士や医療人、宗教者を始めとした党派を越えた共同の力でした。

   そして、自公政治の構造改革と、それをそのまま持ち込んだ市政のもとで市民の暮らしから悲鳴が上がっていたこと、さらには不公正な同和のもとで職員の不祥事が相次ぎ、市政刷新を求める市民の声が大きく広がっていたことがありました。

   市民の願いをいかしてつくられた政策や宣伝物は大きな話題になりました。「京都民報」のWebサイトに掲載されていますので、ぜひ、ご覧ください。

   勝利はできなかったものの、この結果は全国を励まし、国会にも衝撃を与えました。開票翌日の月曜日。朝の国会対策委員会でも、「惜しかった」「すごいね」と話題になりました。他党議員とエレベーターに乗り合わせると「京都は強いね〜」「ギリギリだったからドキドキしたよ」という自民党議員や「いや〜相乗りへの批判はきつかった」とぼやく民主党議員など、どこでも話題になりました。

   本部の国際部の方の話を聞くと、ある大使館の外交官とあった時も京都市長選挙が話題になり、「共産党1党の推薦で951票差はすごいですね」と驚嘆の声が上がったそうです。さらに、その外交官は、相手が4党だったことを知って、「国会ではあれだけ対決しているにの何で」と2度ビックリされたとのこと。さらにその外交官は、「日本の財界の人と話していても、自民も民主もダメ。国民が期待できる新しい政党が必要という人が多い。そういう流れがしめされたのですかね」といわれたそうです。

   この間の国会の事態を通じて、2大政党の正体が明らかになりつつあることも大善戦の背景の1つといえるでしょう。

   「選挙戦を通じて寄せられた市民の苦しみ、痛み、なんとかしてほしいという思いを受け止め、これからもがんばっていきたい」という中村さんの決意を受け、新しいたたかいの始まりです。この無念はまず、総選挙ではらすぞ!!!!



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