●井上メルマガ('07/12/7) ごまかしは許さない
井上さとしです。
新テロ特措法案の委員会審議が今週から始まり、火曜、木曜の2回の質問にたちました。火曜日の福田総理に対する質問はテレビ中継もされました。見ていただいたでしょうか?
福田総理に対する質問は初めてですが。「正直」な人ですね。総理自身が、今問題の日米平和・文化交流協会の理事を務めていたことを指摘して、自民党と軍需産業との癒着についてただしたのですが、不機嫌な顔になり、くちもともピクピクするのが質問席からも良く分かります。
テレビではいっそうよく分かったようで、党長野県委員会の皆さんからはこんなメールをいただきました。「県委員会でみんなで見ました。大きな拍手聞こえましたか??福田首相、口元はあわわわ、目は落ち着かなく動き、体も身の置き所がないようにそわそわし、大変な動揺ぶりが、映し出されました。胸がすっきり!ご苦労様でした!」――ありがとうございます。
木曜日は主に高村外相に質問しました。米軍などによる掃討作戦がアフガン現地でどんな悲惨な事態を作り出しているのか、メディアがほとんど現地に入ることができず、写真や映像もありません。なにかないかと、秘書さんが色々ネットで探してくれて、10月28日に放映されたアメリカCBS放送の人気ドキュメンタリー番組「60minuts」のを見つけ出し、翻訳してくれました。
そのなかに、カルザイ大統領のインタビューがあります。「米軍等はアフガニスタンを助けるためにアフガニスタンに来ている。しかし、アフガン人は五、六年もたってなぜいまだに空軍力が必要なのか、まったく理解できない」とのべ、空爆の中止を求めています。
どこかで聞いたことのある発言だと思って議事録を読み直すと、高村大臣が、米軍などの掃討作戦がアフガン政府の支持と要請のもとに行なわれていることを証拠づけるものとして答弁で繰り返し引用しているものと同じ。しかし、外相が引用するのは前半だけで、肝心の空爆中止を求める部分は引用していないのです。同じ発言の引用だとすれば、国会を欺くものといわざるをえません。
事前に外務省に問い合わせると、やはり、同じ番組でした。よし、これを質問しよう。当日、高村外相が答弁で引用してきたのがCBSの番組でのインタビューであることを確認したうえで、「大臣が引用した部分の後で、カルザイは、5〜6年たってもなぜいまだに空軍力が必要なのかまったく理解できないと言っている。発言の前半だけで切ったら、まったく逆の意味になるではないか」とりました。
大臣は、前半だけを引用したことを認め、自分の手元にはその部分しか報告が来てなかったことを明らかにしました。ひどい話です。官僚が都合のいいところだけを切り取って、大臣に報告し、答弁させていたのです。私はアフガンの上院も空爆中止を求める決議をあげていること、米軍の空爆が市民の犠牲を「見積もって」行なわれており、市民の犠牲が前提とされていることを示して掃討作戦の中止を求めました。
もし、このアメリカの番組を見つけなければ、カルザイの発言はまったく逆の趣旨としてそのまま通ってしまうところでした。何しろ、官僚の作る国会答弁は、ごまかしやすり替えだらけです。そうやって間違った法案も押し通してしまうのです。一つひとつごまかしやすりかえを暴き、徹底して追及する―― 一回一回の質問が闘いです。
新・テロ特措法案の廃案へ、全力でがんばります。
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